2010年 02月 10日
鼻水とバカ二人 |
あっという間に3ヶ月が過ぎ、もうベルリン滞在も残すところあとわずかとなった。
そんな中、僕はけっこう周りの人との交流がまた増えて、わりと毎日なんやかんやある感じになった。ここに来た頃は観光でもしてないと何をしていいかわからなかったというのに、今では観光することの方が何となく時間の無駄のような気がしてしまう。
まだまだ行きたいところはたくさんあるけれど、もうなんだかまた次回だなと考え始めている。
時間が足りない。あと10日では時間が足りない。帰りの支度も始めなくてはならない。なるべく持って帰るものも減らしておきたい。部屋の中にはけっこうガラクタがゴロゴロしている。フリマなんか行くんじゃなかった。
ベルリンでは鼻風邪がはやっているのか、あっちこっちでくしゃみや咳をしている人が多くなった。そしてご多分に漏れず自分も風邪を引いた。風邪というより風邪気味がずっと続くような感じの風邪で、鼻水がエンドレスサマーである。時折出るくしゃみがやたらうるさい。
もう三日目くらいになるがようやく治り始めたようだ。
と思ってたらくしゃみが出た。
そんな中、昨夜は在ベルリンの日本人と日本語の勉強をしているドイツ人の集まりに参加してきた。毎週同じ曜日に開催される集いで僕は何度も参加している。こういうところに行かないと人に会わないだろうなと思っていたからだ。
結局、滞在中はわりと足を運ぶようになった。
昨日はこっちに来て半年くらいだという、日本人の女性の人が初参加だった。ドイツ語がえらく堪能なのでてっきりこっちに来て長いのかとか、それとも来る前にドイツ語を習っていたのかとみんな思っていたのだけれど、なんと彼女はまっさらの状態でここに来て半年でしゃべれるくらいにまでなってしまったのだという。
なんてこったい。
ホームステイで、大家さんがドイツ語しかしゃべれないことと、彼女自身がおしゃべり好きだったかららしい。フランス語とは相性が合わなかったらしいけれど、ドイツ語は性にあったらしく短期間で習得してしまったのだそうだ。
僕は二ヶ月半いて、日常会話もままならない。
こっちに来た時に、学校行ったらどうかと勧められたこともあったのだけれど、滞在期間の話をするとみんなう〜むと考え込んでしまった。時間的に「帯に短し、たすきに長し」と言った感じだったのである。
こっちでは語学学校がタダなので、観光ビザだろうがワーホリだろうが学校にタダで行けてしまう。もともとトルコ人だとか移民の多いのがヨーロッパなのだが、ドイツではそうした人たちが自分たちだけのコミュニティにこもってそこだけで生活されたりすることを避けるため、無償で教育を提供しているのだそうである。
ドイツはキライみたいなことをたくさん書いてきたけれど、こうした懐の深さみたいなものがドイツの人の特徴でもある。
僕は、挨拶以外ではとりあえずお金のやり取りのために数の数え方を覚えた。あとは「すみません」とか「これはなんですか?」とかそんな言葉しかしゃべれないので、基本英語とのミクスチャー状態だった。
とりあえず使える言葉は全部使っとけ、みたいな。
でも長くいたおかげで音やイントネーションはだいたい覚えたので、あとは文字と意味を照らし合わせていく作業が待っている。こっちに来て一番失敗したなと思ったのは、電子辞書を買わなかったことだ。これから外国に行く人にためになにかアドバイスできることがあるとするのなら、とりあえず電子辞書は買っておいた方がいいということだろう。
その後、僕は自宅近くのライブハウスに行って、ちょっとしたステージを見た。
ベルリンのライブハウスのステージは適当である。適当に誰かが歌って、適当に誰かが踊っている。もともと、よく行っていたギターリペアショップの店主の人から教えてもらったところだったのだけれど、そこで偶然いつものギターやで会う友達にあった。
彼は無類のギター好きで、いつも家にたくさんビンテージのギターがあるから、ウチに遊びにこいと言ってくれていたのだけれど、その日のライブの帰り道に自宅にお邪魔することにした。
彼の家で自慢のコレクションを見せてもらった。
彼は一言で言うとギターバカだ。
部屋の中には有名無名の名ギターがその辺に転がっていた。ギブソン、フェンダーなんかの有名どころもあればドイツの無名製作家がつくったギターもある。エレクトリック、アコースティック、そしてアーチドトップ。
見ているだけでワクワクするようなギターを彼は子供のように目を輝かせながら紹介する。そして僕はほとんどのギターを弾かせてもらった。
本当に好きなんだなあ。
ルームメイトと二人で住んでいるらしいが、ここにも置ききれないほどのギターを持っているらしく、ガールフレンドの家に置かせてもらっているらしい。彼女もとんだ災難だ。
二人でギターの話音楽の話、そしてYouTubeなんかを見つつ話に花を咲かせた。
いつしかYouTubeはこういう場では必須のツールになってきている。不思議な時代だ。彼は最近はまっているWolfMotherのPVや、70年代のStyx、ユーライアヒープなんかの映像を見せてくれた。そして僕はお返しとして山崎まさよしのワンナイトスタンドツアーの映像と、ゴダイゴのメドレーを見せてあげた。
彼は若かりし日のタケカワユキヒデの歌を聴いて、「すごいいい声をしているね彼は」と驚いていた。
ギターバカ二人の話はなかなか尽きない。
その後も延々と二人でしゃべり続けたのであった。
soundscape
by itr-y
| 2010-02-10 20:54
| ベルリン