2009年 01月 03日
星屑のオレたち |
新年あけて久々に仲間内で集まった。
特になんの理由もなくいつの間にか年越しには誰かの家に集まって年越しをして、そんでもって正月休みにはふらりとあてもなくドライブに行くという非常にお手軽簡単なコースが毎年恒例になりつつある。
海外旅行に行くお金なんてないし、かといって初詣だとか人ごみの中に行くのも嫌だし。
いつだったか大晦日にボウリングに行ったこともあったのだが、僕が勝負に負けてしまい、やたらと騒がしい雰囲気の中でぐわわわと不機嫌になっていってしまってからというもの、あんまりそういった騒がしい所には行かなくなった。
なんだか気を使わせてしまっているようだけれど、休みの日ぐらいはせめてなるべく人のいない所でただもうひたすらぼーっとしていたいというのが僕の本音である。
昼頃にみんなでふらりと近所の公園に集まって、人の凧揚げを見ながらぼんやりしていた。
不況のせいか海辺の公園には人が多かった。
みんな今年はどこにも行かず家でのんびりする方針のようだ。
非常にいいことである。
ただあの広い公園がこうも人だらけになると、こんなに近所に人がいたのかと感心してしまう。
増えたなあ。人。
ようやくその日集まれる4人が集ったので、その足で九十九里まで行くことにした。
特に行くあてもないときは九十九里浜に限る。
車だと近いし、小一時間ほどで着く。
わがオンボロミドリムシで男4人が果たして九十九里までたどり着けるのか、多少不安でもあったけれど、普通になんの支障もなく目的地まで到着できた。
やればできるもんである。
ただちょっとエンジン音が苦しそうではあったけれど。
4人のうち2人はカメラマンで、一人は一眼レフを持ってきていた。
みんなみんなカメラ好きなのだが、オンボロを維持しなくてはいけない僕は一人だけ電池のフタが壊れたコンデジであった。
「itrも一眼買うといいよ」
なんて言われたけれど、こっちはとてもじゃないがカメラまで手が回らない。
でも人のデジタル一眼レフをいじっていたら欲しくなってしまった。
やっぱりいいカメラはいいなあ。
何かと暗い話題が多かった去年だったけれど、僕らの周りにも何かと暗い話が多かったような気がする。
もっともなんでも捉え方しだいなんだろうが、自分自身のことも含めてなんとなく色彩が色褪せている時代にさしかかっているのだなあと強く感じた。
それでもスタジオ勤めの写真家Y氏が、自分のお師匠さんの言葉を教えてくれたのが強く励みになった。
「野望を持つこと。そしてそのために中間地点となる目標を決め一つ一つを実行してゆくこと」
有言実行の彼のお師匠さんはその言葉通りに歩んでおり、今でもまだその野望を追い続けている。
そこで僕らは一人一人、野望をあげてゆくことにした。
ここ一年の間、どっぷりとやる気のない職場の空気に浸かっていたので、彼らとなんの気負いも衒いもなく正直な話をできたのがうれしかった。
「失われた世代」と言われた僕らの年代は就職氷河期のまっただ中に生き、バブルの引き波をもろにかぶった世代でもあった。
僕の育った地域では周りに多くの優秀なクラスメイト達がいて、みんなそれぞれ有名な大学に進学したりしていたのだけれど、その人たちの多くがその通りエリートになれたかというとそれがそうでもなかった。
時代が変わっていった時代だった。
僕はその間、そんな社会の現状とはまったく無関係な生活を送っていたのだけれど、ある意味それはそれで幸せだったのではないんだろうかと思う。
そして閉店間際のコーヒーショップの中で、僕は彼らに会えたことに改めて感謝した。
どれだけ迷ったしても、どれだけ悩んだとしても、僕らには信じるべき夢があり進むべき道がある。
時々疲れたら休めばいい。
そしてまた歩きたくなったら歩けばいい。
僕らは一人であり、一人ではないのだから。
soundscape
by itr-y
| 2009-01-03 22:43
| 日常