2009年 11月 23日
invisible |
すっかり日が暮れてしまうと、冷えて来る季節になった。
もう師走も間近なのだから寒くないといけないのだけれど、寒いのは寒いのでやっぱり辛いものがある。
布団から出たくない。すっかり無職生活が板についてしまい、またいつぞやのように半自堕落な生活になりつつある。
「半」というのは、僕の場合性分として掃除洗濯やら基本的なことはやらないと気が済まないたちなので、身の回りはわりと最低限整っているのである。
お金がないと行動範囲も狭くなってあまり動き回らなくなるもので、そうなると部屋の中にあまりものが増えなくなる。
ものを買わないで当たり前なのだがこういう時は確かに無駄がなくてよいなと思う。
最低限でいいのだ。
先日、とある家に招かれて夕飯をごちそうになった。
32階の高層マンションから眺める景色はいつもの街であるのにも関わらず、自分がそれまでまったく見たことのない景色だった。
ひとつひとつのマンションごとにこういう景色が見られるのかと思うと、すこしくらっとした。
どれだけたくさんの視点がこの世にあるのか。
そういうことを考えてはゾクゾクしている。
結局その日はお厭間のタイミングをはかりかねてしまい、夜の1時頃まで飲んで話をしていた。あいてにも悪いなあとは思ったもののこういう間合いをはかるのが大の苦手である。
切りのいい所で会話を切り上げられる人をみるとつくづくうらやましいと感じる。あれは僕にとってまわる長縄の中に飛び込んでゆくよりも難しい。
見えないものはすべからく難しい。
そう思う。
これまでいろいろと準備は進めてきたけれど、なかなか逃亡の準備が整わない。
もう今日明日で準備をしないことにはすべてが共倒れになってしまいそうだ。
片付かない部屋の中を眺めて少し途方に暮れている。
見えていても見えていないのかもしれない。
僕には何も見えない。
soundscape
by itr-y
| 2009-11-23 21:18
| 日常