2011年 05月 24日
Scatter Brain |
昨日は珍しく早起きした。
そしてこのブログを書いていたのだけれど、つまらないことでPCがスタックしてしまい原稿が消えてしまった。だから今日また書き直している。
早起きしていた理由は週末からそれ以前にさかのぼる。
土曜日の晩、知人の誕生パーティがあってそれに行って来たのだが、飲み過ぎたせいで翌日はひどい二日酔いだった。実際にはその日の朝まで飲んでいたわけだから二日酔いではないのかもしれないが、いずれにしてもそのせいで日曜は何も出来ず、しかも何も口にすることが出来なかった。
おかげでと言ってはなんだが、日曜日のバイトの後、久々にぐったりしてしまいそのままベッドに倒れ込んだのである。おかげで月曜の朝。つまり僕にとっての休日は早起きすることが出来て、休日を比較的有意義に過ごすことが出来た。なにが良いように働くかはわからない。そして月曜日も終わり、朝からきちんと起きていた僕は昨日と同じように眠くなって、夜にきちんと眠りについた。今日は目が覚めてから、せっかくの早起きの習慣がなくならないように2杯コーヒーを飲み、午前中をドイツ語の学習に使うという夏休みの子供のようなことをしていた。
今、ちょうど午後の午睡からさめてコイツを書いている。きのうの失われた文章をおぼろげに思い出しながら。
パーティーはやはり苦手だ、と言う話を書いたのだ。
大勢の人間と会うのが苦手だ。自己紹介も挨拶も下らない会話もすべてが苦痛だ。まったく楽しくないわけではないのだが、ばか騒ぎは苦手である。だけどここ数ヶ月そうしたつきあいもまったくなく、引きこもり気味になっていたので思い切って足を運んでみたのだけれど、やはりダメだった。
そういうのが苦手なのは自分に自信がないからだとか、そんな余計なことを考えたりもしたけれど、ばかばかしいのでやめた。自分に自信がないのは今に始まったことではない。
しかし、昨日はひどい気分だった日曜日と比べて気分がわりと晴れやかになっていた。けっこう傷ついたことがあったのだ、そのパーティーの晩に。でも、考えてみても仕方がない。どういう思索をたどってそんな結論に至ったのかよく思い出せないのだが、たぶん自分で書いて机の横に貼った「つまらねえ事でガタガタ抜かすな」のメモ書きのおかげもあるのかもしれない。他人に言われた事で思い煩うのはやめよう。もしその事で何かが失われてしまっても、自分のやらなければいけない仕事が変わるわけでもないしなくなるわけでもない。
ここに引っ越して来てから、自分だけの安らぎの空間となっている地下室で僕は一人瞑想に耽りながら、フリマで5ユーロで買って来た古いスツールに腰かけぼんやりとろうそくの火を眺めていた。
思い悩む時間が短くなったのはいいことだ。でも同時にそれは年を取る事と同じであるのかもしれないなとも思った。
あの日、あそこで傷いてでもパーティーに足を運んだ意味はあったと思う。あそこできちんと傷ついておくべきだった。そう思う。どう考えてもそうしないと前に進めない。そうしなければいけないときというのがある。
ところで話は変わるが、朝コーヒーを飲むのはやっぱりいいことだなあと思った。
最近ずっと朝はシリアルばっかり食べていたのだけれど、眠くなってばかりいたのだ。なんで眠くなるのか、寝すぎと言っても良いぐらい寝ていたので睡眠不足という事はまずないからずっと不思議だったのだけれど、何かの記事で糖分の取りすぎでインスリンが大量に出てしまい、一時的に低血糖になってしまう場合があるという記事を読んでこれじゃないだろうかと思った。それならばと少し濃いめのインスタントコーヒーを入れてそいつを飲みながら、ネットの余計な情報を脳が吸収する前に勉強をした。
最近、この「脳が情報を吸ってしまわないうちに」というのを意識して動いている。もともと集中力を著しく欠いた人間だから、なにか途中で余計な事をやってしまうと、これから何をしようとしていたのかをいつも忘れてしまうのである。だから自分を出来の悪いPCに見立てて少しずつだましだまし必要な知識だけを流し込むようにしている。本来の目的を忘れないためにこれがけっこう大事な事なのだ。
その他も特に寝る前なんかはネットを見てしまうと夜更かししてしまうのでよろしくない。特にネットを巡回したって、何も面白い事はない。実はもうとっくにメルトダウンしてましたとかそんなニュースばかりである。言わなくてもいい。わかってる。
件のビザの件も特に進展がない。地元の外人局に行ったらまだ期限は来てないし更新には早すぎると言われたが、日本人の感覚だとそれはあり得ない。もしそこで更新できなかったら不法滞在になるではないか。というか、それ以前に3ヶ月後の自分の予定が決まっていないだなんてあり得ない。不安過ぎるだろと思う。しかしどうもこっちの人の感覚ではそうみたいだ。
また雇用者側が外国人に労働ビザを出すという事がどういう事なのかわかっているのかどうなのか、という問題もある。本来ビザを発給するには最低でも手取りで月1000ユーロ以上の収入がないとおぼつかない。日本円なら今のレートで12万くらいの給料で、日本的には楽勝でそんなハードルは越えられそうに見えるけれど、ここはベルリン特別経済区である。僕の月のバイト代なんて全部あわせたってそこに届くかどうか。たぶん外国人を雇うという事がどういう事なのかまったく理解していないと思う。絶対にバイトの延長線上で考えている。知らないのだ。外国人が日本で働くときの基準を日本人が知らないように、彼らもまたよくわかっていないのだろう。これもまだ油断が出来ない。
だもんで、最近はわりと柔軟にものを考えるようになって来て、ダメならダメで別に帰国しちゃってもいいかと考えるようにもなって来た。あまりここに居続けるメリットがなくなって来ているのも確かなのである。まだやりたいこともあるが、それなりにリスクもある。いい加減にそろそろ決めなきゃいけない。
どれもこれも事態はとくに好転しないのだが、なんだか今さら自分がタフになってきているなと感じる。先日、日本に帰国すると言うミュージシャンの人から「外国に住んでいると精神的な意味で自分が丸裸にされる」と言っていたけれど、その通りだと思った。どこに住んでいても自分の問題は自分で解決するしかなく、自分の欠点や弱点がなくなるわけではないのだ。それと同時に自分に出来る事も見えるようになった。そして日本にいるときよりも強く「これからどうすべきか」という問題を常に意識するようになった。そうせざるを得ないのだ。
注意力散漫な人間にとってこれはけっこう苦痛な事だったのだけれど、自分ともうまくつき合え始めているように思う。
さて、どうしたもんかな。
机の横の張り紙は増えて行く。ちなみにあなたからのメッセージもそこにはある。
soundscape
by itr-y
| 2011-05-24 23:10
| ベルリン