2010年 10月 17日
出かけるにはもってこいの日 |
女子サッカーを観に行こうよ、というドイツ人の友人の勧めで日曜日はポツダムに行ってきた。
そう。ポツダム宣言のポツダムである。
あれっていつのことだっけ。行きの電車の中でずっとポツダム宣言の年を思い出していた。
ポツダムとベルリンがけっこう近いということは知っていたけれど、実際に行ってみると本当に小一時間かからないくらいで着いてしまった。近いのである。ベルリンを出るのってそう言えば久しぶりだ。以前にちょびっとヨーロッパ旅行をして以来である。
女子サッカーなんて観に行きたくなかったのは言うまでもないが、たまにはこういう人付き合いもした方がいいだろうと思って行ってみたのだった。行ってみると誘ってくれた物好きなドイツ人の彼のみで、他に人はいなかった。やっぱりなあ。
でもまあ彼もだいたい予想はしていたので、気にせずそのままいくことにした。たまに乗るSバーンはなかなかいいものである。東海道線みたく向かい合わせの席に座った。少し行くとすぐに緑の多い街に出られるのがベルリンのいい所である。GruneWald(グリューネヴァルト)の駅を通り過ぎたあたりで車内アナウンスがあって、運転手が電車が少し遅れますと告げた。
行きの電車なのに間に合うかなと思ったけれど、ほどなく電車は動き出し次の駅で臨時の車両に乗り換えた。運転手が冗談っぽく「いやあ今日はいい天気、お出かけにはもってこいの日曜日ですね。今日もDB(ドイツ鉄道)は通常運行」などと言って、乗客が失笑していた。これもまあ日本ではまずあり得ないことだ。
感心して「ドイツ人のいい所は電車が遅れてもお客さんが誰一人怒らないとこだよね」と向かいにいる友人に言うと、「いや、単にいつものことなだけさ」と答えた。
そう、遅れるのである。日常茶飯事である。
ポツダムはとてもきれいな街並で、地元のスタジアムは小さくてなかなか雰囲気の良い所だった。地元のファンが大勢来ていて、選手達がウォームアップをしている。トゥルビネ(トビーナ)ポツダムというのが今回応援したチームだったのだけれど、つれてきてくれた彼はここに日本人の選手がいると教えてくれた。永里優季というのがその日本人選手である。若干23才の若い選手である。試合中はそれほど興味もなく、ふーんというぐらいに見ていたのだけれど、この選手オリンピックの日本女子代表にも
選ばれた名選手らしい。
女子サッカーだけあって当然みんな女の人なんだけど、ごつい人もいればムチャクチャかわいい子とかもいてなんか不思議な感じがした。レフェリーも女性である。そうか、全員女の子なのか。うーん。
いかんいかんとは思いつつもついつい胸とお尻に時々目がいってしまう。腰のラインが女の人なのだけどみんなすごくすごくいい動きをする。プロリーグだから当たり前なのだが、男顔負けの体当たりに言葉を失ってしまった。時々激しいプレイでけが人も出る。これもなんか女の人なので必要以上に心配してしまう。スポーツ選手なんだから当人たちは慣れているんだろうが、こっちは女子サッカー以前にサッカー観戦が初めてなので気が気でない。それでも毎回ゴールが入るたびに大騒ぎをするのはなかなか楽しかった。
サッカー観戦後、ポツダムの街を少し散歩することにした。
サンスーシ宮殿というのを聞いたことがある人もいるかもしれないが、それはこのポツダムの街にある。サンスーシというのはフランス語で「生きる悩みや苦しみのないこと」だと彼は教えてくれた。宮殿に続く段々の側面にはツタが生えていて、それが実は全部ぶどうの蔓なのだそうだ。これだけの宮殿を維持するのも大変だろうに。僕の思いは宮殿を見た感動よりも、文化遺産を維持する費用の方に向いていた。税金からまかなわれるわけだよな...?
ぶつぶつ言いつつ庭園の中を散策した。
もう夕方になりつつあったので、僕らは街に戻りおしゃれなカフェで一服してそれからベルリンの街に帰った。いかにベルリンがゴミゴミしているかがわかったわけだけど、でも友人はそれでもベルリンの方が好きだよと言い切った。
確かに。僕自身ここに戻ってきた時に少しホッとしてしまうようになった。
なにも片付いてなくてもいいからたまには遊びに行った方がいいなあ、と思った日曜日。
ところで今気づいたけどこれレンズ汚れてね?
soundscape
by itr-y
| 2010-10-17 06:53
| ベルリン