2011年 08月 02日
つなぎ目の日々 |
写真は晴れてるけど、ベルリンは連日雨である。それもけっこうしっかりした感じの雨が降り続けている。しばらくそんなぐずついた天気が続いていて、今日はちょっと晴れたかと思ったら結局日没前にさーっと降ってしまった。おかげで自転車も水浸しになってしまった。ブレーキが砂をかんだような音を立てる。これだから雨は嫌だ。
晴れになるのを待っていたらきりがないので、洗濯をした、ベルリンはそれでも日本のそれにくらべれば乾燥しているので、洗濯をしても乾かないということはない。もちろん多少乾きづらくはあるが、乾くことは乾く。今日は夕方からバイトだったのだけれど、雨の後の晴れた日だったからか、やたらと鼻水が出まくった。くしゃみも出たからなにかの花粉症のたぐいだとは思うが、それが何かわからない。いったいなんだろう。わからない。風邪でないとは思うのだけれど。
ブログを更新しなかったこのひと月、それなりにいろんなことがあった。
まず2つやっていたバイトの片方が終わった。ようやく時間が出来てしばらくぼけっとしていたのだけれど、あまりの自分の怠惰ぶりにあきれかえってしまう。なかなか会えなかった友達にもようやく会えて、しばらくぼんやりしていた。そんなこんなしているうちに、いつの間にか次の外人局にいく予定の日がもう明日に迫っている。たぶん滞在許可はもらえると思うから、そいつで秋頃まではベルリンにいようと思っている。暑い盛りに日本に帰りたくないのだ。それにもうちょっとこっちでやりたいこともある。ビザの取得は恐らくそう簡単には行かないだろう。ドイツのビザは比較的簡単らしいけれど、それでもお金は必要だ。たぶん必要な額を工面できないだろうと思うのだ。それならもう帰るしかない。外人局の人も他の書類とかよりも先に残高証明を見るらしい。地獄の沙汰も金次第なのだ。
この間、僕は家の冷蔵庫を壊したり、いろいろ忙しかった。ほんでもって借り主のドイツ人とまたやり合った。新しい冷蔵庫を買ったのである。ないとみんな困るからだ。Facebookを通じてメッセージを送っておいたはずなのだが、目を通してなかったらしく帰ってきてから「オレの冷蔵庫をどこにやった!!あれは高かったんだ!!まだ保証だってついている!!どこにやったどこにやった!!」とぎゃあぎゃあわめいていた。
うるせえな、知らねえよ、と思いつつも、自分の保険でまかなって、なおかつここを引き払う時に冷蔵庫も売り払うからそれで彼の補償に充てるということでとりあえず納得してもらった。「PCが壊れてたんだからFacebookなんかで気づくわけがないだろう!そう言う時は電話DAYO!!」と言われた。おまえのPCが壊れてるなんて知る由もないわけだが、後者の理由にはひどく納得した。そうですよね。ちゃんと一声かけとかないといけませんよね。人のものですもんね。へえへえすいません。とひどく卑屈になる。
彼は日本人ではないので、言葉の意味はわかっていてだいたいしゃべれるのだが、それぞれがどういうニュアンスで伝わるのかというレベルまで達しておらず、時々住人とトラブルを起こしかねない言動を連発する。以前に彼が彼の命より大切にしているテフロン加工のフライパンを傷つけられた時には「誰がフライパンをこんなにした!!」とメモ書きが台所に残してあり、僕はそいつを慌てて捨てた。なんで自分が慌ててるのかよくわからなかったけれど、日本人的にはやっぱりそう感じてしまう。明らかに火消し不可能なところまでガソリンをまき散らして後は炎上するのを待つだけみたいな状態にしてしまうのだ。彼にしては不当に自分の持ち物を壊された怒りでいっぱいなのだろうがいかんせん伝え方が悪い。日本人が一番嫌いな「波風」を立てるタイプなのだ。
よく考えたら自分も前の会社にいた時などはそんな若者の一人で、絶えず上司とぶつかっていたけれど、まあまわりの人もよく大目に見てくれていたもんである。今度は僕が大目に見なければいけない番なのだが、それでも限界っつうもんもある。
なんでオレがいつもトイレットペーパー買ってきてんのとか、なんでオレがいつもゴミ箱のゴミ捨ててんのとか、なんでオレがいつも洗濯洗剤買ってきてんのとか、なんでオレがいつもガスレンジの掃除してんのとか、なんでオレがいつもバスルームの掃除してんのとか、なんでオレがいつもトイレの掃除してんのとか、なんでオレがいつも掃除機かけてんのとか、もう全部である。
冷蔵庫を壊してしまったのだって、霜取りをせずにいて扉が閉まらなくなってしまったのをなんとかしようと掃除していたら、誤って冷却ガスのホースを破損してしまったのだ。オレのせいだけどオレのせいじゃないのである。例のアホドイツ人は自分の冷蔵庫の行方と保証金にしか頭が回らないらしく、なぜ壊したのかはいっさい訊かなかった。訊けよコノヤロウ。ふつう冷蔵庫壊す奴なんていないだろ。
そんな感じであいかわらずつまらないことで腹を立てている。また早く一人で住みたい。
不思議なもんで何かひとつの事が終わるといろんな人から連絡が来る。しばらく音信不通だった友人からメールやメッッセージが来たり、しばらく会わないでいた友人の一人が「そうそう、けっこんしました〜」と思い出したようにメッセをくれたりした。写真家で地元の友人であるYは以前から結婚する時はそんな感じで事後報告になると思うよ、と言っていたのだけれど本当に事後報告だったのでなんか笑ってしまった。いつだって彼は彼らしいのである。
ああ、オレなんもやってねえなあ、と思う。
ひとまず時間が出来たし、いい季節だから欧州のどこかに出かけたくてしょうがない。でも自分の家計簿とにらめっこすると、とてもそんな余裕はなく、とりあえず日本に帰る日を決めてからその間に予定を入れるのが賢明な気がした。こっちではバックパッカーは多いけれど、どこが一番安い航空券かとか、まず手段を決めてから目的地を決めるという人が多い。たしかにそれが一番いいと思う。旅を続ける事自体が目的であれば、手段は安い方がいいに決まっているのだ。
行きたいところはある。でもやらなければいけない事も多い。よく考えたら自分すごい忙しくないかと思う。全部やろうとすると。削らなきゃなあ。でも削りたくないなあ。でも削らなきゃなあ。
とりあえずは明日、外人局だ。
まずそれが決まらないと何も始まらない。
追記:ターくん、しののさん 結婚おめでとう。二人とも末永くお幸せに。
soundscape
by itr-y
| 2011-08-02 10:34
| ベルリン