2010年 04月 21日
未知との遭遇 |
帰ってきてからスナック菓子をバクバクと食ってしまい、今、夕飯を前にしてちょっとブルーだ。
食わなきゃ良かった。
現代人は食べすぎだとは僕は常々思っているので、最近なるべく間食を摂らないように気をつけている。しかし、家にあったものについつい手が伸びてなんとなく食べてしまった。この敗北感っていったいどこから来るのだろう。いつも不思議に思う。
この「なんとなく」というのは一番のくせ者だ。
いつも何となくで生きている自分にとっては特に。
自分で食事を作っているから別にいいのだけれど、自分の体のケアをするのは自分自身しかいないので、こういうことがあっただけでもなんだかぐったりしてしまう。でも大好きなんだよね、キャラメルコーン。
ところで、ここ2週間ほどはちょっと忙しかった。
あたらしいことがはじまってドタバタしていた。地味に不自由な暮らしが続いている。それなりに気楽に生きているのだけれど。
早く帰ったのでおやつを食べただけで終わるわけにもいかず、そのまま掃除機をかけたり洗濯をしたり、買い物に行ったりしていた。仮住まいの家はなにかとカビ臭い部屋で、僕は毎日この臭いに辟易していたのだけれど、今日、とうとうその原因に着手した。
洗濯機の排水口である。
雨の日になると猛烈な勢いでカビの臭いが立ち上ってくるのだ。もう我慢出来ないとホースを引っこ抜いてみたら、思いのほか奥の方までホースが突っ込まれており、全部引き出したらとんでもないことになっていた。
ホースがカビで真っ黒なのである。
ぬらぬらとまるでそれ自体が生きているかのように光るそれは、何かの意志を持ってうごめく生き物のようだった。
「........」
絶句してしまった。
しばらく驚きを通り越して唖然としていたけれど、不意に正気に戻ってそいつをゴミ袋に突っ込んだ。やばい。これはやばい。その後、スプレーハイターを吹きまくってシーチキンの空き缶でフタをした。そしたらぱたりと臭いが止んだ。
やっぱな。
あれだけのカビが下水からもうもうと立ちのぼってきていたのだ。おそらく何年も。カビの胞子があっちこっちに飛散して、食品だの衣類だのを侵食していたはずだ。考えるとぞっとする。明日にでも新しいホースと、排水口のキャップ、コーキング剤と大量の塩素系消毒剤、そして洗濯槽洗剤を買ってこようと思う。
以前に住んでいた部屋もカビ臭かったけれど、ここほどではなかった。
さすがは東京。
一人暮らしを始めてから、住宅にはちょっとうるさくなって、特にRCコンクリ造りの床と壁の薄い、寒くて暑い部屋は我慢がならない。安いところだとどうしてもコイツになってしまうことが多くて部屋探しも大変だ。以前に住んでいた部屋は大家さんの一戸建ての一階部分の一室という、わりあいしっかりした造りだったので、それほど住みづらいとは思わなかった。大家が自分で住む家なのだからまあ手抜きはしないだろうと踏んでいたのだ。しかし、それでもやはりあちこち造りは安普請でちゃちかった。でも暑さ寒さをあまり感じないというのはいい。夏でも過ごしやすかった。
家は大事だと宿無しの身になってはじめて実感した。
ベルリンの家はレンガと漆喰だった。プレーンな感じがとてもよかったけれど、日本人としてはちょっと寒かった。ハイツング(オイルヒーター)のおかげである程度はあったかいのだけれど、なぜか僕のアパートは暖房が効きづらかった。夏はどんな感じなんだろう
今、再びベルリンを訪れるための準備をしている。また来るよだなんて簡単に言ってしまったけれど、やはり時間がかかりそうである。
ベルリンの街はカビとは無縁そうだな。勝手にそんな風に考えているのだが。
soundscape
by itr-y
| 2010-04-21 23:27
| 日常