2008年 12月 08日
方形のバカンス |
今朝起きてから朝食をとっていたら、急に両側の頬がきゅーんと酸っぱいものを食べているような感じで痛み始めた。
朝おきたばかりだから体のあちこちが硬いんだろうとかそんな風に考えていた。
朝食のシリアルの中のドライフルーツもけっこう酸っぱいものが多かったし、それに反応してキューンとなってしまったんだろうと思ってそのまま食べ続けたのだけれど、しばらくしても痛みがひかず逆にどんどん痛くなってきたので頬を触ってみた。
するとなんてことだ頬の下がぽこんと腫れてしまっているのである。
慌てて鏡を持ってきて自分の顔を見てみると知らない人がこっちを見ていた。
「誰?」
思わずそう言ってしまった.....というのはもちろん冗談だが、何だか本当に別の人みたいな自分がこっちを見ていたので笑ってしまった。
しばらく自分の親戚みたいな自分を見つつ原因を考えていたのだけれど、どうもこの間受けたインフルエンザの予防接種が原因なのではないかと思い始めた。
見た所耳の下のリンパ節「耳下腺」の腫れのようである。
インフルエンザの予防接種の副作用でリンパが腫れる事があるというのは聞いていたので、たぶんそれだろうと思ったのだが、ネットで調べてみると腫れが2センチ以上になったら病院で診てもらうようにとあったので行ってみる事にした。
そこは昔から行っている病院なのだが、行ってみるといつも柔らかい笑顔の女医先生は僕の腫れた頬を見て「あああ...」と机の上に斜めになってしまった。
診断はというと「おたふく風邪」だそうだ。
通常子供がひく風邪なんだけれど、僕は小さい頃からおたふくにだけはかかった事がなかった。それで免疫がなかったらしい。
おたふく風邪の潜伏期間はおよそ1週間から2週間。おおよそ何が原因かは検討はついているのだが、まさかその結果がおたふく風邪とは思わなかった。
おたふく風邪は正式名称「流行性耳下腺炎」。
ムンプスウィルスというウイルスの感染によって引き起こされるのだそうである。
一度感染して治ると一生有効な免疫が体の中に出来上がるらしく、あまり成人で感染する人は少ないのだそうである。
もしも悪くなった場合、目眩や髄膜炎などを発症することもあるらしく、難聴や男性の場合不妊症もあるらしい。
もっとも難聴は15000人に一人らしくそれほど頻度は高くないそうだ。
せっかくインフルエンザにかからないようにと予防接種まで受けたというのに、まったく別のものにかかってしまったのではまったく本末転倒というかなんというか。休まないために受けたのになあ。
もしも目眩や吐き気をもよおしたらすぐに言って下さいねと先生はいつものふんわりとした優しい笑顔で言ってくれた。
おたふく風邪は5類感染症定点把握疾患指定の疾患で、学校だとしばらく登校してはいけないのだけれど、今回は僕も1週間の自宅静養を命じられた。
絶対出ちゃいけないわけではないのだけれど、まあでもいい機会だと思って休ませていただく事にした。
職場に電話し、また5日後検査をしてから連絡しますと言っておいた。
...と、そんなわけで今、予期しない突然の休日となってしまっている。
正直、色々とやらなくちゃいけないが沢山あったのでとても助かった。
ド忙しいこの時期に仕事を休んでしまって職場の人には大変申し訳ないのだが、まあこっちには医師の診断書があるので一応免罪符はあるのである。
家に帰宅し、さて何しようかと思ってとりあえず洗濯物を畳み、買い出しにでも出かけようかと思っていたら突然睡魔に襲われた。
少しだけ仮眠しようと外出用のコートを着たまま床に寝転んだらそのまま寝入ってしまった。
小一時間ほど眠ってもまだ眠く、体が冷えてきたのでコートやジーンズを脱ぎ下着だけになってベッドに潜り込んだ。
それから本格的に眠り込んでしまい、結局8日の17時から9日の6時まで13時間近く寝込んでしまった。
体が疲れていたのだろうか。
体にこんなに自然にスイッチを切られたのは久しぶりである。
特に熱もなくだるくもないのでいいのだけれど、体の方はきちんと病気対策モードに入っているようである。
しかしそれにしてもここ数ヶ月の間、親知らず抜いたり顔面に怪我したり風邪ひいたりと、本当にもう満身創痍な感がある。
おとなしくしてなさいねという事なんだろうか。
う〜ん。
まあおかげでしばらく音楽と読書とお勉強という、本来僕がいそしむべき業務に没頭できるというわけである。
まるでポーの小説に出てくるオーギュスト・デュパンみたいにカーテンを閉め切って夜は蝋燭を灯そう。
薄暗い中で思索と瞑想に耽るのだ。
そしてまた七日後の朝、僕はまた新しい世界を見るだろう。
Have Mercy!!
soundscape
by itr-y
| 2008-12-08 06:36
| 日常