2011年 06月 11日
Parallel |
カッと蒸し暑くなってざざざと雨が降る天気も少し収まり、ここ数日ベルリンは天気もよく、程よい気温と湿度を保っている。
マウアーパークも気持ちがいい。
ひさしぶりに芝生に寝そべってまわりのベルリナーたちと同じようにポプラの木陰で少し昼寝をした。少し疲れたのだ。
日本の暮らしに比べればずいぶんと時間的に余裕のあるベルリンの生活だけれど、それでもぼんやりしているとあっという間に時間が過ぎてしまって、一日を無駄に過ごしてしまう。最近、時間を無駄にしないように気をつけているけれど、一日を有効に使おうとするとかなり忙しい。一週間のうち、何も考えずにぼんやりと過ごせる日を2日作るのはとても理にかなっていると思う。
地下室の倉庫に近くのスーパーからビールをケース買いして運び入れた。すさまじく重たかったけれど、ケースでビールがあるという安心感は大きく、大好きな
最近の事と言えば、口座の残高不足が原因でクレジットが使用不能になり、問い合わせたら再審査をするので復旧までしばらくかかるとの事だった。定期的な収入なんかベルリンでのしがないバイトの給料しかないのにここで審査なんかされたら通らないんじゃないのかと思うのだがどうなのだろう。とりあえずユーロも上がって来たし、そろそろこっちで貯めた自分のタンス貯金を入金するかと思ったのだけれど、日本の口座に振り込むやり方がわからず、近くの銀行に行って聞いてみた。するとライゼバンク(ReiseBank)というのがあるからそこからなら振り込めるとのことだった。
それはどこにあるのですかと聞くと、AlexanderPlatzかzooの方です、と言う。
アレックスの具体的にどこですかと聞くと、「Ich Weiß nicht(わかりません)」。
さすがドイツなのである。
その日は空になっていた冷蔵庫を補充するべく買い物に行ったりしていたので時間がなくなってしまった。こうしていろんな事が翌日に持ち越されるわけだ。
ところでここ半月ほど、今住んでいる所の洗濯機が壊れている。コインランドリーに行くのも億劫なので風呂場で洗濯物を洗っているが、それでもさして不便はない。しかし、ここの住まい自体が後2ヶ月ほどしかいないので新品を買うかどうかで借り主の若いドイツ人学生と話をしたのだが、2ヶ月後売りやすいように保証書付きの新品を買うのがいいねという結論にいたってから、他の住人に対して説明をしていなかったらしく、今朝方となりの部屋からいさかいの声が聞こえた。「それは高い」「いくらなら出せる」「オレは別に手洗いでもかまわない」
平行線。
やれやれとため息をつきながら起き上がり、口をゆすいで顔を洗った。となりの部屋をノックし日本人の若い同居人と少し話をし、それからドイツ人の借り主のところに行って話をする。
「きちんと話をつけてたのかと思った。何も話してなかったのか。それじゃ相手も納得いかないだろうさ」
「いや、話す時間がないでしょう。いつだって遅く帰ってくるしさ」
「いや、そう言う問題じゃない。大変だろうがなんだろうがそこはなんとか都合つけて時間を作って全員の同意を得なきゃダメだろう」
「最初はそうやってたんだよ。でもいつもケンカになって。だれかが引っ張って行かないとダメなんだよ」
こんな調子だった。
しまいには「そんないきさつをオレが知るわけないだろう!」と怒鳴りたかったが、相手は若い上にしかもドイツ人。言う事なんか聞く分けない。しかし、今回に関してはきちんと言っておいた。
「いいかい、君はHauptmieter(借り主)なんだから説明するのは君の義務であり責任なんだ。そのために僕たちは君にお金を払ってる。君はその額だって自由に設定できる。その代わり手続きだとか光熱費の精算だとか住人同士の話し合いだとかいろんな面倒ごとを背負わなきゃいけない。それが面倒だというのならそれはひどく無責任だ。日本の会社には「ほう・れん・そう」という言葉がある。オレ、一応サラリーマンだったからね。集団で何かをする際には必ず報告、連絡、相談をしなくちゃならない。昔は自分もそれでよく怒られたけど、君もここでの事を僕たちに説明する義務がある。昨日だって本当は洗濯機を買いに行く予定だったろう?なんで行けなかったのか、君から何の連絡もなかったんで僕は知る由もなかった。それでもって今日になって突然買いに行くと言い出して、彼に話をしたら答えはノーだっただろう?あらかじめ話をしておかないからこういう事になるんだ。結果的に僕も彼も妥協を迫られて、僕にいたっては彼よりも少し多い金額を払う羽目になった。結果、金銭的に不利益を被ったのは僕だ」
これだけ言っても彼の返答は自分の都合と言い訳ばかりだった。「それは言い訳だ」と言うと「言い訳かもしれないけど」と前置きして自分がいかに大変かを延々と語った。こちらの言う事に対しては「わかってるよ、わかってるけど...」とぜんぜんわかってないのが明白だった。
勘弁してくれ。
なるべく簡単な日本語でわかりやすくゆっくりとクレームをつける僕と、それを理解して日本語で返してくれる彼。若い彼の語学力には敬服するが、語学力以前の問題がそこにはあった。
よく考えたら彼が生まれた時、僕は6才だったわけである。自分のいとこよりも年下だ。そりゃあ感覚だってずいぶん違うはずだ。時々彼らの優秀さは彼らの本来の年齢を忘れさせてしまう。まだほんの子供で、経験だって浅いのだ。その事をたぶん僕はもっと意識するべきなんじゃないか。そうした意味で言えばしばらくの間でも一緒に暮らした意味はあったのかもしれない。人は少しずつ大人になる。僕がそうして来たように。
soundscape
by itr-y
| 2011-06-11 21:00
| ベルリン