2010年 10月 24日
おだやかな暮らし |
季節は秋。
部屋探しはまだまだまだまだまだ続く。
今日見に行った部屋には見学の人が50人くらい押し掛けてきていて、気が遠くなった。全員が全員応募するわけではないとしても、この中から一人というわけである。選んでもらえるもんなんだろうか。
8月の4日にこっちに着いたので、もうすぐ3ヶ月が経とうとしている。その間、僕はなにも出来ていない。いったいどうすりゃいいんだ。
応募用紙はちんぷんかんぷんだし、電話をかけてもドイツ語がしゃべれないと分かるや否や切られる。たまに英語のしゃべれる人間にあっても、たいていがひどい英語で意味がよくわからない。あまりにも悔しいので辞書を引き引き書類の翻訳をしてみたり、ネットの物件情報を片っ端から翻訳していたらだんだんドイツ語の不動産用語に詳しくなってきた。「いつか絶対殺してやる」とか血走った目をしながら日々物件サイトを見て回っている。負のサイクルである。僕の基本は常にこれで出来ている。
どうやって相手をだまくらかすかが問題だ。ドイツ人は紙切れとサインさえあればOKという人たちなので、書類さえあればなんとかなるんじゃないかと思っている。あとは確率の問題だ。そんな訳で最近机に向かうことが多くなった。
しばらく天候の不安定な日がベルリンでは続いていて、今日は珍しく風が吹き荒れていた。ベルリンで強風が吹くということはあんまりないのだけれど、今日は窓の外を枯れ葉が舞うぐらいびゅうびゅうと吹いていた。こんな日でも毎週のフリーマーケットはやっていて、こういう日こそ掘り出し物を見つけるチャンスなのだが、家なき子はよけいなもの買う訳にもいかずぼんやりと何も考えずに散策するだけで終わった
なにもそんなぜいたくな暮らしがしたい訳じゃないんだけどなあ。このところはすっかり季節外れとなった薄手のゴアテックスのレインコートの下に重ね着をして出歩いている。毎日ほぼ同じものを着ている。早く冬物を買いたい。でも買えない。このジレンマ。
欲しいものはおだやかな暮らし。
あたりまえの太い根を生やし。
soundscape
by itr-y
| 2010-10-24 00:55
| ベルリン