2012年 09月 24日
眉をひそめる |
せっかくの休みにも関わらず、僕はきっちりと昼まで寝てしまった。いったん夜勤を挟むともうダメである。なんだかいろんな所の時間がずれているようで、僕の体は睡眠を要求した。疲れているわけでもなかろうにと思うが、どうも疲れているみたいだ。
ひさしぶりにYとその奥さんと放浪写真家K氏と会った。Yに子供が生まれてからずっと子供の顔を見ていなかったのだが、今日はYの実家の法要があるとかで地元まで戻って来たのである。娘は生後4ヶ月。女の子なのにふてぶてしい顔をし、眉間にいつもしわが寄っている。生まれた時からずっと眉間にしわが寄っているんだ、と二人は笑った。
子供、特に乳幼児に心を開かせるのが得意な僕はYから娘を抱かせてもらうと、さっそく笑わせることに成功した。それまで黙っていたのがきゃっきゃと声を上げて笑ってくれたので成功ということでいいんではないだろうかと思う。人の子でも赤ん坊を抱いているのは好きである。一時的に僕は子供の頃に戻り、抱かれていた赤ん坊の頃のことを思い出す。憶えているわけはないと笑う人もいるかもしれないが、僕は変な人なのでわりと乳児期のことを憶えている。風呂につかっていたことも、抱かれていたことも憶えている。たださすがに胎内にいた記憶は残念ながらない。思い出せないだけかもしれない。でもそれなら誰もが思い出せないだけと言うのが正解だろう。
すっかりお父さんお母さんとなった二人は、まあもとからのほほんとしているのであんまり変わった雰囲気でもなかった。むしろ真の姿に近づきつつあると言った方がいいかもしれない。僕らはのほほんとした二人しか知らないけれど、たぶんもっとハードな現場で二人ともやって来たんだろうなあと、ふと思ったりもする。
今日の雨は一日中ずっと降りつづけ、この国に雨が降るのだということを思い出させてくれた。そして八木沢ダムの水量がこれで回復してくれるだろうとすこし安心した。何がおこってもこの国ではいつもなんとかなってしまう。原子炉以外は。
最近のことと言えば、夜勤の最中に腰を痛めてしばらく養生していた。度重なる夜勤がどうも夏バテを引き起こしていたらしく、ある時急に腰が痛くなってしまったのだ。ずいぶん前にヘルニアを起こして、しばらく寝込んでいたことがあったのだけれど、それが再発した形である。5番と仙骨の間の椎間板が変性を起こして固く狭くなってしまっているのだが、今回もやはりそれが原因だろう。腰骨に頼ることが出来なくなった僕の腰は、筋肉を使って体を支え続けていて、その筋肉が今度は悲鳴を上げ始めたという次第である。このまま座れなくなってしまうと仕事を失いかねないのでなんとしてでも回復させようと寝ていたら、しっかりと治った。さいわいまだ中年というほど体力は落ちていないみたいだ。しかし、今回の腰痛は僕に軽く警鐘を鳴らした。あまり自分の体力を過信しすぎるなよと言われた気分だ。
赤ちゃんの顔と父親のYの顔を交互に見比べながら、僕はぼんやりしていた。今日の自分は本当にいつも以上にぼんやりしていたように思う。会話のテンポやタイミングやなんやがいつも以上に掴めなかった。雨の日はしょうがない、と思いながら僕も赤ん坊と同じように眉間にしわを寄せてみた。
もうすぐ3連休が来る。少し遅めの3連休。
by itr-y
| 2012-09-24 00:49
| 日常