2007年 09月 14日
スイーパー |
このブログを始めた頃にはよく腐った魚の死体とかをアップしてたりしていたので、ここいらでちょっと作風をもとに戻そうかと思う。
この間の台風の時、海にうねりがまだ残っていて、その時撮った写真である。
フナムシが波風のあたるところを避けて避難している。
知らない人が見ると悲鳴を上げそうな光景だけれど、実は彼らはふだん海岸線に沿ってずらりと並べてあるテトラポットの隙間にたくさん潜んでいる。
結構うまく泳ぐので別に海に落ちても大丈夫なんだけれど、台風やしけの時にはこうして波のかぶらないところに避難している。
あんまり長いことは泳げないらしい。
彼らは基本的には甲殻類で目がある。
だもんでこちらの動きに反応してカサカサと素早く動く。
これが「G」に似ているので嫌いな人はものすごく嫌いだ。
秋のサヨリ釣りの時なんかには放置していたコマセに群がってきたりするので、僕もちょっと苦手である。
こういった動物になぜ気持ち悪さを感じてしまうのかというと、それはたぶん彼らが食物連鎖の最終段階近くにいるからではないんだろうかと僕は思っている。
彼らは海の掃除屋で、森で言うウジ虫やゴミ虫などにあたる。
基本的に彼らは死骸を補食する。
それらは人間も例外ではないので、たぶん無意識のうちにそういった物を連想してしまうんだろう。
死を連想するものを人間は嫌う。
たぶん体のどこかが反応して自然にそう思ってしまうようだ。
この辺は爬虫類に対しての恐怖感と少し似ている。
本能ってやつだ。
これを釣り餌に使うことも出来るらしいのだけれど、あんまりすばしこくて動きが速い上にこいつは時おり人を刺すのであんまり使いたいとは思わない。
そのまま針にさすと泳ぎ出してしまうので、かるくクシャリとつぶしてから使うのだそうだ。
自分でかいていて背筋がゾゾゾと寒くなってきた。
ゾゾゾついでに書いておくけれど、さっきも書いたように彼ら基本的に甲殻類なのでメスは腹に卵を抱える。
始めのうちはオレンジ色をしているけれど、これが成熟してくると黒くなってきてやがて孵化する。
幼体はすでに親と同じ形をしていて、しばらくはメスの腹に捕まって生活する。
この時期のメスを捕まえると小さいフナムシがうじゃうじゃと出てくることになる。
うわあああ.......。
今のところまだ釣りエサにする予定はない。
soundscape
by itr-y
| 2007-09-14 23:52
| 日常