2007年 06月 28日
赤い車 |
ブログを始めた頃はアクセス数を増やそうとよくニュースにトラックバックしていたのだけれど、今はもうそんなこともすっかりなくなってしまった。
でも今回はちょっとトラックバックを入れたくなった。
例の「湾岸署」の話。
今までが湾岸地域一帯を水上署のみで管轄していたというのは初耳だった。
そんなに広い地域を管轄していたとはちょっと驚きである。
つーかそんな広い範囲にひとつしか警察署が無いというのがそもそもどうなのか。
もっとあってもいいような気がするけれど。
「踊る大捜査線」に出てきた湾岸署の建物が潮見にあるということは、京葉線ユーザーならみんなわりと知っているのではないだろうか。
潮見の駅を出て新木場方面に少し進むと右手の方に見える。
上りの電車で左手の方を見た方がよく見えるかもしれない。
変わった建物だからすぐにわかると思う。
そんなに何がどうというほどのものでもない。
普通のビルだ。
あのドラマが始まった当時、まさかこれほど人気作品になるとは思っていなかったけれど、今になってみればほとんど伝説的な作品になっていると思う。
僕のまわりでもはまっている友人はけっこういて、例のあの軍用ジャケットを買ってしまった奴もいた。
街でも同じようなアイタタ人間はけっこう見かけたので、青島刑事の功罪は推して知るべしである。
ここ十年の間に潮見にもあちこちビルが建ちまくっていて、駅前もほとんどが空き地だったというのに、今ではマンションやショッピングストアなどが出来てしまっていて昔の面影はほとんどない。
あそこの空き地に捨てられて朽ち果てていた赤い車のことをいったいどれだけの乗客が憶えているだろう。
僕は高校に通っていたころ、毎朝あの車を見るのが何となく好きだった。
いつかあの空き地に入ってみたいなあとぼんやり考えていた。
あの赤い車に触ってみたいなあと思った。
入って何がどうなるというわけでもないのだけれど、なぜか訳もなく妙に惹かれる場所というのは常にあるものである。
今ではその空き地にもマンションが建ってしまって、もうそこに何があったのかうまくイメージすることも覚束ない。
すごいスピードで開発が進む臨海地区は、これからももっともっと多くの建物が建ち並び、多くの人が出入りするんだろう。
それはとてもいいことだと思う。
もともとそういった事のために埋め立てたのだから。
でもしかし僕は今も昔も、何もない荒漠とした時間に見捨てられたようなあの埋め立て地に、とめどなく郷愁をおぼえてしまう。
あの赤い車のことは、なぜか今でもおぼえている。
あのドラマのことが好きだったのは、そうした見捨てられた土地を舞台にしていたからというのもあるのかもしれない。
soundscape
by itr-y
| 2007-06-28 21:51
| 街