2007年 01月 12日
本読みに与ふる書 |
今日、何となくふらりと図書館に寄ってみたら、まだ読んでいない村上春樹の「東京奇譚集」が本棚にあったので借りて来た。
音楽好き、本読みのくせに、CDも本もあまり買わない僕は基本的に新刊を買うような事は無い。
そんなわけで、いつもいつも旬の時期が終わってからその作品を読んだりすることが多い。
でも現代作家はあんまり読まないのでそれでも困るような事は無い。
図書館で借りれば十分だ。
ひとつひとつ買っていると金と本棚がいくつあっても足りない。
もちろんそれでも欲しい本というのはあるけれど。
しかし買わなくても棚というのはいっぱいになるもので、借りてはきたものの、手をつけてもいない本が沢山あって、もうそろそろ読まなくてはならない。
読まずじまいで返してしまう本も沢山あるのでもったいないのだが、まだ読んでいない本が机の上にあるというのはひとつの安心感がある。
「まだこんなにある」という感じでなんだか満足してしまう。
この感じ、わかってもらえるだろうか。
無類の本好きで、本の雑誌の編集委員、目黒孝二氏も同じようなことを言っていたのをちょっと思い出した。
しかし、本には賞味期限というのがあって、一定の時間が経つともう腐ってしまうと僕は考えている。
もちろん賞味期限が切れるともう読みたくないのかというとそんな事はないのだが、なんというか、最初に興味を惹いたときの感じが薄れてしまうのである。
それを僕は賞味期限という風に言っている。
本の種類にもよるけれど、賞味期限はだいたい一週間から二週間で、それを過ぎるともうなんだかあまり手をつけたくなくなってしまう。
それを過ぎると今度は3ヶ月から半年くらい寝かせなくてはならない。
ひどい場合には何年もそのまま放置ということにもなってしまう。
だから図書館の貸し出し期限というのは、けっこう合理的な期限設定だと思う。
最初は短いよとか思っていたのだが、これはけっこう本好きの人が決めたんでは無いだろうか。
なかなかちょうどいい期間であると思う。
中には期限が迫ってしまい、けっこう駆け込みでいい加減に読み終えてしまう本も多いけれど、それでもやっぱり期限がついているのは僕みたいな怠惰な人間にはけっこう向いている。
机の上に並んでいる本を眺めながら、それだけで満足してしまうのもそれはそれで楽しいのだけれど。
もはや内容よりも文字に目を走らせていたいといった趣の僕の読書生活は、また新たな段階に入ろうとしているのかもしれない。
by itr-y
| 2007-01-12 18:10
| 本