2010年 09月 06日
Sit Back |
mixiやFacebookなんかがアパートだとすると、ブログは一軒家だと思う。
ソーシャルネットワークサイトを使ったビジネスは今急速に増えていて、いろんな種類のものがあるのだということを最近知った。
就活用の履歴書を登録するサイトもあるのだそうだ。日本でいうとリクナビみたいなもんだろうか。人とつながることを主な目的としているのがソーシャルネットの一番の特徴だけれど、ブログというのはちょっと違っていて、みんながみんなの家と庭を持っていて、そこに好きな木や花なんかを植えてゆくのがブログである。
ちょっとした箱庭感覚だけれど、技術があって凝る人は自分でスキン編集とかしてしまうし、コードだって作ってしまう。がんばって勉強すれば習得できないこともないんだろうが、僕自身は多くのブロガーと同じように口を開けて新しい機能が発表されるのを待つばかりだ。
いきなり話それた。
とにかく、自分で自分の好きな世界を展開してゆくのがブログで、そこではわりと自主性と創造性が必要とされる。ある程度、自分で自分の世界を持っている人でないとちょっと難しい。罫線だけひかれたキャンパスノートみたいなものである。
僕はそこに自分で撮った写真と適当な文章と、あと最近聞いたCDとかを紹介することで自分のカラーを出している。しかし世の中にはいろんな人がいるもので、あっちこっちに足を運んでいろんな場所のいろんな風景やイベントをレポートする人がいたり、すごく写真のレベルが高くて写真だけに語らせるタイプの人だったり、あるいは自分の絵や文章を載せたりする人もいる。
紙媒体で発表できるタイプの作品にはとても親和性が高いメディアだと思う。
音楽になるとこれがちょっと一段敷居が高くなる。
リンクを張ってアップローダーに誘導することはできても、速度が遅かったり音質が悪かったりしてなかなか思ったようにはいかない。そして、なによりも聴いている間わりと「ひま」という悲しい現実が待っていたりする。だから多くのミュージシャンはYouTubeを効果的に使ったりしているのだけれど、それには映像が必要なわけでこれもまたちょっとめんどくさいのだ。
僕の写真はコンデジでパチパチやってそのままPCに落とすという、素人まるだしの製法なのでそれほど大変ではない。たまに文章書くのがめんどくさい時もあるけれど、書くのがめんどくさい時はそもそも更新しない。いつの間にかそれがルールになってしまった。
書くことがなくても、あれこれとその日あったこととかを書いてゆくと、いつのまにか何行か文章が出来上がっていったりするので、それを土台にどうでもいいことを書いてたりするのだけれど、このどうでもいいこと(それもなるべくどうでもいいこと)を書くという行為は、ある種のセラピー的な意味合いも持っていて、こうやって夜中にPCに向かっていると、愛すべき無気力な自分がのそのそとねじれた貝殻から出てくる。
やっぱり大事なのだ。
ブログをやっていると、はじめはお客さん(アクセス)を増やすのに躍起になるが、今となってはそんなのどうでも良くなって自分の公開備忘録みたいな様相を呈してきている。もう少し内容のある建設的な色合いももうちょっと見せたいと思うこともあるけど、自分てあんまそんなの向いてないなと時々思うのである。
年取ったな。
こっちにいるとFacebookを使っている人が多いので、必然それを使ったコミュニケーションが行われてくるのだけれど、時々Facebookはあれをしろこれをしろと指図してくるのでそれがあまり気に食わない。
「〜さんも〜さんもお友達検索機能で友人を見つけました。さあ、あなたも!!」
だとか
「〜さんが○○について『イイネ!!』と言っています!!」
とか
「今週お誕生日を向かえるお友達がいます。メッセージを送ってあげましょう!!」
だとか。
「ウルセェ!!!」と思わず叫びたくなる。
ああいうの他人にやたらちょっかいを出すやり方はやっぱりアメリカ人の発明だなと思ってしまう。日本人的にはやはりmixiぐらいがちょうどいい。最近、リクエストを受けたのか他のソーシャルネットワークを真似した機能が出てきたけれど、mixiの趣味人や仕事人なんかが集まるコミュニティを作る機能は時々とても便利だ。今回はけっこうmixiに助けられた。けっこうすごいんだぜ、mixi。
そうした他人の干渉を受けることを前提としたSNSとは違って、ブログはあくまでも人の家的な要素が強く、生け垣の向こうから見る分にはよくても、コメントをする時には呼び鈴を押して靴を脱いで上がらなくてはいけない。そして僕の家にはあんまり訪問者は来ない。だから僕は自分のブログがネット上で一番居心地が良い。
寝心地と言ったほうが正確だろうか。時計の針がチクタクと鳴る部屋で、一人備忘録を書き綴るのは悪くない。つくづく気楽でいいなあと思うのである。
なんでこんなことを書いているかというと、ちょっとブログの仕様をあちこち変えようかなとか思っていたのである。もう少しクリエイティビティの高い人っぽく。なんかちょっといかにもアーティストってみたいな感じにしたいなあ、とか思っちゃっていたのである。Facebookキライみたいなことを書いておきながら。
でも今日は眠いから待た明日にしよ。
案外これが続ける秘訣だったりする。
soundscape
by itr-y
| 2010-09-06 08:34
| ベルリン