2011年 02月 11日
舞踏少女 |
引っ越しから一週間以上が経って少しずつ部屋の中も片付きつつある。後は不要なベッドを処分して、新しいベッドを購入しようと思っている。待てよ、順序が逆か。新しいベッドを購入してから古いベッドを処分しようと思う。それが正しい順序だ。
ベルリンの郊外にもきちんとIKEAはあって、新しいベッドを物色するためにリヒテンベルグのIKEAまで足を伸ばした。GoogleMapでみてわりあい近いなと思っていたのだけどしっかり遠かった。どこの都市もIKEAは遠いのである。その日は風が強く吹いていて、行きは追い風だからよかったものの帰り道はぜえぜえいいながら自転車を漕ぐはめになった。やっぱりトラムで来ればよかった。
とりあえず今回はベッドは見るだけにしておいて、必要だった脱衣かごと目覚まし時計を買った。あいかわらずこれでこの値段かよというようなものだけれどIKEAにいるとつい小物を買ってしまうのがよくない。確かに使えないことはないのだが、なんとも安っぽい。デザインだけでなんとか出来るもんじゃないよなとIKEAに行くとつくづく感じる。でもまあしかしIKEAは便利だ。
掃除計画は当初の「トイレから〜」というのとは逆に進行していて、あの臭くて小汚いトイレは最後になりそうな感じである。まだまだやらなきゃいけないことがたくさんある
ところで最近はネットも使える家に越して来たということもありYoutubeが面白い。
今更だけどやっぱり面白いのだ。一応Facebookとともにこっちにもアカウントは取っているので、面白いやつがあるとポンポンとチャンネル登録をしてゆく。海外のものは言葉の練習にもなるのでなおいい。個人的にいちばん最近笑ったのはこれだ。アメリカンジョークは基本理解できないが逆にこういうしょうもないネタは好きである。ひとりでぐふぐふと笑いながら見ていた。もうすぐ30才である。
後はもうひとつ。
椎名林檎が昔からとても好きなのだけれど、東京事変を今さら聴いている。「今さら」というのはシングルやアルバムが出るタイミングで聴いていなかったということである。一番好きな山崎まさよしでさえ前に出たアルバムをまだチェックしていないのだ。基本、「別にいつ聴いてもいいじゃん」という風に考えているからだ。実際、べつにいつ聴いてもいいじゃんとは思う。村上春樹の小説しかり。Book3はまだ読んでない。
そんな東京事変の曲のPVで一番好きだったのが閃光少女のPVだった。このPVに出てくる女の子の動きがあまりにも上手だったのでおそらくはバレエをやってる人なんじゃないのかなと思っていた。いったい誰が踊っているんだろうと思ってコメント欄に手がかりを探してみると「ユニクロックの人ですよね?」とあったのでユニクロックで調べてみるとどうもユニクロのブログパーツにそういうのがあるらしいというのがわかった。
4人の女の子が音楽に合わせて踊っている画像が延々と続く。
音楽のビートは60BPM。一秒間に1回のリズム。つまり秒針と同じリズムである。
4人の女の子(女性というよりは女の子がしっくりくる)は全員がダンサーさんだとわかる身のこなしで、幾何学的なダンスを踊る。顔は基本無表情...に見えるけど表情が豊かにも見える。たぶんダンスのおかげなんだろう。踊っているのが楽しいと感じてるのが伝わってくる。ダンスだけじゃなくて手だけの動きとか、夜中の時刻になると一休みして眠っているシーンもあるのがかわいらしい。機械仕掛けの鳩のように彼女達はここではあくまでも「時計」なのだ。そのコンセプトも非常にわかりやすい。
僕はただ単純に女の子がかわいいから見ていただけだけれども、女性にもウケはいいそうだ。もっと調べてみると発表が2007年の6月だそうで、話題になっていたのもその頃らしい。なんてこったい、僕は4年後の2月にようやくこれを知ったわけである。早く教えてくれよ、まったくもう。
僕はコイツをいまさら発見して多くの人がそうしたようにじいっと見入ってしまった。最初は女の子がかわいいなあと思っていただけだったけれど、動きに工夫が凝らしてあってみていて飽きない。手がかかってるなと思う。日経新聞の当時の特集で担当したクリエイターのインタビューによると最初,企画をつめてゆく段階ではそれほど具体的に内容は決まってなかったらしい。「時計」「音楽」「踊り」と,この三つだけだったそうだ。なぜかこの曖昧な内容のままプロジェクトはゴーサインを出されアイディアが少しずつ固まって来たのだそうだ。最初に内容を決めすぎると結果として面白くなくなるからということだったらしいが、まったくもってその通りだと思った。
なんで最初から決めすぎると面白くないかと言うと、全部予定調和になってしまうことと、制作過程での発見や試行錯誤やアイディアを作品の中に盛り込めないからだ。ある程度決めてから作り始めるというのが大事だとは僕みたいな素人でもわかるが、「ある程度」というのが「どの程度」なのかはやはり人によって異なるのでそれが一番難しい所である。ユニクロックも閃光少女のPVもひょっとしたら最初のスケッチとは異なっていたかもしれない。たぶん違うのだろう。でもだからこそ彼女達は生き生きと踊れたし、文字通り自由に動き回れる余裕があったわけだ。クリエイター達の仕事にはもちろんのこと、作品に余裕を持たせる手腕にも脱帽である。
ところでこの4名のダンサーさん、現在はver.4の布陣だそうでそれぞれ白木あゆみ、松永かなみ、池田光咲、石津悠の4名。閃光少女のPVに出ていた背の高い方は白木あゆみさん、低い方が石津悠さんらしい。この方達のオーディションの様子とかも全部Youtubeで観られるので興味のある方はぜひ見てほしい。個人的に若い女の子がオーデョションを受けている様子というのは個人的にあまり好きではないので直接リンクはしないでおく。
僕は石津さんの方が好きだ。今回のPVを見て完全にファンになってしまったのでユニクロックでちょっと検索してみて、いろんな記事を読んでいたのだけれど、とあるブログで彼女達がひどく批判されているのをうっかり見つけてしまい非常に不機嫌になった。ここで詳しくは書かないが世の中にはブログを使って妙に訳知り顔で他人を批判する人間がいる。そんなブログが検索上位に出て来てしまいついつい読んでしまった。しかし読めば読むほど理解不能な文章だった。批判するならするでもう少しオープンに「キライだから」と開き直ってくれれば読む方としても気が楽なのに、どこがどうよくないか懇切丁寧に説明したあげくそれがいまいち筋が通っておらず途中でぴょんぴょん理屈が飛躍して最後は「だからよくない、気の毒な方達だ、まったく困ったものです」と結ぶ。
いったいお前は何様なのかと声を大にして言いたい気持ちでいっぱいだった。そんなわけで昨夜はPCの前で歯をギリギリ言わせながら不愉快な気持ちでいっぱいだった。でもよく考えたら訳知り顔で他人を批判する奴って、要するに自分のことのような気がしたのでもう考えるのはよしておいた。
こんなことで熱くなってしまうなんてまるでAKB48の古参オタみたいだぜ。
もう無駄にリンクも張りません。
いたずらにGoogle検索しません。
とかなんとか言いつつこの石津さん,実はダンスだけでなくてCMにも映画にも出ているようだ。うーむ。日本に帰ったら観よう。
ところでこのユニクロックのCM。女の子のダンスばかりがやたらと取りざたされるもののFPM(Fantastic Plastic Machine)の音楽に関してはほとんどあまり触れられていない。せっかく田中氏がその巨体に似合わないJazzyでスタイリッシュなFPM節を披露してくれているというのに。こういう時、音楽はしょせん美少女にはかなわないのだなあと思ってしまう。
音楽いいですよ。FPMの方も聴いてみてくださいね。
そんなわけで今さらですがユニクロックのブログパーツ、追加しておきました。
以上。
soundscape
by itr-y
| 2011-02-11 20:11
| ベルリン