2006年 11月 08日
Key to the Highway |
ライブに行ってきた。
観る方ではなく出る方である。
下北沢の小さなライブハウスだ。
アコースティックがメインのハコで、ブルース好きのマスターがやっている渋い雰囲気のライブハウスである。
小さなライブハウスなのでそれほど沢山の客は入らない。
20人ぐらいで満員になるはずだ。
本当に小さい。
結局その日は、僕は誰一人として知り合いを呼ぶ事はなく一人でこっそりと行ってくる事にした。
なにぶんそこでやるのは初めてだったし、知り合いを読んで仲間内でなあなあに楽しむのもなんか違うと思ったからである。
ないしょのライブだった。
下北の街に少し早く着いて、とりあえずやる事もなく行くところも無いのでライブハウスに行ってみる。
入るともうすでに共演者の人が来ていた。
Yさんというその人は予定表にloachとあった人だった。
飄々とした風貌のなんともいい感じのお兄さんである。
とりあえず挨拶をして早速リハに入る。
loachさんの曲はデルタブルースがベースのオリジナルソングが中心で、イナたいギターフレーズに独特の詩が乗っかり、渋い雰囲気を作り出していた。
そのうちに続々と他の人も来てそれぞれ三々五々リハを終える。
僕とloachさんはここでやるのは初めてだったので何となく居場所がなく、二人であれこれ音楽の話をして時間をつぶしていた。
開演までまだ少し時間があるのでちょっと外に出てフラフラと下北の街を歩いた。
本当は作ってきていたしょぼいチラシを配るべく外に出て行ったのだが、あんまり誰も受け取ってくれないので、しょんぼりして帰った。
戻ってみるともうすでに一番手のloachさんのアクトが始まっていた。
カウンターに腰かけ、後ろの方からぼんやりと見ていた。
数曲やったあと僕の番になる。
誰かのお客さんなんだろうか。店の中はまばらに人が入っていてぼんやりと見ていた。
なんの前置きもなくとりあえずブルースを一曲弾いて感触を確かめる。
「Key to the Highway」
この曲実を言うとあんまり良く知らないのだが、とりあえずそれっぽくやってみることにした。
自己紹介の後オリジナルをやってゆく。
みんなきちんとお金を払って見にきているので、きちんと演奏を聴いてくれているのがよくわかる。
それがなんだかしみじみと嬉しかった。
リラックスした店の雰囲気のおかげだろうか。
所々間違えつつも、おおきな失敗をやらかすような事もなく無事に演奏は終わった。
その後もほとんど全員がブルース好きという濃いラインナップが続き、最後の方では僕はもう当分ブルースとかいいやと思ってしまった。
それまではライブで共演者の人の演奏に聴き入るというような事は一度もなかったのだけれど、この日集まった人達はみんな個性的で強烈なキャラクターを持っていた。
やっぱり東京でなくちゃダメだなあと僕は思った。
その後、ブルースマンの秘蔵映像などを肴にみんなであれこれと話をし、濃厚な夜は更けていったのだった。
by itr-y
| 2006-11-08 18:40
| 音楽