2006年 11月 19日
やりすぎオサム君 |
寒い寒い雨の日曜日。
家から一歩も外に出ることなく、こそこそと作業に没頭していた。
この間、秋葉原で買ってきた電子パーツを使って新しいギターエフェクターを作ろうと思ったのである。
作るものはリットーミュージックから出ている「土日で作るオリジナルエフェクター」という本に出ているギターエフェクター「Vintage One」だ。
本自体はけっこう前から持っていたのでいくつか作ってみたものもあるのだが、これはまだ作っていなかった。
僕がエフェクターを作るようになったのはこの本がきっかけである。
今気づいたのだけれど、タイトル通り土日で作っている自分に気づいた。
わりと僕はマニュアルには従う男である。
安くあげる為にいろんなところのパーツを代用しているのだが、このケースも実は100円ショップで買ってきたものである。
しかし安物のケースなんて使うもんじゃない。
加工するとき、金属が薄いので穴のまわりがビラビラに波打ってしまいやりづらいことこの上なかった。
多少高くてもケースはケチらない方がいい。
その方が作り上げたときにありがたみが湧く。
こつこつとパーツを取り付け、ラグ板に部品をハンダ付けして行く。
Vintage Oneはその名の通りビンテージな音を目指してトランジスターにもビンテージものが使われている。
本来ならば2sc696という品番のものが指定されていたのだが、指定パーツ屋であるシオヤ無線に無かったので、かわりに 2sc1861というやつにした。
こつこつと作業を続け、夜になってようやく完成した。
中のラグ板や、電池ケースの固定の為のネジが出ていてなんだか顔みたいにも見える。
命名「オサム君」
早速ギターアンプに通して音だしをしてみる。
「ギャーン!!!!!!!」
おお。きちんと歪んでいる。
ただ何と言うか...
増幅感がありすぎて高音域の音が伸びない。
一定以下の音量に対してアンプがまったく反応せず、強く弾いた時にだけ音が出てくる。
ピッキングのニュアンスもへったくれも無し。
これはやり過ぎだ。
この手のブースターやオーバードライブなど歪みものをつくった時にはよくあることなのだが、ブーストされすぎて音の形が判然としなくなってしまうのである。
以前にもオリジナルのエフェクターを作って同じような症状になってしまった事がある。
音もギラギラしていてなんだか使いにくい。
こういう時ってどうすればいいんだろう。
ただ無表情に音を増幅し続ける融通の利かないオサム君を睨みつけながら、僕はしばらくギターを持ったまま考え込んでいた。
by itr-y
| 2006-11-19 22:00
| ギター