2010年 01月 14日
Soul Kitchen |
こっちに来て映画館というものに初めて入った。
映画館と行ってもどどーんと大きなものではなくて、小型のシアターである。なんともアットホームな感じがよろしい。
Kino(キノ)というのがドイツ語での映画館である。不思議とこの単語はすぐに覚えることができた。印象的だし響きがいい。こういうスッと入ってくる言葉もある。
観たのはSoul Kitchenというドイツ映画だ。
ポスターが以前から気になっていて、この間ふと思いついて観に行ったのだけれどこいつがなかなか面白かった。
ファティアキン監督という、わりと有名な監督さんの作品だそうで、ベネチア映画祭で特別賞を受賞した作品だというからちょっと小難しい内容なのかなとも思ったりしたけれど、中身はなかなか痛快なヒューマンコメディーだった。
主人公は下町で繁盛しない食堂をやっている男。ある時、出所してきた旧来の友人が訪ねてきてかれに連来保証人になってくれと頼む。かれは渋々承諾してサインをする。
彼女が仕事で上海に行ってしまい、彼は結婚にこぎつけるためになんとか店を繁盛させようとするのだけれどなかなかうまくいかない。そんな中、頑固なあまり客を怒鳴りつけて有名店をクビになったコックを彼は雇う。
石頭コックの監修のもと、ポテトやハンバーガーなどソウルフード中心だったメニューは安いながらもおしゃれで美味しいメニューへと変わってゆく。
やがてDJブースを作ってソウルミュージックを流し、レストランは食堂&クラブという街の有名スポットになり大繁盛するのだが...というのが大まかなあらすじ。細かいところまではわからなかったけれど、おおよそ間違ってはいないと思う。
ドイツ語だから内容わかるかなと心配していたのだけれど、まったくの杞憂だった。ストーリーがシンプルでとてもわかりやすかった。全編にソウルの名曲が使われていて、場末のおんぼろ食堂のドタバタ感をクールに演出してくれている。サントラ欲しいな。
一番面白かったのが主人公がほとんど全ストーリー中のほとんどの間腰痛を煩っているというところだ。
自分も腰痛持ちなのであの気持ちが文字通り痛い程よくわかった。たぶんあの役者さんも腰痛持ちだったんじゃないだろうか。この腰痛もストーリーにちょっと関わってくるのだが、まああとは劇場でご覧あれ。
サイトでいろいろ調べてみたけれど ドイツ映画祭 で一度上映されたのみなのだろうか、日本では上映の予定はまだないみたいだ。
もし上映されたらぜひ観に行くことをオススメする。まあまずがっかりして帰ってくることはないと思う。ちなみにサントラはitunesで購入可。
Soul Kitchen
Ein Film von Fatih Akin
Pandora Film
soundscape
by itr-y
| 2010-01-14 17:17
| ベルリン