2011年 01月 29日
TeenTown |
ベルリンは本日快晴だった。
晴れることが滅多にない冬はどうしても気分が憂鬱になりがちだが、僕の場合は元来が憂鬱な人なので曇り空でもあんまりテンションは変わらなかったりする。
でもこれだけ晴れるとさすがに気持ちいいもので、なおかつそれが土曜日だったりすると人々の顔も晴れやかになり、こっちまでなんだか嬉しくなってくる。陽のあたるカフェにはイスが並べられて、日を浴びるためにみんな外に出ている。まだ寒いのにみんな日光に飢えているのだ。
ここの所、明け方に寝るクセがついてしまい、毎日6時とか7時くらいにようやく眠りについていたのだが、それを治すべく昨日からちょっと時間調整を始めている。なので眠くてしょうがない。しかしながら今日に限ってはお日様の力を借りて、ぼんやりとした頭も半ば強制的に眼を覚まさせられた。日光のチカラはすごいのである。以前に夜勤続きだったことがあって昼間に寝ていたことも会ったけれど、あの時も日光をシャットアウトするのが大変だった。窓に厚い毛布をかけてようやく暗くなるのである。アルミ箔を張ると完全に遮断できるらしいが、まだやったことはない。
ポーの小説に出てくるオーギュスト・デュパン探偵をちょっと思い出した。あそこまでいくとちょっとやりすぎかとも思うが。
写真の風景は個人的に一番好きな場所のひとつでもあるSchbedterStag(シュベッターシュテク)からの空の眺めである。ここからだと北側から南側に向かってベルリンの街が一望できるのだけど、霞がかって見えるのはたぶんここしばらく続いていたぐずぐず天気で地面が吸った湿気が蒸発しているからではないだろうか。空気はあいかわらずひんやりしているけれど、この日光のエネルギーを受けて地面の水分もおそらくは次々と蒸発しているはずである。そしてそれは個人的に一番好きなライディングコンディションだったりする。
今はいつものいくカフェでこれを書いているが、そのカフェのはす向かいぐらいに新しいカフェが出来ているのに気づいた。厳密に言うと本屋さんなのだけど店内で古本が読めるいわゆる本屋さんカフェだった。日本でも都内にはけっこう増えて来ていたと思うが、こっちで古本カフェを見るのは始めてのような気がする。ひょっとしたらベルリン市内にもけっこうあるのかもしれないが、僕が見たのはこれが始めてだった。
ちょっと嗜好を変えて今日はこっちに行ってみるのも良いかなと思いつつ、僕の通常の人よりも強靭なホメオスタシス(恒常性)はくるりと回れ右をしてすたすたといつものカフェに向かって行くのであった。しかしドイツ語の本というのにも興味がある。最近ようやく精神的な壁が取れて来たのか、ドイツ語の文章にもあまり違和感を覚えなくなった。わりと言葉も覚えて来たし、断片的な理解から全体的な理解が出来るようになった。詳細な内容の理解まではもちろんまだ無理なのだが、おおよその筋くらいはわかる。でもさいきんほとんどドイツ語の勉強なんかしていないのである。答えは簡単でさして必要に迫られていないからだ。
こういう時にこそ勉強しておくのが良いに決まっているけれど、なかなかそうはいかない物である。出発前に受けた英語の試験の時は本当に寸暇を惜しんで勉強していたと言うのに。もったいない物である。すこしまた始めなきゃなと思う。
読んでいない本も実はまだたくさんあって読み切れていない。でも本がそこにある安心感と言うのは
とてもいい。椎名誠氏も言っていたけれど、カバンに文庫本が一冊入っているだけでも安心できるものなのだ。これも少しずつ読んで行こうと思う。
冬はたぶんあっという間に終わってしまうだろうから、今のうちにやれることを、と近頃それをずっと考えている。このままだとあっという間に帰国の日が近づいてきそうだ。いつも計画だけで終わっていた自分にはおサラバしたいな。少し遅いが今年の抱負としようか。
soundscape
by itr-y
| 2011-01-29 23:52
| ベルリン