2012年 05月 30日
ほのかなふくらみ |
特に睡眠不足なわけではないけれど、最近なんだか寝付きが悪い。運動をしていないせいだろうが、以前は一晩寝付けずにいたことなどなかったのが、気がついたら明るくなっていることが多くなった。別に翌日が休みだったりしたらそれはそれでかまわないのだが、ふつうに日勤だったりするといろんなことが億劫である。しかし、睡眠不足かと言うとそうでもなく、仕事中に眠くなることもなく、ふつうに働いている。でもしかし寝れないというのはなんだか落ち着かないものである。
寝られなくなる時にお酒を飲む人というのはわりに多いらしいという話がネットのどこかに出ていた。アメリカとかでは医師から処方された薬を飲むというのが一般的らしいけれど、日本では酒を飲む人の方が多いらしいのだ。これはおそらく、精神科やセラピストにかかる人というのが少ないからではないかと思う。そうなると一般人が出来ることと言えば少ない。運動するか。本でも読むか。風呂に入るか。軽く食事を摂るか。飲むか。昨夜はずっとipodで音楽を聴いていたのだけれど、ジョンフルシアンテとオマー・ロドリゲスのアルバムとスティーヴ・ライヒの現代音楽を聴いていたら完全に眠れなくなってしまった。誤算だった。いまだに何を聴けばうまいこと眠くなるのかがわからない。グレングールドはわりと眠れる気がする。
聴く音楽が問題なのではなくて、その日の体と心の疲れ具合に左右されて来るのはわかっているけれど、わからないのは突発的に眠くなってしまうことは多々あるのに、なんで肝心の夜に眠れないのかということだ。まあ、たぶん逆で夜眠れないから、食後とかつまらない仕事の話とかを聴いている時に睡魔に襲われるんだろうけれど。
先日、知人とskypeで少し話をした。彼女の健康診断の話だった。長い間、彼女は乳がんだとか子宮がんの検診に行ったことがなかったのだと言う。以前から行かなきゃなあと行っていたのだが、この間ついに行ったらしい。そうしたら、悪い結果はなかったものの、子宮には良性の腫瘍。乳房の方にはしこりがみっつほど見つかったらしい。今、30代なかばで、二十歳からこのかたそんな検診には行ったこともなかったらしく、看護婦さんに「なんで今まで行かなかったんですか!!?」と怒られたらしい。まあそりゃそうだ。
幸い彼女の腫瘍もしこりも大したものではなかったらしく、腫瘍はその日のうちにすぱっと切除。しこりは後日の精密検査でやはり良性と診断され、何事もなく終わったらしい。良かったねえとそんなことを言っていた。なんでも子供を産んだ方が子宮がんにはなりにくいらしいが、少なくとも彼女のほうではまだ製作期に入る予定はないらしい。そんな話を聞きながら、そう言えば自分も何年も健康診断とか受けていないなあと気がついた。もし具合が悪くて治らない病気になっていたとしても、やるべきことは変わらないという風に考えているのだけれど、おそらく自分がいざそう診断されたら、やはり果てしなく気分が沈み込んでゆくものなのだろうなあと思う。
呼吸をするようにいくつかの不調や気分の浮き沈みがふくらんでは消えてゆく。そう言うことを意識できる生活というのが一つには幸せな暮らしであるのかもしれない。またどこかで糸が切れたとしても、目を凝らせばもうすでに目に見えない糸が張り巡らされているのだろう。そんな生活環の中にいる。
soundscape
by itr-y
| 2012-05-30 15:17
| 日常