2012年 07月 13日
Rolling by myself |
どうでもいいニュースの合間に僕は一人で先日ヤフオクで落とした古い自転車を分解修理していた。
とりあえずバラバラにして、あっちこっちを拭いたり、古いグリスを落として錆び取り液につけ込んだり、いろいろやっているうちに2連休の夜は更けていった。そういえば家計簿つけなくちゃ。運動もろくすっぽしていない。何か一つやると、何か別の事をやる気力がなくなる。昔は平気で走ったりなんだりしてたんだがなあ、と思う。
古い自転車はバラしてみたら案の定やはりあっちこっちが古くて、どうしても部品を交換しないといけない所も出て来た。フロントディレイラーのバネは錆びとりにつけたら劣化でポキンと折れてしまった。他の部分は大丈夫でも、バネがやられてしまうと全部交換しないといけないのが自転車部品の悲しい所でもある。できればフルオリジナルのままにしてあげたかったのだが、やはり難しかったみたいだ。しょうがないので意味もなくアルミのクランクを磨き上げて溜飲を下げる。金属部品をピカピカになるまで研磨するのは楽しい。
昨日、仕事で軽く憂鬱なまま帰途についたのだけれど、空気を入れるために寄った自転車屋さんで店員さんがタイヤのはまり具合が悪い事に気づいて、タイヤをはめ直してくれた。自分でタイヤ交換をして以降、今ひとつタイヤの収まりが悪くガタガタしていたのだが、きちんとビードをリムにはめてもらって、適正な空気圧にしたら見事に納まった。それからお兄さんはヘッドパーツ(ハンドル)にガタが来ている事にも気づき、レンチでヘッドの締まり具合まで調整してくれた。自分でヘッドレンチを買おうかどうか迷っていた所だったので、ちょうど良かった。古い自転車はベアリングを時々ネジで締め込んで調整しないとがたつきが出るのである。これはヘッドとクランク、ホイールとすべての回転部分に共通している。
それだけしてもらうと、自転車はぐっと安定性も良くなり、がっちりと走りをホールドしてくれた。やはり本職の人に見てもらうべきなのである。
もう一つの自転車は予備として購入したもので、本当に二束三文の金額だった。状態も当然あまりよくないので、今ゆっくり治していっている所なのだが、よく考えたらバイクもキャブレターの掃除を終えた所で放りっぱなしになっている事に気がついた。いかん。またフラフラとし始めている。7月いっぱいには直しておきたいところなのだが、また不具合が見つかる可能性もある。そしたらもう売るしかあるまい。そんなにバイクにかける金はない。
新しい仕事は本格的にめんどくさい事を押し付けられる段階にちょっとずつ入りつつあって、本当にもう面倒くさい。でもしかし十二分に給与をいただいているのだから、文句を言うつもりはない。あえて言うなら残業代出せよ、という事くらいである。週40時間以上働かないと残業代でないってどういうことだよコノヤロウ。40時間分タダ働きかよ、と言いたいのである。
まあでもおかげで辞める時は心置きなく辞められそうだ。多少の不満があるといい。
世の中ではあいかわらず世間の耳目を惹くためのミスリードトピックで溢れているけれど、僕はもうなんだか目にしてしまうのも面倒になって来た。本当にニュースというのはいつも醜く、醜悪である。ドイツに行ってすっかりその事に気づいてしまった僕は、もう国内のニュースをほとんど信じていない。そういえば、先々週、デモに行った帰り道、飲み屋で一人のドイツ人に出会った。隣で一人ちびちびと飲んでいたので気になって話しかけてみたら、なんとハノーファーの近くから来たというドイツ人だった。「オレ、去年までベルリンいたよ!」と言うと、嬉しそうに話し始めた。
「ベルリンはどうだった?僕は子供の頃1回くらいしか行った事ないけど...」
「うーん....汚い!!!(互いに笑う)でも、あの街の雰囲気が好きだったよ、なんかね自由な感じがする」
彼は広告関係の仕事についているらしい。もう6年近く日本に暮らしていると言う。なぜだかわからないが日本に対してすごく親近感を感じるのだと言う。これは以前に日本学を勉強しているドイツ人の学生も言っていた事だが、たまにそういう人がいる。
「みんな来て始めのうちは同じように言うんだ。『オレにはここが合っている!!ついに自分の場所を見つけた!!」って。でも、そんなの最初のうちだけだよ。次第にくたびれてくるし、いろいろ実態もわかって来る。本当に好きになれるかは最初の半年を過ぎないとわからないね」
と言った。
「オレもそう言う時期あったよ。疲れて、ドイツ人にいい加減うんざりしてた」
そう言うと二人で大笑いした。
また飲みに行こうよ、と言って連絡先を交換した。「ところで住んでんのはどこ?」と訊いた。
「駒場東大前」
「マジで!!いいとこ住んでんな!!」
「でもせまいよ。君は?」
「浦安。自転車で帰る」
「ここからどのくらいかかる?」
「ein stunden oder so....(一時間くらいかな)」
「イチジカン!!!」
じゃあね、と手を振り別れた。
僕の「棒に当たる能力」はあいかわらず健在みたいだ。
soundscape
by itr-y
| 2012-07-13 02:17
| 日常