2006年 07月 11日
ビリス |
湿った風が吹いて、低くたれ込めたくもが南から流れてくる。
遠くの海にある台風のせいだろうか。
海側につくられた新しい公園に出かけた。
最初この丘を作っているのを見た時は、あまりのイメージの貧困さに呆れたもんだったが、いざできてみると非常に眺めもよくて広々としていて気持ちがいい。
天然記念物であるコアジサシの営巣地をぶっつぶして作られたハリボテのマンションと、それとセットでついてくる安っぽい公園にはもういい加減にうんざりしているのだが、こういう眺めを見ているとなんだかどうでも良くなってくる。
街の設計をする方だってたかが鳥ごときの為に開発計画を変更する訳にも行かないのだろうし。
この公園を造るのにいくらかかかったかとか野暮なことはあえてきかない。
聞きたくもない。
ていうか、聞くの怖い。
もう少しすればフェンスも外されて湾内を一望できるようになるだろう。
「もうこれ以上人が増えませんように」
押し付けられるイメージのなかで、この街は人にとっても鳥とっても住みにくくなりつつある。
by itr-y
| 2006-07-11 19:22
| 日常