2010年 05月 07日
Out of nowhere |
いつの間にやらケヤキの木が緑になって、わさわさと風に揺れるようになった。
ケヤキの「いつのまにか感」にはいつも驚かされる。
冬の間ずっと寒々しい姿でいたというのに、いつの間にか緑になっているのである。4月や5月を有意義に過ごすことの出来る人間というのは少ないと思う。本当に「いつのまにか」だ。
帰る前に窓からケヤキの緑が風に大きく揺れているのが見えて、やはり雨が降るなと思った。いつも自転車を使っていると、帰り道が気が気でない。幸運なことに昨日は帰る時にはもうすでにぱらぱらと降るぐらいになっていた。
4月からちょっとだけうれしいことがあった。近所にある図書館が朝の9時から夜の9時まで開館時間を延長したのだ。
こういった所はやっぱり東京ならではだなと思う。仕事終わりや学校帰りに寄るのにとても便利だ。おそらくそういうリクエストがあったのだろう。ニーズに応えるスピードが速いのも都会ならではだと思う。銀行も見習ってほしい。彼らの営業時間の時間の短さには辟易する。
ドイツに行っている間、とても不便だなと思ったのは24時間営業のコンビニがないことだった。あるのはトルコ人の経営する雑貨屋ぐらいのもので、それもやたら値段が高かったりする。そしてあんまり夜遅いと閉まる。しかし、そのおかげでドイツでは劣悪な労働環境の外食産業だとかがない。サービスを享受する側としては不便なこともあるが、サービスを受ける側も提供する側も同じ人間だったりするので、このへんは不便をとるかそれともサービスか、どっちをとるかということになる。
図書館のスタッフには、それまでの司書の人から民間企業の派遣スタッフが入るようになった。ちょっとさみしいような気もしたけれど、とても丁寧な応対で非常にリラックス出来た。これが以前だと返却期限が過ぎていたりして返すのが遅くなると、返す時に司書のオバさんにちくりと嫌みを言われたりしていちいちカチンと来ていた。でも新しいスタッフさんはまるでお店の店員のような応対をしてくれるのである。非常に感じがいい。たぶんそういう風に研修を受けているのだろう。
こういうことで『感じがいい』とか言ってしまうあたりが、自分が日本人である証拠なのかもしれない。帰国していつのまにか2ヶ月も経ち、僕もまた帰りの飛行機の中で乗り合わせた、神経質な日本人に戻っているのかもしれないなと思った。
しかし図書館の開館時間の拡大は文句なしに歓迎するべき出来事だった。
調子にのって3冊も借りてしまい、全部読めるかどうかちょっと微妙である。
soundscape
by itr-y
| 2010-05-07 12:03
| 日常