2010年 04月 05日
常備薬 |
ここの所の天候不順で、春らしい写真が撮れないでいる。
あちこちの桜が咲いたもつかの間、ところどころすかすかになりつつあるのが悲しい。明日は晴れそうだけれど、まだまだ不安定な天気は続く。すっかり天気図なんかにも目を通さなくなってしまって久しい。
でも今年はリンク先のいつもお世話になっているおとなりさんブロガー、「ゆっくりFrogライフ」のkorotyan氏主催のお花見に行けたのでこれだけで満足だ。しばらくあまり人とふれあっていなかったので、たくさんの知らない人たちと話が出来てよかった。
去年も同じ所で開催していたのだけれど、王子の飛鳥山公園というのは江戸時代くらいから桜の名所として有名なのだそうだ。今日、コンビニでジャンプを立ち読みしていたら両さんがそう言っていた。そんなに昔からあるのか、あの山は。
去年も不思議だなあと思っていたのだけれど、このお花見をやる日はいつもきちんと晴れになる。主催者の超能力なのか、参加者の晴れ人間、雨人間の比率なのか。今年もきちんと晴れていたから驚きだ。4月は雨の方が多い季節なのに。
花見の最中はkorotyan氏は右に左に飛び回って、参加者に声をかけ、挨拶をし、ほんでもって料理を作って配り、一人で何役もこなしていた。この人のサービス精神と行動力と機転の早さはたぶん僕は3回くらい生まれ変わらないと身に付かないと思う。僕はずっとぼけーっと酒を飲んでいた。この場をお借りしてkorotyanさん、ありがとうございました。
そして昨日はスタジオ勤めのカメラマンの友人に声をかけて、夜のわずかな時間に出かけてきた。彼は自分の作品を撮るとかで忙しそうだったので、僕が久しぶりに中目黒に出かけることにした。中目の街は不思議な所で、若くてスタイリッシュな人々で溢れている。あまりにスタイリッシュでスタイリッシュっていったいなんなんだろうなと思ってしまうくらいスタイリッシュである。
目黒川沿いの桜を見物する人たちで、中目黒の街は人でごった返していた。中目黒にこんなに人がいるというのがなんとも変な感じだ。
小さいけれど安くておしゃれなパスタ屋で彼は食事を、僕はビールを飲みつつしばらく話をした。
実はここのところ就職活動をしていたのだが、なかなかあたらしい職が見つからず苦労していた。話には聞いていたけれど、どうも一筋縄ではいかないらしい。バイトでもするかあ、なんて話をしていたら彼は「それじゃあ今完全に自由の身なんだ?いいなあ...」と言った。
彼のそんな言葉を聞いてちょっとハッとした。
自分が働いていたとき、何よりも欲しかったのは時間だった。お金も欲しいけれど時間が欲しかった。何かをしようとする時に必要なのは考える時間だ。特に僕の場合思考回路のスピードがとても遅いので時間がかかる。
よく考えたあげく何もしないか、特に何も考えずとっとと動いてしまうか。
旅行中は考える時間がないので、何も考えずにふらふらと動きまくっていたけれど、わりと無駄が多い所もあった。だからそれなりに熟考の意味はあったのだ。スピードを上げればあげるほど精度が下がるのは致し方ないけれど、スピードが与えてくれる躍動感というのもあった。お金はそのスピードをなによりも劇的にあげてくれる即効性の薬だった。おかげで今カネがないわけだが。
雨の月曜日はいつものハンバーガーショップでコーヒーを飲んでいた。
武器と弾薬、食料と薬品。
本と酒。
とりあえず一冊の小説を読み終えてパタンと本を閉じた。
僕の常備薬はここ10年変わっていない。
soundscape
by itr-y
| 2010-04-05 20:03
| 日常