2007年 02月 27日
古いタイプの男 |
今日は一日暖かく、なんだかここのところの寒さが嘘みたいだ。
ジェットコースターのような気候に振り回されている今日この頃。
この陽気に誘われて僕はミスタードーナッツに入った。
(なんでやねん)
以前よくいっていた店に久しぶりに入ると、当たり前だが店員さんの顔ぶれが少し違っていた。
知らない間におまけカードはポイントカードシステムになっていて、カップのデザインも変わっていた。
カップのデザインが一新されたのは憶えているけれど、ポイントカード形式になったのは知らなかった。
僕はこのポイントカードというやつがあまり好きではないので何だか少しムッとしてしまった。
ミスドと言えばあの銀色ゴシゴシをこするのが楽しいんじゃないかと思っているので、以前にカードがただのカードになった時もちょっと憤慨した。
ミスドの経営陣というのは一体何を考えているのだろうか。
ここ数年の間に、明らかに良くない方向にばかり転がっているような気がする。
こうなったらミスドの株を買いあさり、筆頭株主にでもなって経営に口を出してシステムの根本的見直しを迫ろうかとも考えたが、どうも無理っぽいのでやめることにした。
こういうのは誰か他の人にやってもらうべきだ。
めんどくさいもの。
なんでまたミスドによろうかと思ったのかというと、以前に読んだ村上春樹の「東京奇譚集」のなかの一編で女の子が「ミスタードーナッツでは何が好き?」と訊くシーンがあったのを思い出したからだった。
主人公はそこで
「オールドファッション」
と答えるのだ。
奇しくも僕もオールドファッション派だったので、そこで激しく頷いてしまったのだ。
フレンチクルーラーとか、エンゼルショコラなんて毛唐なものを食べる輩も世の中にはいるらしいけれど、ミスタードーナッツで一番美味しいのは「オールドファッション」と「ホームカット」のふたつだけだ。
これだけは譲れない。
しかし、オールドファションもホームカットも実は店によってその味がけっこう違う。
ただ小麦粉を揚げただけのシンプルなお菓子故に、作り方でその味に大きな差が出る。
作り方の上手い店のオールドファッションは表面がサクッとしていて硬い。
揚げる油の温度か、揚げた後の店にならんでいる時間のふたつの要素が絡んでいると僕は睨んでいるのだが、これが美味い店とそうでない店とではえらくランクが違う。
マズい店は表面もふにゃふにゃしていて、中身も何だか張りがない。
半分生地のまま食べているような感じだ。
こういう時はもうあきらめるしかない。
窓ガラスの外からでは判別が難しいのだ。
ここ数年の間にオールドファッションにも改悪の波が押し寄せてきているようで、あまり昔のようなサクサクした食感のものがなくなって来てしまったようだ。
どこに行ってもふにゃふにゃした、いかにもおせっかいな配慮というような緩い食感のオールドファッションばかりで、食べていてイライラする。
椅子をガタンと倒してカウンターまで文句を言いに行きたくなった。
「こ・れ・が・オ・ー・ル・ド・フ・ァ・ッ・シ・ョ・ン・な・の・か?」
そのぐらい僕は昨今のミスド事情に怒っているのである。
ああいったものはたぶんレシピが厳格に規定されているんだろう。
分量も添加物も揚げ時間もすべて。
今日食べたオールドファッションも、ご他聞に漏れずふにゃふにゃのドーナツだった。
もうほとんどあきらめていたし、久しぶりだったから別にそのまま食べたけれども、何とも釈然としないまま店を出た。
ここ何年かの間にミスドが進歩を遂げたことってポン・デ・リングの開発ぐらいなんじゃないのか?
どんどん間違った方向に向かいつつあるミスドの体勢に憤りを感じながら家に帰った。
まあでも味はともかく相武紗季ちゃんのミスドの制服姿が卒倒しそうなくらい可愛かったので、彼女に免じて許すとしよう。
by itr-y
| 2007-02-27 19:24
| 日常