2010年 05月 10日
ろくなもんじゃねえ |
土日をわりと無駄にしたと思う。
有意義に過ごせた時ってあんまりないけれど、いささか無駄にしすぎたなと思う。こういう時、気分に振り回される人間って損だと思う。でもまあいいこともあったので良しとしよう。
いいことのひとつは久しぶりに地元で友人ふたりに会えたこと。そしてもうひとつはその一人が結婚することになったことだ。挙式は7月。仲間内では第一号だ。彼はフラフラせずにきちんと勤め人として働き、地道にこつこつと着実に人生の駒を進めていたので、僕は特に驚きもしなかった。「ようやく」と言った方がいいだろう。
しかし、その前に僕は少し残念なこともあった。
それは以前に住んでいた所の近所にある小さいレストランが閉店してしまうというニュースだった。
店のマスターとは知り合いで、よく店で夜遅くまで酒を飲んだり、ギターを弾いたりしていた。ベルリンに行くにあたってギターを預けていたのだけれど、前日、急に引き取ってくれと連絡があったのである。預けっぱなしにしていたのも悪かったのだけれど、話が急だったのでちょっと不思議に思っていた。聞いてみると店を貸店舗として賃貸に出すのだそうである。ここにも不況の影響が見える。そんなことになるくらいなら新車なんて買わなきゃいいのに。同時にその矛盾さ加減にもちと呆れた。
その帰りに試しに声をかけてみたら二人がつかまったというわけだ。連絡はしてみるものである。そしてこういうのも土日休みのいい所なのかもしれない。
しかしその日はわりと上機嫌で帰ったのだけれど、翌日、急に憂鬱になった。昼間まで寝てしまったからというのもあるのかもしれない。夜までずっと憂鬱だったので、しょうがなく本を読んでいた。
夜になってようやく正しい対処法にたどり着いたと思う。なんとなく気持ちが静まってきて、イライラしていた気分が落ち着き始めた。しかし、読んで行くうちになんとなくどこかで聞いたような話だなと思い始めた。このストーリーは知っている。その後どうなるんだったっけ。
昔読んだことを忘れていた本が、急に躍動感溢れた物語として再び目の前に現れた。そう、そういやそう言う話だったよな。
息もつまりそうだった部屋が、急にとても居心地が良くなった。
そうだ。こんな風に本ばかり読んでいたな。5年ぐらい前の話だろうか。本好きの子供達に何か教えてあげられることがあるなら「本ばかり読んでいるとロクな大人にならない」ということだろうか。
僕はめでたくロクな大人ではない。
やったね。
soundscape
by itr-y
| 2010-05-10 21:18
| 日常