2006年 08月 13日
南西の風 |
久しぶりにギターを持って高州の公園まで行った。
お盆に入ったばかりということもあり、海岸では田舎に帰らない人達がのんびりとくつろいでいた。
いつも思うんだけど、何で海岸に来てわざわざバーベキューをするのかがよくわからない。
野外に出たらバーベキュー。
キャンプに行ったらバーベキュー。
休日と言えばバーベキュー。
僕もあなたもバーベキュー。
一式持っていくのが面倒じゃないのだろうか。豪勢な弁当かなにか持っていけばいいのに。
このクソ暑い中、安手のコンロと質の悪い木炭でもうもうとやられるとこっちまでおかしくなりそうだ。
少し離れた所に避難し、いつもパラグライダーでサンドバギーをやっているおじさんのいる辺りに行ってみる。
今日は風がないので、おじさんは少し暇そうに凧を揚げて風の様子を見ていた。
少し離れた所には、トロンボーン吹きのお兄ちゃんがボウボウと練習をしていた。
「ここで弾いてもかまわないですか」と訊くと、
「ああ、全然かまわないよ」と笑って答えてくれた。
もう何度も会っているのだけれど、おじさんと言葉を交わすのはこれが初めてだった。
「向こうの方じゃ酔っぱらいとかがうるさいだろう。いくらでも弾いていいよ、ここなら誰の迷惑になる訳でもないし。」
とはいっても、一応声をかけるのが礼儀である。
どっかと腰を下ろし、買って来た缶コーヒーを開けて一息に飲む。
日差しは強いが、南西の乾いた風が吹いていてとても気持ちがいい。
オープンチューニングにして、適当に即興演奏をする。
大体ここに来るとこんな当たり障りのない曲を弾いてしまう。
みんな通りすがりに聴いているだけだけど、なんとなく外でやるとまわりを意識してしまうのである。
とてもじゃないが歌なんて唄えない。
時折休憩し、おじさんと話をした。
訊くとおじさんは葛西の人で、浦安の人ではないらしい。
「ここはいい所だよねえ。雰囲気がいい。日本っぽくないよねえ。」
日焼けした顔に満面の笑みを浮かべながらおじさんは笑った。
話していると軽トラのかき氷屋が
「天気予報。雷来るってよオ」
と拡声器でおじさんに声をかけて来た。
どうもみんな顔なじみらしい。
おじさんが
「何時頃オ!?」
と訊くと
「夕方アア!」
と応えた。
しばらく弾いているうちに弦が切れたので、おじさんに挨拶して帰ることにした。
結局、昨日のような激しい夕立はこなかった。
by itr-y
| 2006-08-13 23:25
| 街