2011年 02月 15日
木枯らし |
先日、思い切ってベッドを購入した。
新しい部屋のベッドがとてつもなくちゃちな代物だったからだ。この寝床を僕は家具やデスク、照明などと一緒に買わされる羽目になったのだが、寝返りを打つたびに音を立てるので新しいものを買うことにしたのである。今度の部屋は少し長くいることになりそうなので、しっかりとした寝床が欲しかったのだ。
新しいベッドはソファベッドにすることにした。
個人的にソファベッド=ギシギシいう、というイメージがあったのだがIKEAで購入したソファベッドは、コンパクトかつシンプルで狭い部屋の中にすぽっと納まり、その上がっちりとした安定感があった。おかげさまでこのベッドが着てから2日間、非常によく眠ることが出来た。自分のベッドというのは気持ちがいいものである。
これまでいろんな部屋の寝床を借りて眠って来たわけだが、どの寝床もはっきり言っていいベッドとは言えないものが多かった。こちらでは布団がない代わりにすのこのようなものを敷いてその上に敷き布団みたいな厚手のものを敷いてシーツをかけてベッド代わりにしている家があったりする。僕がはじめてこちらに来た時はマットレスのみと言う家だった。はじめて見た時はまるで自分がホームレスにでもなったような気がしたが、ベルリンに来る際手引きをしてくれたM君の話によれば、ドイツではみんなマットレスだけを敷いて寝ているなどと言うので、しかたなくそこに寝泊まりしていた。
あとでドイツ歴の長い人にその話をしたところ、「そんなことないよ」と笑われたのだが、まあ考えてみれば当たり前で,ただ単にベッド本体を買う金がないと言うことらしい。どうしてもこちらで関わる人となるとあまり生活水準の高くない人と関わる機会が増えるので、必然そう言う所ばかりを目の当たりにすることになった、とそう言うわけらしいのだ。ベルリンには貧乏人が多いのである。
なるほどね。
ベッドがない訳ないよね。
当然だよね。
でもまあ、確かに僕も今回ベッドをいざ買う段になってけっこう躊躇する所があった。単純に値段が高いこと。マットレス、ベッド、そして下に敷くすのこ(?)。全部合わせるとけっこうな金額になるのだ。しかし、ただでさえあまり居心地のよくないアパートで暮らすにあたってマットレスで寝起きするのは気分的にそうとう落ちるものがあるので、購入に踏み切った。引っ越しとかどこかに移ることになったら誰かに売ってしまえばいい。そう考えたからだ。正解だったと思う。
ワーホリの期間もちょうど折り返し地点を過ぎ、僕はそろそろ次のステップのことを考えなくては行けない所にさしかかっている。というか11月ごろからずっとそのことバカリを考えていたのだ。結論はあいかわらずまだ出ていない。ろくすっぽ計画も立てずに来てしまったツケがここに来て回って来た。
あとやらなければいけないことは確定申告である。
日本でしばらくしていた仕事の分の収入があったのだが、それがけっこうたくさんの所得税を引かれており、けっこうな金額に上っているのである。これを取り返さないと寝覚めが悪いのでこれだけは絶対取り返そうと息巻いている。確定申告は海外からでも出来るそうなので。これをさっさと済ませることが先決である。
話は変わるが、今また少しユーロが値上がりを始めていて夏頃にギリシャの経済不安に端を発したユーロ安は、今またすこし反動しつつある。最近の中東情勢の不安感もあるのかもしれない。一時、106円近くまで落ち込んでいたのがまた113円くらいになって来ている。だからこっちで生活のために稼いだバイト代もいくら雀の涙とはいえ、日本の口座に円にして振り込んでおけば多少は多めになるわけである。これもタイミングを見逃せない。何事もタイミングが重要なのだ。
11月時点でのやることメモを見てみると、ほとんど達成できてないかと思いきや半分くらいはもうすでに達成していた。まあ生来のんびりしている自分にしては十分がんばったと言えると思う。でももっときちんとしなきゃなあ。ことあるごとにいちいち息切れしている自分が少し悲しい。自分改造習慣は続くのだ。
ベルリンの街はもう今では雪の話などしない。たぶんもう降らないだろうとみんな思っているからだ。少し気候が変わったようで今日もずっと木枯らしが吹いていた。今も外で街路樹が風を切る音がしている。ベルリンに木枯らしである。珍しいことである。
ちょっと息切れをしている、と自分で思う。
少し眠ろう。
疲れてるんだ、きっと。
soundscape
by itr-y
| 2011-02-15 09:41
| ベルリン