2012年 07月 07日
風車をめぐるタタカイ |
夜勤明けで16時間働いた後で僕は自転車で本八幡のさらに向こうの法務局まで走り、そこからさらに引き返して国会図書館まで走った。永田町までは来たものの、さすがに今日はデモに参加する気力もなく、フラフラと家まで帰った。汗でタンクトップがビッタリ体に張り付き、それがゴアテックスのレインコートの中でホウホウと水蒸気を放っているのがわかる。14号線を都内に向けて走りながら、どうして自分はこういう不器用な方法でしかやってけないんだろうなと、自問自答した。
法務局まで行ったのは土地の所有者を調べるためだった。しかし、ここでは無理だよ地番がわからないと、と言われ、徳島の地番の載っているブルーマップを探しに、国会図書館まで行ったのだ。しかしそこにも探している土地のブルーマップはなかった。訊いてみると、山林部分のブルーマップというのはそもそもが発行されていないそうで、そうしたものを調べるにはやはり地元の法務局に行かないとダメですねと言われてしまった。
しかし、最初に東京の法務局に電話して徳島の法務局に訊いてくださいと言われて、次に徳島の法務局に電話して最寄りの法務局で調べられますよと言われ、続いて千葉県内の最寄りの法務局に行っったらここじゃわかりません地元の法務局に言ってくださいと言われ、最終的にここにたどりついたんですと言うと、図書館のお兄さんも困りはてた顔をしてしまった。「やはり個人情報でもありますので」と言うのだが、法務局のページで地番さえわかれば情報照会することができるのだと言うと、「そうなんですか!?」と言った。じゃあ、いったいどこに行けばわかるんだよ!!と、僕はうんざりしていた。
こんな形で国会図書館のカードを作る事になるとは思いもしなかったが、まあそう言う事もあるだろう。ちゃんと事前に電話をして話を聞きましょうということだ。本当に無駄足だった。やれやれ。
あらためて己の行き当たりばったりさ加減を痛感した。
父親の実家の近くで風力発電所建設の計画が進んでいるというのを聞いたのは、本当に何週間か前の事だった。おりしも、再稼働反対の官邸前のデモが激しくなり始めた時で、タイムリーと言えばタイムリーだった。原発反対なら風力発電は賛成かというと、そんな事はまったくなく、むしろ反対である。そもそも、太陽光や風力などの自然エネルギーはエネルギー効率が悪いと言われていて、それが今まで実用化しなかった原因でもある。風力発電は騒音が激しい上に、採算性がまったくなく、水源の水を汚染してしまうと言われている。
先日、電力会社による説明会が行われたのだが、水源が汚染されるという事については認めていたそうだ。この話、実に水面下で進められており、いつの間にか住民の了解を得た事になっていて、なおかつ土地の買収も進んでいるらしい。町長も丸め込まれたらしく、本人は説明会にも参加せずにノーコメントを通している。住民の了解って言ったって、話を聞くと回覧板で回しただけなんだそうである。なんだか冗談みたいな話だが、彼らはそれをもって「住民の理解が得られた」といいうのだ。
自然エネルギーを謳うその会社はユーラスエナジーという、東電の子会社である。7月から始まる、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度にともなう動きが、どうも全国各地で進められているようだった。彼らは原発後の世界まで見込んで動き始めているらしい。あらたな利権構造が始まろうとしている。だれかがどこかでエナジーシフトと政治シフトは不可分のものだと言っていたが、確かに、根本的に政治レベルで考えていかないと、もうどうにもならない。
やれやれかんべんしてくれよ。
本心からそう思った。いまだに政治的な事には関心を示さずに、クールでシニカルな態度を続けている人間もこの国にはまだたくさんいると思うが、僕だって出来ればそんな風にかまえていたい。だが、国がこんな状態でクールにいられる人間なんて、冷静で賢いわけじゃなくて状況を理解していない単なるバカだと思う。熱くなりすぎてる人や、ヒステリックな人間をあざ笑うのはけっこうだが、一緒にしないでほしいなとも思う。原発に反対してるからって別に左翼でも共産支持者でもないし、自然エネルギー推進派でもない。ただ、個人的にどうかんがえてもおかしいと思っている。ここ一連のデモの動きは、そんな個人がそれぞれ考えた末の行動だと思っている。
やらなきゃいけない事たくさんあるのに、なんでこんなに問題ばっか持って来るかな、と思う。
なんだかもう何もかもがおかしい。
徳島の風力発電の件は反対派の人達によってまとめられているので、ここもちょっと参照してほしい。
マイペースだったこの駄ブログに政治的な影を落とした政府の罪は重い。オレは元ニートなんだ。ただもう日々、のんびりとギター弾いて自転車乗ってフラフラしてたいんだ。そんなことここで議論させるなと言いたいのである。
徳島の風車をめぐるタタカイは続く。
soundscape
by itr-y
| 2012-07-07 20:56
| 日常