2007年 06月 04日
途切れる会話 |
とぎれとぎれで曖昧な受話器ごしの声を僕はなんとか聞き取ろうとしていた。
時々、かけた先の電話の音が小さくて聴こえない時がある。
あんまり小さいので聴こえていなくても適当に
「そうですか」とか
「はい」とか
無難な返事をしてしまう。
僕は今日もそんな事をやっていて、肝心の話の内容の方をあんまり正確には聞けなかった。
時おり
「はい?」なんて聞き返したりするので、出た方もかなりイライラしていたろうけれどこっちはこっちでそうとうイライラしている。
修理できるのかできないのか。
一体どっちなんだ。
パソコン修理のその会社は、おおよその見積もりを出すのをなぜか避けているようだった。
こっちはそれが一番知りたいというのに。
なんどかやり取りをしながら具体的にいくらになるかを教えてくれと言うと、ようやく答えてくれた。
およそ1万4千円から2万、3万ぐらいを見て頂ければという事だった。
僕はさらにイライラしながらもなんとか相手の言葉を聞き取ろうとしていた。
内心は
「だからなんでそんなにかかるんだよコノヤロウ!」
と叫びたかったのだけれど我慢した。
最近ようやく我慢というものを覚えたのだ。
要はそんな修理はしたくないという事なのだろう。
正規の修理会社と言うからもっときちんとしているのかと思っていたら、受付の人間の対応も担当の人間の対応も投げやりで、まったく誠意というものが感じられなかった。
終始
「それがなにか?」
という態度なのだ。
「そうですか。どうもありがとうございます」
ぶっきらぼうに僕は言い放ち電話を切った。
アップル社のカスタマーセンターの人々がどれだけ会話に長けているかという事を思い知った。
彼らはプロなのだ。
あの下請け会社の人達の反応がたぶん普通の人々の反応なのだろう。
無理もない。
知ったこっちゃないんだろうね
それにしても困った。
もう当分ヘッドフォンは使えなくなってしまったわけだし。
soundscape
by itr-y
| 2007-06-04 20:32
| 日常