2006年 09月 06日
もし僕らのことばがウイスキーであったなら |
台風の影響で昨日はやたらと暑く、うってかわって今日はひやりとした雨模様だった。
冷えた風があちこちから吹き付けて、秋の台風はひとつひとつが通り過ぎる度に街の模様替えをして行く。
そんな様子を窓から眺めながら僕はようやくほっとした気分になっていた。
アイラのシングルモルトだなんて、そんな気の利いた高級品には全く縁がないわけだが、僕は僕で量販店で買ってきた安ウィスキーをショットグラスに注いで一杯やっていた。
こんな秋の日の夜には酒を飲まない方がどうかしている。
そう思って久しぶりにウィスキーを買ってきたのだ。
ウィスキーなんてもうしばらく飲んでいなかったから、酔いがまわるのも早いかと思ったけれど、飲んでみると常温の酒はまるで蜜の様に甘く、僕は久しぶりに一人の宴を楽しんでいた。
僕は基本的になぜか洋酒派で、日本酒や焼酎とは相性が悪い。
すぐに酔ってしまうし、二日酔いしやすいのだ。
その逆にウィスキーやビールなどの麦ベースの酒には強く、ウィスキーなら一人でもハーフボトルぐらいは空ける。
本当に強い人というのはもっともっとすごいんだろうけれど。
しかし僕のまわりには酒を飲める友達がいない。
酒が飲めない訳ではないのだが、みんなそれほど酒好きではないのだ。
そういうわけで僕は必然一人で飲むことになる。
冷蔵庫にあった野菜スティックにマヨネーズを付けてつまみにする。
セロニアス・モンクの"I'm getting sentimental over you"に耳を澄ます。
これから色々と僕にだって計画していることはあるのだが、一体それの中のどれだけを実行に移せるのだろうか。
もう何年も何年も暖めているプランだってある。
「何をやるにも金がいる」
と呟いてまたグラスをクイと煽る。
ピアノの音色に合わせてトントンとテーブルを叩いた。
そうだ。
意味がなければスイングはないのだ。
by itr-y
| 2006-09-06 21:25
| 日常