2006年 12月 20日
おなかだいじに |
ドラクエのコマンドで「いのちだいじに」ってのがあったけれど、今の僕は「おなかだいじに」状態だ。
またいつものような過ちを繰り返すまいと、胃腸からの微弱な信号を受け取りつつ、食事の量を微調整している。
コーヒーの量も減らした。
腹が減らない限り食わないことにした。
そんなこんなでなんとか少し持ち直したみたいだ。
また密室での拷問に遭わないようにするべくすり足でそろそろと進んでいる。
この間借りた養老先生の虫図鑑が面白かったので、これは買って持っておきたいなあと思った
。
養老先生が各地で採集した昆虫をスキャナでスキャンし、拡大したものを載せてあるのだが
、この画像がとてもクリアできれいなのだ。
写真で撮るとどうしても一部分にしか焦点が合わなかったり、照明のあて方とかでうまく撮れなかったりするものだけれど、スキャナを使えば簡単に全焦点で精密かつ鮮明な画像が採れるのだそうだ。
養老先生は昆虫界の中ではいまいちマイナーなゾウムシの専門だけれども、先生の採集標本をもとにした研究と考察はとても面白かった。
ヒゲボソゾウムシというどこにでもいるゾウムシを集めて、地域ごとにその分類をし、頭や足、胴体や生殖器ごとに比較してゆく。
その結果わかったことは、一種類の中でも、日本の北から南までの生息地域が変わるに従ってその形態が徐々に変わっているらしいということだった。
それまでは一種類としてまとめられていたゾウムシの仲間が、先生の研究によって数種類いるということがわかったわけである。
このあたりの著述はなかなかスリリングでおもしろい。
その後で養老先生は、現代の科学というのは「同じ」を見いだすもので、それ以前の博物学などは「違い」を見いだすものであったらしい。
また都会に住んでいる人間ほど「同じ」を見いだそうとし、田舎に住んでいる人間ほど「違い」を見いだそうとするのだそうである。
なるほど。
確かに科学はいくつかの事象の中から一定の法則を見つけ出し、そこに名前を付けていくものだけれど、それはあんまり行き過ぎるとだんだんと宗教じみてくるのも確かだ。
昆虫採集を通じて養老先生が感じたこと、考えたことが簡潔にまとめられているので、これはぜひとも読んで頂きたい本だ。
写真がきれいだし、装丁もきれいなので持っていて損はないと思う。
うちのスキャナは使えるのかな。
僕も少し色々と試してみようと思った。
by itr-y
| 2006-12-20 20:31
| 日常