2010年 09月 27日
安息の地 |
部屋探しは続く。
ここ数年の間、ベルリンでは地価が高騰してしたらしく、以前のように安く借りて安く住めるというような状況ではなくなったそうで、国外の不動産屋などに買いあさられたらしい。
日本人のコミュニティサイトなどでもアパートの又貸し(こっちでは合法)をしている人も数多くいるのだけれど、その人たちももとの家賃に手数料を上乗せしていたりするので、なんだかなあと思ってしまう。こっちもあれこれと物件探しをしているうちに相場に詳しくなってきつつあるので、日本人のコミュで高く貸そうとしている人を見るにつけ、なんとも複雑な気分になる。
たしかに外人から借りるのは色々と手間なので,貸す方としては多少の手間賃ぐらいは欲しいところだけれど、本業でもないことでお金を稼ぐのに嫌悪感を覚えてしまうのは僕が日本人だからなのだろうか。
こういう所は僕はやけに古くさい男なのだ。
今日も一件、部屋を見学してきたのだけれど不動産屋ももちろんドイツ語で,見学者もドイツ語で話しているからさっぱり話が分からなかった。
日常会話ならまだ断片的にわかるものの、契約の話となるともうチンプンカンプンである。それでもなんとかわかる単語を拾ってみる。知らず眉間にしわが寄っている。
ようやく他の見学者との話を終えた不動産屋を捕まえ、月々の家賃と契約にあたって何が必要か教えてくれと言った。すると「メールをしてくれ、そしたら返事をするから」と言われた。
嘘だな。
と僕は思った。彼らは返事なんてしない。メールを送った所で返事なんかよこしやしないのである。体よく外人を追い払う方法なのだ。僕は何となくそれを察知したのだけれど,ここはおとなしく引き下がることにした。こちとら時間は山ほどある。返事がなければ後は不動産屋に直接乗り込むだけである。
もうあまり時間がないのでこの方法でなるべく多くの不動産に殴り込みをかけようと思っている。今,こっちでは新学期がはじまる前で、たくさんの人が部屋を探している。今日部屋に見学に来た人数だけでも20人は下らなかった。となると20件は申し込んでおかないといけない計算だ。それほど競争率が高いのである。
今、同居している人に訊いたらこの後、冬にかけて徐々に価格も落ち着いてくるらしい。まったく、飛行機のチケットといい家といい、難儀な季節に来てしまったもんだ。つくづく自分の間の悪さがイヤになる。
ところで今日はWilcoがコンサートをするということで密かに楽しみにしていたのだけれど、避難場所への引っ越しだとか物件探しだとかで奔走していたらいつのまにかチケットが売り切れてしまっていた。なんてこった。遊ぶことよりも家探しの方が先なのでチケットを買うのは後回しだなんて考えていたのだけれど、間違いだった。ライブの方を先にすれば良かった。くそう。
まあでもしょうがないか。今Wilcoのライブなんか見てもたぶん大して元気づけてもらえないような気がする。だいいちそんな音楽じゃない。
また住処が変わってドタバタしていたらいつの間にか洗濯物が増えて、着るものがなくなってしまった。そんなわけで今ノーパンでこれを書いている。だれも僕がノーパンだと言うことを知らないわけだ。ふっふっふ。
でもひょっとしたら今僕の向かいに座って難しそうな顔をして新聞を読んでいるおじさんもひょっとしたらノーパンかもしれない。あんなに真面目そうな顔してなんという。あっ!なんか待ち合わせの人が来た。またおじさんだ!立ち上がって握手をして笑い合う二人。そう二人ともノーパン。きっとそうさ。なにやら親しげに話をする二人。外はもう暗くなっていて、二人はカウンターにビールを注文しに立ち上がる。そうここはノーパンカフェ。
疲れてるみたいだ。
soundscape
by itr-y
| 2010-09-27 01:46
| ベルリン