2007年 11月 06日
甘い果実 |
たまに喫茶店に入る。
ケーキなんかを頼むときは必ず誰かと一緒に入る時が多いが、何となくケーキがあるというだけで人生幸せになるもんである。
単純だけれど甘いものがあると何だかほっとする。
「オレ甘いものあんまり好きじゃないんだよね」
なんてことは僕は絶対言わない。
「大好きッス」
ほおばりながらそう言うッス。
以前に友人から貸してもらった堀江敏幸の「河岸忘日抄」を読んでからというもの、この作家がとても気になっていて、前に三冊くらいいっぺんに借りたのだけれど、ひとつとして読めないままに全部返却してしまった。
よくよく考えたら件の本だって読むのにひと月以上かかっていたのである。
以前に比べると読書のスピードが格段に遅くなってきている。
集中力が落ちてきているのだろうか。
それとも単純に忙しくなってきているのだろうか。
たぶん一番時間を無駄にしている原因のひとつはネットだと思うが、ブログがそもそもネットの権化のようなものだから仕方があるまい。
時間が欲しければパソコンなんか捨てることである。
なくったって生活できる。
以前の僕がそうだったように。
そんなこといいながらパソコンを購入するまでに自分がどんな生活をしていたのか、ちょっと思い出せない。
確かギターばかり弾いていたような気がする。
一度かじった甘い果実の味はなかなか忘れられないものである。
また今日も電源を入れてハードディスクにいらない情報を放り込んでゆく。
動きにくくなったところで気づく。
はてこんなに情報を集めて僕は何をしたかったのだろうか。
soundscape
by itr-y
| 2007-11-06 21:40
| 日常