2008年 03月 06日
斜陽 |
何となく予感はあったけれどそれでも予期しない別れというものはあるもので、僕はそんな小さなお別れのひとつにまた挨拶を交わしておいた。
春は別れの季節とは言ったものの、あんまり関係ないかなと思いきやそれなりに変化はあるものである。
みんなみんなちょっと思うところがある。
そんな感じの3月が今年も来た。
黄砂だとか餃子だとかイージス艦だとか、あれこれとニュースはあるけれど、そんななか小さな別れのひとつひとつは特にニュースにはならない。
たぶん電柱だとか、北向きの塀の裏とかにこっそり置き去りにされるんだろう。
どれも特にロマンティックではないから。
歌にも詩にも絵にもならない出来事はどう処理すればいいのか。
どんな科学技術をもってしても、どんな宗教をもってしても人はそれに対処できない。
ただ何となく呆然として見守るのみである。
だってそのほとんどが本当にどうでもいいようものばかりなのである。
入って二週間で辞めましたとか、ちょっとつきあって別れましたとか、やっぱり経営から手を引こうと思いますとかそんなんばかりなのである。
この間創刊したばかりだと思っていた雑誌が翌々月には消えているような感じなのである。
みんなみんな何かを始めたいのだろう。
そしてきっとダメだったのだ。
それなら僕にも良くわかる。
でもたぶんこれからはそんながらくたをいちいち拾って部屋に持ち帰ったりはしないだろう。
だって僕はもういい大人だから。
soundscape
by itr-y
| 2008-03-06 03:34
| 日常