2008年 10月 24日
コンサルタント |
25日が土曜日だということもあって、少し早めに給料が支給された。
非常にありがたいことである。10月はとにかく出費のかさむ月だったのでようやく一安心することができた。
予期せぬ出費は本当に突然くるものである。
懐具合が良くなったので、ふらりといつもの店に行ってみることにした。
この間行った時にはもうすでに店じまいで入れなかったのだけれど、今回はまだカウンターが空いていた。
顔なじみのお姉さんに挨拶をしてカウンターに座った。
ギネスを一杯注文した。
一人でくる時は基本的に料理は頼まずいつもビールだけにしている。
ぐびりと一口飲んでふうとため息をついた。
「お疲れですね。少し痩せられました?」
お姉さんが話しかけてきた。
いつも明るい店員さんである。
よく彼女の給仕の仕事の合間に世間話をするのだが、とても気さくな人で何でも屈託なく話をしてくれる。
僕は顔を上げて彼女の方を見た。
「そうですか?」
なんとなくぎくりとした。
「仕事忙しいですか?」
彼女は僕の仕事を知っている。
「いや...まあ仕事というかその,,,」
「プライベートですか(笑)」
思わず本音が出てしまった。
なんというかそのまま喋ってしまうのである。
不思議な人である。
僕は何を思ったのか彼女に事の次第をかいつまんで話すことにした。
まったくの第三者である彼女に僕の行動がいったいどう映るのか、率直な意見が聞きたかったのである。
時おりオーダーや他の仕事で別のお客さんの対応に入りながらも、閉店間際まで僕の話を聞いてくれていた。
「どうでしょう。僕は少し自信がないんです。自分の行動が世間的に見てどうなのか。どこか間違っている所がないか」
そんなことを聞いた。
「間違ってはないと思います」
彼女はそう言ってくれた。
「私もね実は昔...」
彼女は昔の話をしてくれた。
僕と近い境遇におかれた経験があったのだそうだ。
立場は違えど、僕らが経験したことは確かに近い種類のものであった。
「少し時間をおいた方がいいですね。今すぐに動かない方がいいと思います」
「そうですね...」
いろんな話ができた。
目を見れば心の闇を知っている人間とそうでない人間というのはわかる。
彼女は明らかに前者だった。
その話を最後にすると、
「それってあたし褒められてます?」
と笑ってくれた。
そうですと僕は答えた。
「また経過報告に来ますよ」
そう言って僕は店を後にした。
まだ続くのである。
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by itr-y
| 2008-10-24 00:59
| 日常