2011年 08月 12日
Check Point |
昨日は忙しい日であった。
朝から遠くの方まで自転車を飛ばし、住宅情報サイトに載っていた物件をアポイントを取って見学に行った。Hohenschönhausen(ホーエンショーンハウゼン)はベルリンの北東も北東。以前に住んでいたWeißensee(ヴァイセンゼー)の家よりもさらに遠い。ベルリンなんてどこも近いぜと高をくくっていたら、しっかりと遠かった。いったいどのくらいの距離があるのだろう。調べていないからわからないけれど、これって実際はすごく遠いんじゃないかと思うのだ。
なんでそんな遠いところの物件に目を付けたかと言うと、掲載されていた家の写真がとてもきれいで40平米という広さだったからだ。なおかつ自分の滞在許可の期限とドンピシャの期間の物件だった。じゃあ、少し遠いくらいは大目に見ようじゃないか。そういうことだったのである。最後くらい静かなきれいな場所で一人でゆっくり住みたい。訪ねたところはそれまでのいわゆる集合住宅ではなく、少し郊外の一軒家の一室だった。ぱっと見、ふつうの一軒家に見えるけれど二世帯が暮らしているらしく、借りられる部屋はそこの家の一階部分の部屋だった。表側が半地下になっていて、裏の庭側が一階になっている。ちょっとしたホテルのような家だった。
途中道に迷ってしまって遅れてしまったのだけれど、電話をして道を訊いた。今の住人であるという女の子が迎えてくれた。カールスルーエから来たというその子はもうすぐベルリンを離れるのだそうで、出来れば早い方がいいとのことだった。願ったりかなったりである。僕だって今の家は早く出たい。彼女はベルリンがあまり好きではないのだそうだ。「自然が少ないからイヤなの」と言った。たしかに。「僕の友人はクロイツベルグに住んでるよ」と言うと、「信じられない」と言った。ベルリンで自然がないと嘆いているようでは東京には住めないな、と僕は思った。
今のところ他にも部屋を見に来る人はいるらしいけれど、僕はすぐにでも決めたいということと、自分の状況を伝えて、出来れば早く返事が欲しいと言った。じゃあ連絡先を、と言って紙とペンを差し出されたのだけれど、なんとなくダメっぽいなという予感がした。連絡先を教えて、という流れで連絡が来たためしがない。決めた人にだけ連絡するからと彼女は言ったけど、ダメな時はダメときちんと言ってほしいのである。まあそれを伝えるのがめんどくさかったので、それじゃあ連絡を待ってますと言ってそこを後にした。息とは違う道を通ったのだけれど、やはり遠い。ここまで離れてしまったら別にベルリンでなくてもいいんじゃないかと思ってしまった。
それからなじみのイタリア人店主の経営するカフェに行き、簡単に食事を摂ってからタンデムパートナーのおばあちゃんの家に行く。
コーヒーとシュークリームをごちそうになり、もぐもぐいいつつお勉強をする。自分のつたないドイツ語の日記。今ひとつ意思疎通のうまくいかないふがいなさを感じ、何となく気疲れしてしまった。いつもいつもなんだかごちそうになってばかりな上に上達が遅くて申し訳なさでいっぱいである。まあしかしおばあちゃんもおばあちゃんで日本語を勉強する気はほとんどゼロなのであるが。
その後はふだんあまり会わない日本人コミュニティの知り合いと中華レストランで食事をした。会いたい人がいたから行ったのだけれど、たくさん話をしてたくさん笑ったわりに、やけに疲れる食事会だった。ああ、やっぱりたぶん自分はこういうの向いてないなと思う瞬間だった。その後はそのメンバーでそのまま日本人コミュニティの集いにいく流れになったのだけれど、僕はもう早く帰りたかった。というのも前の職場の先輩後輩の3人で飲む約束があったからなのだ。
僕はとっさに電話を取るフリをして、「ごめんちょっと知り合いに呼び出されちゃってさ」と言って帰ることにした。やはり大人数は疲れる。そのまま先輩宅でダラダラとあれこれどうでもいい話をしながらビールを飲み続けた。だらだらビールの夜。日本じゃそもそもそんなにビールを買えないけれど、こっちは飲むとなったらケース買いである。ある程度気心知れたメンツと飲むのは落ち着く。ひさしぶりにいろいろあった一日であった。
風が冷たい。本当に夏がなくなっちまったなあ。そう呟きながら5才以上年下の後輩ととぼとぼ歩いて帰った。明日も引き続き家探しだけれど、まあ特に早起きする必要もないもんね。まあいつも昼まで寝ているわけなんだが。
少しずつ進めていこう。少しずつ。
soundscape
by itr-y
| 2011-08-12 09:50
| ベルリン