2006年 11月 15日
アンクルデニム |
いつもの道を自転車で走っていると、急に足下でガコンと音がした。
同時にペダルが「ガチンと」止まってしまったので「ん?」と思ってクランクの辺りを見てみた。
フロントのスプロケから外側に外れたチェーンが、クランクに絡み付いていた。
漕ごうにも漕げないのであきらめて歩道に上がり自転車を降りた。
しゃがみ込んで見てみると、無理に漕ごうとしてディレイラーが少し曲がってしまったらしく、ちょうどがっちりと挟み込みようになってしまっていた。
少し手こずりそうだ。
もう一段階あきらめてチェーンを素手でさわりがちゃがちゃといじってみる。
なんだかしっかりとはまってしまったチェーンは簡単には直りそうにない。
しばらくうんうんと唸っていると、いきなりデニムのジャケットを着た背の小さい色黒のおじさんが後ろから来て、
「これね。ここをね、こう押さえておかないとダメなのね。」
と言いながら手を貸してくれた。
おじさんはリヤディレイラーを押さえててくれ、その間に僕はフロントのギヤにチェーンをかけていった。
「どうもありがとうございまし......」
「うんうん。どうもね......」
そういいながらおじさんは小走りに歩きはじめていた。
速っ!
お礼を言う暇も無い。
僕は慌てておじさんを追いかけて、信号待ちをしているところをようやく追いついて、もう一度改めてお礼を言った。
「本当にどうもありがとうございました。」
「うんうん」
それだけ言うとおじさんは連れのおじさんと一緒に去っていった。
by itr-y
| 2006-11-15 18:26
| 日常