2011年 04月 05日
island |
このところすっかりベルリンの街は明るくなって、歩道にもカフェやレストランのテラス席が並び、ひなたぼっこ好きのドイツ人たちはみんな外の席に座ってくつろいでいる。暖かかったのはこの間の日曜日で、もうこの日は完全な夏日だった。
暖かい日を心待ちにはしていたものの、汗ばんだシャツの感触や埃っぽい風の中を走っていく感覚も思い出し、しばらく忘れていた天候にもまた慣れないといけないなと思った。
暑い日曜日とうってかわって、週明けの月曜日はその熱に呼ばれた雨がベルリンの街を濡らした。
日曜日の夜からもうすでに降っていてバイトからの帰り道、ひさしぶりに僕はずぶぬれになり、地下室に自転車を押し込むとぼろ切れでそいつを拭ってやった。自転車は錆びるものなのである、といってもそうそうすぐにどうこうなるわけではないが、それでも気持ち的に落ち着かないのでとりあえず拭いておくのだ。ディレイラーまわりとかは特にである。翌日、乾いた所へチェーングリスを塗布する。本当はこれもいったん古いグリスをクリーナーとブラシでクリーニングしてから注油しないといけないのだが、めんどくさいので省略。DIYサイクリストなんてこんなものである。というか、そもそもあまりDIYしてない。
その日曜日に以前かった小さいアンプにあうスピーカーを探していたのだけれどちょうどいいものが見当たらず、仕方なくONKYOのでっかすぎる真ん中のへこんだHiFiスピーカーを5ユーロで買い叩いてきた。へこんでいようがいまいが、とりあえず音が出ればそれで良し。でかすぎるタワータイプの片側一本だけだけど、二つフルレンジ(とおぼしき)ユニットがついていたのでこいつをステレオに改造して使おうと思ったのである。べつにケースはいらないから、後でいい感じのレトロなスピーカーを買ってそいつの中に組み込んでもいいなと思ったのである。
安くしてくれたのはいいが重たかったので買うのにちょっと躊躇したけれど、5ユーロならシャレで済む金額だ。カフェとかいけばいつも4ユーロくらい使ってしまうわけだし。
そんなわけで、久々の休みである今日は電子部品屋でこれまた安物のケーブルを買って来て試しにアンプと接続してみたわけである。
スピーカーはまだステレオにしていないので、モノラル出力にして線を繋ぐ。最初少し音が出なかったけれど、ふいにきっちりと音が出始めてそれなりになってくれた。アンプが13ユーロでスピーカーが5ユーロ。ケーブル等で5ユーロくらいだったから全部で23ユーロくらいのAVシステムになったわけだ。悪くないと思う。
こっちのカフェなんかでは古いスピーカーやオーディオアンプを修理して使っている所が多く、小さなクラブなんかでは、そういう風にして安く音楽を楽しんでいる。それで十分なのだ。だから僕もいつも行っているカフェにならって自分で作ってみたわけだが、こういうのはなかなか楽しいもんである。カフェを開きたくなる人の気持ちがよくわかってくる。
でもスピーカーはモノラルにしているせいか、すこし高域の聴こえが悪いような気がする。これからすこし手を加えていこうと思うのだ。
そんなこんなをしているうちに季節は春を迎えていて、気がついたらビザの期限が近づいている。
出来ればもう少しいたいものの、どうすればいいのかわからず今もう少し滞在できるようにするためにいろいろ考えている。たくさん方法はあって、とりあえず「いる」ことは出来るらしいが、もちろんそこには大小のさまざまな制約がありなかなか一筋縄ではいかなそうだ。仕事をみつけてそこでビザをもらうのが一番いいわけだが、もちろんベルリンでそれは至難の技である。
どうしたもんかな。
家のこともそうだったけれど、自分一人でどうこう出来る問題でもないよなと思っているので、これはもういろんな人に訊いてみようと思っている。大丈夫まだ時間はある。何とかなるさ。
3割ぐらいの確率でじっさいなんとかしてしまう自分の実力をまだ信じたい。
soundscape
by itr-y
| 2011-04-05 05:58
| ベルリン