2011年 03月 29日
The King of Limbs |
引き続き日本は大ピンチだ。
でも僕はあたらしいRedioHeadの新譜が出たのでとりあえず幸せである。
こういう時にバンド側から軽々しく応援メッセージとか言わないあたりもなかなかよろしい。
こないだのアルバムなんかよりもずっとジャケットがまともなのもなかなかよろしい。
とは言ってもitunesでダウンロードしたのでジャケット自体はもっていないのだけど、それでもお気に入りのジャケットであるかどうかは音楽好きにとってとても重要な要素のひとつだ。
ダウンロードしてからというものずっとこればかり聴いていて、家でも、カフェに入っても、仕事の帰り道でもずっと聴いている。基本的に危ないので自転車に乗りながらipodは絶対に聴かない人間だが、真夜中の人気のない広い道がほとんどなので最近は聴きながら走っている。いけないことだとは思うんだけど、夜で人も車もほとんどいないので許してほしい。
職場から自転車に乗る時に冒頭から聴き始めて、帰る頃には終わりの方になっている。この短さもちょうどいい。昔のKID Aなんかは正直な所途中でもういいやと思ってしまうことが多かった。短いのが一番である。
それにしてもこのRedioHeadというバンドは不思議なバンドだなあとつくづく思う。特にものすごく画期的なことをやっているわけではないのに、聴いていくうちにずるずるとその魅力が増してくる。僕はこのバンドに興味を持ったのが遅くて、最初は放浪カメラマンのKに勧められたような気がする。その流れで横浜のアリーナまで観に行った記憶があるが、会場が大きすぎてあんまりよかった印象がなく、ああなんかつまんないバンドだなとその時は思った。
しかし昔の作品とかもさかのぼって聴いていくうちにどの作品も好きになった。今では熱心にいくつかの曲をアコギで弾こうと練習しているような有様だ。最近では寝る時もRedioHeadである。
シンプルな音楽なのになんでこんなに聞き込んでしまうのだろうと最新作を注意深く聴いているのだけれど、よくよく聴いてみるとメロディーラインとかリフだとか構成だとかの作曲的な要素以外にも、スネアの音だとか打ち込みのサウンド、シンセの音ひとつにも丁寧に処理が施されていて、トム・ヨークの歌声とその他すべての音が交互に前に出てくるように編み込まれていること今さら気づいた。
聴いていて耳が痛くならない周波数帯とでも言えばいいのか。トムの声自体がとても優しく、なおかつピアノやアコギ、ドラムの音が溶けきらない程度に水気を加えられたリバーブサウンドの中に融けてゆく。それがとても気持ちいい。
いい意味でライブバンドではなくレコードで聴きたいバンドだなと思う。
でも少し前にやっていたFrom the Basementでのライブはなかなかよろしかった。ある意味ではChamber Music(室内管弦楽)のような感じだった。小さいライブハウスとかで聴けたらそれはそれで最高だろうなあと思う。そういう意味では時代に合ったバンドなのだろう。いつベルリンには来てくれるのだろう。今こそもう一度生で聴いてみたい。
ところで冒頭の写真に写っている時計の左側の機械はトランジスタのステレオアンプである。先日マウアーパークのフリマで売っているのを見かけて購入したものだ。
以前から何度か見かけていて、買おうかどうか迷っていたのを買うことにした。となりの目覚ましと比べてくれるとそのラブリーさがよくわかると思う。買って帰って机に上に置いたらあまりのかわいさに鼻血ものだった。幸せというのはこういうことである。このMONACORと言うメーカーがどこのメーカーなのかわからないのだが、調べてみるとドイツのメーカーであるらしい。しかし裏を見ると背面パネルにはMADE IN JAPANと書かれていた。どっちやねん。
最初は20ユーロだった所をまけにまけてもらい13ユーロで購入。あとでネットで調べたらだいたい20前後が相場で、アメリカでのどこかのサイトでのぼったくり価格は120ドルであった。120$はないと思うが悪い気はしない。満足な買い物だったし、無駄遣いでも20ユーロ以下なら納得できる。しかしアンプだけ買ってもなあと思って、今スピーカーを探している所だ。もちろん安物をである。中古品の安アンプにそんなにいいスピーカーをつけてもしょうがないし、もったいない。どうせPCにつなぐだけだから何でもいいのだけど、アンプがラブリーなのでスピーカーだってブックシェルフ形のアンティークでチープでラブリーなやつにしたい。何でもよくないのである。
どのみち入力はひとつしかないからなにかつなぐとしたら何かひとつだけなわけで、こんなシンプルさも潔くてなかなかいい。
シンプルなのが一番。
そんな結論。
soundscape
by itr-y
| 2011-03-29 18:00
| ベルリン