2011年 01月 07日
夢の扉が閉まる音 |
年末年始と風邪をひいてしまい、大晦日の日もどこにも行かず家で布団にくるまりじっと熱が下がるのを待っていた。
時間の感覚がなくなった頃、遠くで散発的になっていた花火の音が急に大きくなり、まるで大きな津波のように聴こえて来た。年が明けた。ぼんやりと一年前。ブランデンブルグ門前まで年明けの大騒ぎを見に行ったことがひどく昔のことのように思えた。
バイトの何日間かは薬でごまかしていたので今日はしっかりと治そうと薬を断ち、ガッツリと熱を出しながら時々起きてはフラフラとトイレに立ち、オレンジジュースをがぶがぶと飲んではまた眠りについた。そんなことを繰り返してたらだんだんと熱も下がり、いい具合に治って来た。二日間寝ればたいていの風邪は治るのである。
治ってから気分を一新するために汗を吸った下着を着替え、部屋を掃除し買い物に行き、食料を買い込んだ。病み上がりの体を元に戻すべく野菜と肉を摂り、がっつり米を食べた。いい感じに回復しているみたいだ。もぐもぐと飯を食い、クリスマスの時に飲まなかったビールを全部飲んでしまってから、僕はこれからのことをちょっと考えていた。
今年の計画、なにも考えていないのである。なにも具体的な予定がないのだ。ずっとそのことに危機感を抱いていた。やりたいことはあるし、決まっているが、それを実行するとなるとあちらが立たずこちらも立たずになってしまう。総じて「デキる人」というのはなにが必要で何が不要でという見分けと、何が可能で何が不可能かの見切りが上手い人だと思う。そして何を優先すべきかがとても明確になっている。僕はいまだに自分が何を優先すべきなのかがわかってないと思う。頭ではわかっていても体が動かないとでも言うべきなんだろうか。途中まで行っては引き返して、ということを延々と繰り返す。取りあえずそれを止めないといけない。
やっつけで作った豚肉のソテーをきれいに平らげ、サラダとモツァレラとトマトもコンソメライスも食ってしまってから、僕は食器を流しに運びザアと水をかけて洗っていった。
もう一人暮らしもそうそう長くはない。
後しばらくすればまたWGに戻るし、今のような自由さや便利さ気兼ねのなさとはおさらばになる。人と住むのは悪くはないが、デメリットもそれなりに多いのである。今やるべきことはわかっている。でも体も気持ちも動かない。じたばたしても仕方あるまい。でも今は多少ジタバタしたい気分でもある。
そうだジタバタしよう。
もうすぐ30になっちゃうし、ジタバタはわりと時宜を得たキーワードかもしれない。
じたばた。
soundscape
by itr-y
| 2011-01-07 00:15
| ベルリン