2012年 05月 23日
ノンレムスイミング |
父の故郷を訪ねた後、僕はさっさと元の生活に戻った。あれこれとつまらないことに落ち込んだりしながらも、きちんと律儀に仕事に行った。一頃に比べればずいぶんいろんなことがマシになったものだと思った。今まで謎だったことがいくつか解けて、少し自分のことが見えた。父の実家に行く前にもちょっとしたことがあったのだけれど、そうしたイベントがまとめて同じタームでやって来たことはたぶんいいことだったろうと思う。僕は思考回路を一周させてなんとか社会復帰できる程度のポジティブさまでメンタルを持ち直していた。
結局、雨は今日一日中降り続き、僕は休日なのをいいことに昼まで寝続けた。前の日が夜勤明けで、午後に眠ってしまったから夜寝られなくなってしまったというのもあるけれど、僕は雨の音を意識の遠くの方で聴きながら眠りこけた。昔から長い時間眠らなければ十分な睡眠が取れない。生来寝付きが悪いので、早く寝付けなかった分を体が取り戻そうとするらしく、結果的に遅く起きることになり寝起きも悪くなる。一番この影響を受けていたのが高校の頃で、僕はしょっちゅう遅刻をしていた。子供の頃は遅刻まですることもなかったのだが、高校の遅い成長期に入った頃と同時期に僕は寝付きも寝起きもすさまじく悪くなり、それをなんとかしようといろんなことをした。
もともと肌の合わなかった部活をサボるようになり、毎日一人で走るようになったのはちょうどその頃だったと思う。もともと団体行動が出来ない性分で、これが一番性格にあっていた。それでも遅刻はし続けたけれど、毎日走る習慣だけは守り続けた。なに一つ決められたことを成し遂げられない自分にイライラしていたからというのもあった。自分で決めたこと、何か一つだけはやろうと思っていた。結果的に多少は体力をつけてくれる方向に作用したと思うけれど、この習慣は後にヘルニアという弊害ももたらした。
どうも自分という人間はいろんなことが体と頭のあちこちで上手くかみ合っていないらしい、ということに最近ようやく気がついた。父の郷里に帰ったことで、親戚の言動や行いや振る舞いを思い出しながら、僕は一人で推測をめぐらせた。
何か一つ自分の中で良い部分があるとすれば、物事を分析的に見ることだろうと思う。分析といっても、まあ自分のやることなのでたかがしれていることなのだが、考え込むタイプの人間で良かったなと時々思う。思慮深い点と思慮の浅い点のギャップが自分の場合には激しすぎるのだが、それでも深い部分の能力にはずいぶん助けられたこともあったなあと今にして思う。時々自分が自分から分離して物事を見ている。いろんな角度からまるで他人事のように彼は観察し続ける。特に意見を言うわけではないのだ。そんな彼と長い間一緒に暮らして来た僕はだからいつも自分自身のことがあたかも他人事のように感じてしまう時が時々あった。
ふと突然思いついてデスク周りを少し整理して掃除した。床を這いずり回っていたケーブル類をまとめて金属ラックの下段にすべてまとめ、余ったコード類をまとめてタイラップで結束した。おかげで床には最小限のコード一本だけが残り、後はラック本体にまとめられた。そして棚の上のPCモニターをデスクの中央付近に設置し、プリンターや書類をどかしてフリースペースにした。これだけで十分にデスクの周りはすっきりした。やはり基本デスクの上はなにもおかずに、デスクの周りになにか一時退避できる場所を作っておくのがいい。プリンターはとりあえず隣の部屋に避難させたけれど、いずれそれも置き場所を考えようと思う。
これだけやってしまってから、本当は別の仕事をやるつもりだったんだと気がつく。まあでもいいか、きれいになったんだし。言い訳をしながら休日は終わる。整理整頓にはある程度の治癒効果があると僕は思うのだ。書き終えて僕は眠りにつく。今夜ははやく寝られるといい。
soundscape
by itr-y
| 2012-05-23 01:25
| 日常