2008年 09月 12日
三歩進んで |
ずーっとずーっと懸案だった本棚を買いに行った。
南船橋のIKEAである。
引っ越してからずいぶんと経つというのに部屋の中にはいまだにアリさんマークの引っ越しセンターの段ボールがあって、そいつが部屋の片隅で本や雑誌、そして生活関係の書類や仕事関係の書類が乱雑に突っ込んであった。
デスクの左横にどどんと置いてあったのだけれど、本や雑誌が増えるたびにその段ボールが増えて行ってもう収集がつかないような有様となりつつあった。
今度またいつ引っ越すかわからないので下手に大きな買い物をしたくないというのが理由で買わなかったのだけれど、よく考えたら本好き音楽好きを自負する人間が本棚を持たずに生きてゆくというのはほぼ不可能なのである。
いまさら気がついて買いに行くことにした。
IKEAの家具は前から興味はあったのだけれど、なかなか本気で大物を買う気にはなれないのが本音であった。
日本人の場合いたずらに安ければ安いほどいいというものではなく、ある程度の値段がするから安心して買えるという感覚がある。
この感覚はどうも日本人特有のものなんではないかと思うことが時々あるが、IKEAの方針はそれとは真逆なのでなんだかアメリカのホームセンターに行ったみたいな感覚になる。
安かろう悪かろうという人もいるが、ぱっと見た感じそれほど悪いという気はしない。
むしろ無印なんかのやたらと高いくせにデザインだけで勝負しているものの方が良くないような気もする。
今家で使っている無印の冷蔵庫はやたらとうるさい。
もちっと静かにしてくれないかな。
いろいろと欲しいものはあっても、それに目もくれずに目的のものを買うというのはなかなか難しいことである。
いろいろと面白いものがたくさん置いてあるのである。
これもついでに買ってゆこうとか考え始まっている自分がいて、途中でいかんいかんと一人首を振った。
全部買っていたらきりがないのである。
大きくて立派な額縁などもあり、これにあいつらの写真を入れたらかっこいいだろうなあなんて考えてみたりしたのだけれど、これもよく考えたら借家なんだから壁に釘1つ打てないのだった。
目的の本棚はあるにはあったけれど、どう考えても自分の部屋に置くには大きすぎた。
入るには入るだろうが、これが突然部屋の中にあるってどうよ?
大きすぎない?
しばらく歩きながら考え直しているとふと店の中の案内板に気がついた。
持って帰れない商品は配送することができますと書いてある。
もちろん僕だって配送してもらう気だったのだけれど、その案内を見て気が変わった。
配送料が船橋から家までなんと¥4900もするのである。
商品の値段を安くするために配送料などを上乗せせずに純粋に商品の値段のみにしているらしく、後は自分で運んでね悪く思うなよということだった。
なんてこったい。
下手すると商品そのものよりも配送料の方が高くつく計算になる。
その料金を見て一気に方針が変わった。
ウチのオンボロミニに乗るサイズであること。
それが最優先事項となった。
そうなると話は早い。
予定していたものよりも2サイズぐらい小さなものを選択し、レジで購入してから駐車場まで運び、試しに車に乗せてみた。
助手席のシートを寝かせたら普通に助手席に乗ったのでちょっと安心した。
持って帰ってから早速組み立ててみた。
狭苦しい部屋がさらに狭苦しくならないように色々と四苦八苦しながら、室内のレイアウトを考えてゆく。
最終的にはぴったりの配置が見つかりなんとか様になった。
ごちゃごちゃしていた本や書類や雑誌を押し込み、段ボールをすべてバラして捨ててしまった。
机の上に置いてあったハードディスクもCDコンポもラックの方にまとめてしまった。
おかげで机の上から蛍光灯とモニターとキーボードとスピーカー以外はすべて無くなり、すべてがシステマティックに分類された。
これでこそ自分の部屋というもんである。
ようやく文化的に暮らせそうな気がする。
もちろん厳密に言えばこれから色々と書類を整理したり、溜まっている仕事を分類しなければいけないのだけれど、人間だらだらと漫然と生きているとこれほどまでによけいな情報の中に埋もれてしまうもんかと思った。
世の中情報であふれ過ぎだと思う。
本当にこんなに文字や数字に置き換える必要性があるのだろうか?
自分の糞にまみれて死んでしまいそうだ。
整理整頓を。
そして取捨選択を。
人生それだけがせめてもの救いである。
soundscape
by itr-y
| 2008-09-12 00:32
| 日常