2010年 10月 10日
そして僕は途方に暮れる |
結局部屋探しは今回も失敗に終わり、明日で今の部屋も期限切れとなった。
今、PCに向かいながらまたまたまたまた「とりあえず」の部屋を今頃になって探している。まるで夏休みの宿題を31日に全部片付けようとしている気分だ。
部屋探しがもう本当にだるくてだるくて、何もしてなかったのがいけなかったわけだが、何もしたくなくなったんだからしかたない。アポを取るにしても夜中じゃどうにもならないので,ほったらかしていたブログを更新することにした。しかしどんどん文章も無味乾燥になってきて、なんのトピックも無い。
見事に八方ふさがりである。オレはいったいどうすればいいんだろう。
そんな八方ふさがりでも、あわてても仕方ないやと思っている自分が正しいのか間違っているのかよくわからない。落ち着くのはいいことだと思うのだが、いかんせん「のんびりしている」とか「マイペース」とかひどい場合には「トロい」とまで酷評される僕の性格はそうそう簡単には変えられない。それにしても「マイペース」ってひどい言葉だとつくづく思う。僕はこれを放送禁止用語に指定した方がいいと思うのだ。だって要は「遅えよ」ってことなわけだろう。僕だって他人に「遅えよ!!」と怒鳴りたい時はままあるのだけど、なぜか人は僕が怒ると怒るのである。
「理不尽だなあ」とのんびりそう思う。
多少は怒らせてくれ。
最後の不動産屋は、やはり多くの他の不動産屋と同じように返答がなく、しつこく電話攻勢をかけてノーでも何でもいいからとにかく返事をよこせ!と言っていたら向こうも根負けしたらしく「残念ながら...」という内容の断りのメールを送ってきた。
結果はわかっていたけれど、これはけっこうな進歩である。だって「レスポンスがあった」のである。自分に都合が悪い時には完全に無視を決め込むドイツ人に対してこれはある種の小さな勝利と言ってもいい。返事くらいその日のうちによこせ。商売人のくせに。
手紙の内容は、大家が別の部屋の希望者を選んだという内容だった。そしてワーホリなどの短期の滞在では部屋の契約をすることは困難であり、家具付きのアパートを借りた方が良いというアドバイスが書かれていた。アドバイスまでくれるのだからありがたいことである。ドイツ人にサービスと思いやりを求めるのは無駄なのだけど、そんな中でもわりと親身になってくれた方だろう。
でも返事はすぐ返そうよ。仕事でやってんだからさ。
ドイツ人の仕事に対する意識は、日本のそれとは雲泥の差である。彼らにプロ意識はあるが責任感は皆無である。今はドイツ人のことを嫌いになってもいい時期だと思うのだ。
彼らはとても不思議な民族だと思う。規則や規律にうるさいわりにあっちこっちルーズでだらしなく、決まりがない所では好き放題だし、他人に対して口うるさいかと思いきや、その一方で非常におおらかでもある。度量が大きいとでも言えばいいのだろうか。懐の広さはドイツ人の美徳だろう。ただそれが一般的な規則や慣習から一歩でも出てしまうと即座にそれは拒否権発動となる。融通の利かなさではたぶん世界一だと思う。その反面、他人には融通を利かせようとするので質が悪い。
僕はもうけっこう疲れている。
正常な証拠であると思いたい。
疲れたときはYouTube。と叫びつつずっといつかアップされるだろうと思って待っていた、センコロールを見た。
センコロールは宇木敦哉というアニメーターの個人制作アニメで、製作協力は東京動画革命。配給はアニプレックスの2009年公開の映画だ。
この作品は新海誠監督の作品と同じように、あくまでも個人製作のアニメで非常に短いストーリーのSFアニメだ。筋自体はとてもシンプルなのでまだ見てない方がいたら、ただもう観てもらったほうがいいと思う。なかなか良くできている。個人的にはニコ動から火がついたSupercellの音楽が好きだった。SuperCellは化物語でもエンディングをやっているけれど、このデジタルJpop的な曲は、僕はけっこう好きである。
絵がうまいなあと思っていたら、この方実はもともと漫画家であってなんどか講談社などでも賞を受賞しているらしい。Webデザインなどの仕事もやっていたそうでけっこう筋金入りなプロの臭いがする。この作品も今ではほとんどないセル画で作られているそうで、それが動画の躍動感を作り上げている。見ていて違和感が無いというのはいいもんだ。
この作品を見る前に、スターウォーズの新しい方のトリロジーを見直してみて、あまりのCGの多さにうんざりしていたので、この手作り感はなんだかとても安心した。人間が観るものはやはり手で作った方がいいんだなあと再認識した。
センコロールは2が作られるという噂もあるらしいので、今から非常に楽しみである。
こうしてつかの間の現実逃避は終わり、また部屋探しがはじまるのである。
soundscape
by itr-y
| 2010-10-10 07:57
| ベルリン