2010年 05月 04日
Consolations |
久しぶりに少し都内を歩いた。
夜の街を歩くのが気持ちいい季節になった。少しひんやりし始めた空気が気持ちよかった。渋谷のタワレコのあたりから、代々木まで。さすがに巣鴨まで歩く気にはなれなかったけれど。
昔なつかしい道がけっこうあって、そう言えばこんな所あったっけなと思い出しながら歩いていたのだけれど、歩いているうちにそう言えばこの道以前にも通ったことがあるなと思い出し始めた。好き勝手、思いつきで歩いているように見せかけて、実は同じ道を選んでいたわけだ。
なんてこった。
人間あまり進歩しないものだなと、たかが散歩なのにそんなことを考えた。
考え方の筋道が似通ってくることがある。
似通って、というよりは気づかないうちに何度も何度も同じことを考えて、同じ結論を出していたりする。さっさと最初の結論が出た時に行動すればいいのに、そんなことをやっていてタイミングを逃した経験が何度もある。
時々、同じ所をぐるぐるまわることに疲れてしまうこともある。そう言う時は、自分がそうだと感じたことの反対方向に向かって進む。そうすると案外みちが開けることが多い気がする。何度やっても何も上手く行かなければ、いつもと反対のことをやってみればいいだけなのだ。
実に簡単なような気がするがこれがけっこう難しい。
轍の上を、それが向かう方向とは違うルートで走るようなもので、ハンドルを握る手にはいつもの何倍もの力がかかる。生き方の矯正はなかなか一筋縄には行かない。
歩くことはいいことだ。
ふだん考えているものの断片が集まってきて、寒天質のぷるんとした固まりのようなものになっていった。それが何の役に立つのかはわからないが、頭は定期的にそうした思考整理を求める。上をもって、ペンをもって。時折こうして歩いて考えがまとまってくる。そうした時間が必要だ。
踏切はしまることを忘れたかのように、ぼーっと口を開けたままだった。
わざと左右を確認せずに渡った。
夜はまだはじまったばかり。
soundscape
by itr-y
| 2010-05-04 10:39
| 日常