2007年 02月 09日
モダンタイムス |
何気なく当ブログのアクセス解析と検索ワードのランキングを見ていたら、6位に
「二度もぶったね」
が入っていてコーヒーふいた。
しかも三人も来ていた。
思わず
「三度も来たね」
と言ってしまった。
この間から本田透の「喪男の哲学史」という本を読んでいたのだが、これがまためっぽう面白い本だった。
世の中の哲学を、モテる男「モテ」と、モテない男「喪男」に分けて考察すると言うものなのだが、連綿と続いて来た哲学の歴史を、モテと喪の二元論でまっぷたつに切り裂いてゆく。
軽快な語り口と文体でわかりやすく、これ以上平たく出来ねえよというくらい平たく解説してくれる。
宗教や国家、哲学、科学が喪男の救済のために発展していったという説は、何とも凄まじい説得力がある。
プラトンもソクラテスも、ニーチェもキルケゴールも、ゲーテもマルクスも、ヘーゲルもカントも、みんなみんな喪男だったというのだ。
なるほど。
凄まじくわかりやすい。
みんなみんなモテない男が、なんで自分はモテないんだろうと考えた結果が科学であり哲学であり、芸術であり文学であり、また国家であり宗教だったらしい。
なるほどねえ。
何だか読んでいるうちにいろんなものの謎がするりと解けていったような気がした。
そうだ。
そうだよね。
笑って読みながらも自分が喪男であることを静かに確信した。
ふざけた内容であるにも関わらず、書いてあることはとても整理されていて筋の通った通った論文になっている。
もともと、著者が早稲田大学の文学部哲学科の教授から自身の論文を相手にしてもらえなかったという恨みから来ているこの本は、その出生も極めて正統的な喪男本だ。
切り口が切り口なだけにB級サブカル本としてみられてしまいそうだけれども、読んでみるとそうとう暖めて書かれた本なのだなということがわかる。
自身もキモオタを標榜する著者の鋭い視点がそこにはある。
いろいろと書きたいことはあるのだが、沢山ありすぎてちょっとかいつまんでは説明できない。
是非、書店で手にとってみることをお勧めする。
特にモテないそこのあなた。
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by itr-y
| 2007-02-09 19:23
| 本