2009年 04月 24日
HOPE |
憂鬱な毎日から抜け出したいと、震える膝を押し殺して踏み出した。
少しでも心が震えて、それがなにかあたらしい物語になるのなら、それはそれでとてもすばらしいことだと思った。
実際にとてもすばらしいこともあったし、惨めさに打ちのめされてしまうこともあったりした。
その都度その結果得たものがなんだったのか、そんなことを考えたりもしたけれど、失ったものばかりが頭をよぎった。
いくつかの後悔と過ちと憤り。
その渦に飲み込まれて怒りや憎しみに狂う時もあれば、暗い部屋の隅で悲しみに暮れる時もある。
私には呼びかける愛犬がいない。
私の猫は道の真ん中で頭を踏みつぶされて死んだ。
飛び出た眼球が睨みつけるものは私が睨みつけていたものとは違うが、そのかつて光が宿っていた固まりは、いくつもの歴史や時間や、その中の物語を一瞬のうちに否定する。
「見よ、おまえが生きる場所は短い希望を吸い込み、つかの間漂って消えるのだ」と。
soundscape
by itr-y
| 2009-04-24 00:13
| 日常