2010年 08月 29日
静かな日々 |
静かな日々が続いている。
朝遅く起きて顔を洗い、寝癖のついた頭を整えて朝食にシリアルを食べる。
バイトではあるけれど、ささやかな仕事もはじまって少しだけ自分以外のことを考える時間もできた。自分以外のことをする時間というのが大事なんだということをひさしぶりに感じた。その仕事をやっている間はあまり何も考えずにすむ。おかげでつまらないことを延々と考えることも止めたし、ある程度ほかの人間とも関わった。
でもこの街ではアルバイトはそんなに長い時間できない。週に3回、時間も6時間程度である。たいした収入にはならない。だから僕はいま他の仕事を探そうとしている。バイトの雇い主には悪いけれどこれではボランティア同然である。そして見つかる仕事もたいていほとんどがボランティアのようなものである。それでも多少そういうことをしなくてはならないと思うのは、仕事を辞めてからいつの間にか1年近くが経とうとしていることだ。
自分の中で、社会人としてやっていく能力みたいなものがじりじりとなくなっていきつつあるのを感じているので、どこかしらでリハビリをしなくてはならない。バイトでは不十分なのである。
でもしかし、急いでもなんともならないのがこの街の特徴でもあるので、少し肩の力を抜いて気持ちを落ち着けることにした。新しいアパートの持ち主が置いていった日本の文庫本は少しそうした気持ちを和らげてくれた。
以前はがんばって外に出かけていろんなものを見て、いろんな人と出会わなければいけないと感じていたけれど、最近自分はあまり人と出会うのが好きではないということを再認識して少し楽になった。がんばって外に出る必要なんかないのだ。少なくとも、「今」自分はそう言う時期ではないなと感じていて、家にいて本を読んだり、ちょっとスーパーに出かけて買い物をしたり、カフェで本を読んだり、料理を作って一日一本のビールを2本飲んでみたりしながら暮らしている。
なるべく自分の生活サイクルを崩さずに、干渉されない生活を目指している。
アウトプットへ移行しているのだろう。
時計の針がコツコツとキッチンに響いている。
この街ではすべてがゆっくりと進む。
大丈夫。急ぐ必要はない。
soundscape
by itr-y
| 2010-08-29 09:08
| ベルリン