あたらしい街
2018-07-10T00:49:36+09:00
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記録と記憶のあいだで
Excite Blog
B
http://sourroom.exblog.jp/26975657/
2018-07-10T00:43:00+09:00
2018-07-10T00:49:36+09:00
2018-07-10T00:43:40+09:00
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日常
キーポードの「B」に何かの液体をこぼしてしまったらしい。
Bを打とうとすると反応しなかったり、二回連続で打ち込まれたりしてしまう。つまり、「ブログ」と打とうとすると「うろぐ」になるし、反対に反応しすぎて「ッブログ」となってしまったりする状態だ。これが最近大きなストレスになっていて、何かを取り急ぎ調べたい時とかにBが入ってくると、何回か押し直す羽目になる。おとなしくAppleCareに入って置けばよかったと後悔した。
しかしまあブログって楽だなあと思う。SNS みたいに知人が見ることもない。職場の上司が見ていることもない。後からなんやかんや言われることもない。
そうだそう言えばあの上司、検閲じみたことやってたな。
「小物め」
ふと思い出して苦笑いする。
誰も知らない所で僕は箱庭を復活させようとしている。
5月からの生活はと言えば、僕は仕事を変わった。仕事だけじゃなくて会社も変わった。
給料もよくなったし、残業もなくなった。良いことづくめのように思われた。
でもしかし当然ながらそんないいことばかりではなく、僕は新しい職場で絶えず貧乏ゆすりをし、その場にいない部下の悪口を言うクチャラーの上司と、同じく自分の真後ろでくちゃくちゃと朝っぱらから口を開けてパンを喰う中国人エンジニアという、クチャラーに恵まれた環境で、Senheiser のイヤホンをライフラインにして新しい業務に取り組んでいた。口を開けて物を喰う人間が二人もいる職場で働くのは40手前にして初めてである。
しかしまあ自分を拾ってくれたのが他ならぬクチャラーの上司だったわけだから我慢するしかあるまい。
そんなこんなで毎日、昼になると天気のいい日は近くの公園へ逃亡する。
連日の暑さにも関わらず、毎日公園のベンチにはそれなりに人がいることに僕は驚いた。
無論、満席になることはないが、やはりどうもこのあたりでこれだけ緑の豊富なちょうどいいサイズの公園は貴重らしかった。
最近、中年太りの序章とでも言うべき体重の増加に伴い、僕は先月あたりから食生活の見直しと筋トレを再開した。
とは言っても、全盛期の三分の一くらいの分量の筋トレである。それほど苦ではなかった。
朝食から胃もたれとの原因になっていたシリアルもやめた。あれははっきりいって糖分の摂りすぎだったと今にして思う。
朝食はバナナ二本とキウイ一個、そしてミルクコーヒーだけだ。
これに加えて昼食はセロリとバナナ一本だけにした。
これはダイエットのためではなくて、新しい職場になってから睡魔に襲われることが多くなったからである。
始めこそ新しい職場が嬉しくていろんなところで外食をしまくっていたのだけれど、それまでの仕事と異なり、電話応対の数も少なく、言葉を発すると言うことが少ない。そうなるとどうなるかと言うと、てきめんに眠くなる。何を食べても眠くなるのでとうとうかけそば一杯すらもやめて水と野菜だけにしたと言うわけだ。
ちなみにりんごは腹の収まりは良いけれど血糖値が果糖で上がってしまうらしく、眠くなってしまう。
結局大丈夫だったのはバナナとセロリだけだった。
そんな感じで仕事の変わり目に自分がやっていたのは食事制限と筋トレだけということである。新しい仕事を覚えなければと思えば思うほど意識は空回りしていった。
それまでの職場に比べて人数は極端に少なくなった。そのこともどうもひとつのストレスになっていたようだ。
自分にとっての財産ってあと何があっただろう。
そんなことをずっと考えている。
帰宅して一通り家事をこなし夕食をすませると、僕はおもむろにキーボードを叩き始める。
文章を書かなくては。
もう一度。
少し回り道したけれど。
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Aim
http://sourroom.exblog.jp/20165060/
2013-12-30T01:22:06+09:00
2013-12-30T01:19:22+09:00
2013-12-30T01:19:22+09:00
itr-y
日常
元の状態に戻す期間というのがある。あれこれといろんなことに手を出しているが間にほったらかしにしてしまっていたことや、モノ、人間関係なんかを整理する。そんな時間がふっと年末に来るのはいい。少しいい酒を買ってきて机に向かってこれを書きつつ飲む。夜はゆっくり更けてゆく。
柔軟体操をするのとしないのとではずいぶんと体の調子が違う。股関節の柔らかさで年をとる方がずいぶんと違うという。実際、しばらくやっていなかった間は体がとても硬くなり気分も優れなかった。運動は本当に重要なのである。欲を言えばここに腕立て伏せと腹筋、背筋を入れたいのだけどフルセットこなすと結構時間がかかる。昔はよかったなあ、時間が山ほどあって。そんなことを思い出したりする。
古いカレンダーを下げて新しいものをもうかけてしまう。使い終わった卓上カレンダーを名刺サイズにカットしてメモカードを作る。こうしたちょっとしたことでもやるのとやらないのとでは充実度が結構違うもので、僕は一人で作ったカードをパラパラとやりながら悦に入っていた。昔からこういう工作とか内職仕事が好きなのだ。ようやく時間が出来てこういうことを好きにやれている。カードは忘れないように予定やToDoリストとして、アイディアや言葉のフレーズを書き込んでおくのに使う。振り返ってみるととてもじゃないけど自分で見るのも恥ずかしいようなセリフが書いてあったりするのもあるけれど、でもそう言うことをすることで見えて来るものがあったりもする。カードでアイディアや情報を管理するというのはなかなか便利なのである。というのも、書いた時点ではそれがどのジャンルに属するものかとか考えていないからだ。書き散らかしたものを後で時間がある時に整理するというのがたぶん自分的には一番向いているような気がする。
この2ヶ月の間にいろんなことがあったような気がするのだけれど、今ひとつ思い出せない。手帳を読み返せばいいのだが、それもめんどくさい。一番大きなことと言えばアコースティックギターを買ったことだろうか。10年くらいずっと探し続けていたギターである。とうとう買った。そんな感じだった。
ギターはEpiphoneのTexanである。Texanと言えばポールマッカートニーがYesterdayをレコーディングするのに使ったことで有名なモデルだ。でも個人的には別にポールが使っていたからとかではなくて、ギブソンのラウンドショルダーを探していたけれど、J-45はみんな使っているし値段も高いし、J-50だとナチュラルフィニッシュ(色のついてないニス)で個人的にはあんまり好みじゃない。やっぱりサンバーストじゃなきゃなあと思うと、選択肢としてTexanしか入って来ないのだ。Texanはブランドとしては一応Epiphoneなのだけど、その頃にはもうすでにギブソンに買収されていて、ほとんどの製品がKalamazooのギブソンの工場で作られている。Texanは65年くらいから69までの間にしか製造されていない。形状はラウンドショルダーなのだが、若干J-45などと比べるとネックが長く、スケールが長めにとられている。そのため同じチューニングでもテンションが高めになり、弦の張り具合が少しキツい。でも自分としては一音下げとかで使う機会が多いので、ロングスケールの方がいいと思ったのだ。
買ってからは時間の合間を見ては弾きまくった。念願のラウンドショルダーである。こいつでしか出せない音がある。まだ試してない曲もあるし、まあ当分退屈しそうにない。そう言った意味では一つの目標を達成したと言っていいのかもしれない。
結局、今年達成できなかった目標もあったけれど、全部来年に持ち越しになると思う。思いのほか時間がかかるものなのだ。もう少し、フラフラとよそ見をせずに、きちんと時間と目標とそれを達成する期限を設けて物事に取り組んでゆこうと、中学生みたいなことを今さら思ったりするのであった。
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琥珀
http://sourroom.exblog.jp/19921000/
2013-11-05T00:16:02+09:00
2013-11-05T00:13:20+09:00
2013-11-05T00:13:20+09:00
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釣り
ちょっと疲れた。でもひさしぶりに釣りをした。魚の引きも味わえた。十分だ。
朝からずっと雨続きでてっきり中止になるもんだと思っていたのに、釣行は中止にならなかった。誘ってくれた人は医者で、なおかつ高校の先輩である。偶然にも同じ高校の出身であることがわかったのはわりと後のことだった。
猪突猛進なタイプの人で、基本的にあまり人の話を聞かない。でもその反面人好きのするタイプで、好きになった人にはどんどんアプローチをして来るタイプだ。僕はしかし人付き合いが悪く、他人と過ごす時間が多いとストレスを感じてしまう。だからいくら好きな釣りであったとしてもそんなに進んで行くことはなかったのだけど、今回、なぜかふと行ってみたくなって一緒にボートに乗船させてもらうことにしたのだ。
船に乗っていつもの街から出ると言うのはなかなかふつうの人には出来ない経験である。僕はいつもは陸から見ている風景を、海面1mくらいのところから眺めて東京湾の風を胸の奥まで吸い込んだ。それだけで十分だった。釣果はイナダが一匹とサバが一尾、そしてシーバスが5本くらいだったろうか。狙っていたサワラは釣れなかったけれど十分だった。
帰ってからは洗濯洗濯だった。釣りに使った衣類を僕はすべて洗濯機につっこみ、雨にも関わらず肌着や靴下はおろか、ザックやレインコート、タックルバッグにいたるまですべて洗ってしまった。おかげですごくすっきりした。忙しかったけれど充実してたのではないだろうか。僕はそれなりに人付き合いをして見ようとしている。でもたぶん次の一ヶ月は引きこもることになる。
ああ、でもしかし秋山にも一度行っておきたいなと考えている。山の中で一人きりになりたい。山の中で一人になる感覚をまた味わいたいと思っている。脈打つ心臓の音と、風に揺れる葉ずれの音。人工の音がいっさいしないあの空間に行きたい。11月もあっという間に過ぎ去ってしまうだろう。人の世に関わらなくても、世界はけっこう忙しいのだ。
いろいろと気づくことが多い一年と少しだった。新しい仕事は自分と他者の違いを明確に意識させられることになるものだったし、軽く失望する反面、自分自身のことにも目が向くようになった。すこし他人の問題に足を突っ込みかけて引き返したりもした。危ないところだったと思う。僕は以前の恋人に感謝した。彼女がいなければ意識することはなかったかもしれない。自己に向き合わなければいけない。
図書館で借りる本、そして書店で購入する本が増えてきている。これもわりといい兆候だと思っている。本来、僕はそうあるべきだ。あいかわらずいろんなことを知っている人でいたい。じっさい、興味はあいかわらず前方向を向いている。ひとところにエネルギーが定まることはない。でも最近はそれでもいいかと思ったりもする。必要なときだけ集中すればいいや、と思う。
たくさんやるべきことがあるのだ。でも、それをきちんとやってから彼女に再び会いたいと思う。ありがとうの言葉は、琥珀に入れて眺めるものではないと思うから。
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過去の栄光
http://sourroom.exblog.jp/19571233/
2013-08-31T13:08:00+09:00
2013-08-31T15:02:19+09:00
2013-08-31T13:07:12+09:00
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日常
なんかほっておくとここもどんどん広告が貼られるようになってしまい非常に居心地が悪い。定期的に草むしりをしなくてはいけない。まあ、他人のサーバ間借りして無料でブログを置かせていただいているわけだから(以前はちょっとお金払ってた時期もあった)文句は言うまいと思うのだが、サラ金だとか派遣業だとか不動産とか、生臭い広告が増えるとやはりイヤなもんである。
というわけで、今現在ブログの引っ越しを考えている。
ここをやっている間にWEB上の世界もいろいろと変わってきて、どちらかと言うとやはりFaceBookがいまだにすごく便利で、しばらく会わないでいる友人とも簡単にやり取りが出来ている。でもしかしFBはあくまでもバーチャルツールで、「つながりはやんわりとキープしておきたいけれど、そんなにしょっちゅう連絡取り合いたくもない」程度の関係をプールしておくツールになっている。そこに、自分が興味ある記事だとか面白いと思ったことだとか出来事を貼って、段階事に自己紹介というか、こういうやつなんですアピールをする。そのうちうまの合わない人間はあまりコンタクトして来なくなり、自然にいつも連絡を取る人間が限られて来る。
こんな感じになってきているのだが、僕のFB上での実験は続く。この間は、日弁連が出した秘密保持法のパンフレットのリンクを貼った。社会的な記事は通常、どんな人もあまり出したがらない。原発の記事とかは「けしからーん」と言って貼る人が多いけれど、社会記事、世界情勢の記事とかはまれだ。僕はだいたいそこで「けしからーん!!」と言って世の中の人々の無関心さを嘆くのだが、当然のことながらそうした記事はだいたいレスポンスがない。目に入ったほうだって面白くないだろうなあというのはわかってはいるけれど、ついつい貼ってしまう。
こんな風に思われたい、という人間にとっては格好のイメージ造りツールなわけだが、僕にとってはありのままの自分を基本どこでもさらしてみましょう、というのが基本コンセプトとなっており、わりとどこでも自分の考えを書く。そうするとだいたい決まったところからしかレスがなくて、そこで初めて世の中の人々がどう思われるかをいつも気にして生きている意味を再確認するのだ。
しかしWEB上でここだけがあいかわらずの箱庭である。ここから実際に出会った人達もいるけれど、このブログだけはどことも関わりを持たず、あいかわらずふわふわと宙に浮いている。それでいいと思う。だからこそ広告という「現実」にはあまり入ってきて欲しくないのである。
現実の話ばかりしてしまった。「箱庭」なのに。
引っ越し先として考えているのはWORD PRESSである。これは将来的に自分でコードとか書けるようになればオープンソースだし、いろいろカスタマイズできて便利かなあと思ったからだ。ただ、IT関係の仕事がいつまで続くのか、あるいは続けるべきか考えていて、そのことでしばらく頭を悩ませる日々が続いている。もっとも、このブログ自体「なんか書いてる人がずっとぼんやり停滞しているブログ」であるわけで、まあ平常運転なわけだが、当人としては大変なのだ。WORD PRESSはオープンソースなので、基本的に情報漏洩の危険性も少ない。だいたい、みんながみんな職場で同じOSを使っているだなんて状態がもうそもそもおかしいのである。たぶん、そう遠くないうちにOSにも新時代が来るだろうと思う。MacとWindowsだけなんて種類が少なすぎると思う。そのうちチャンスが会ったらLINUXにも手を出してみたい。
スノーデン氏のCIA告発劇に端を発する情報セキュリティの問題は、いまやシリアの空爆でなんとかごまかそうという雰囲気になってきているが、アメリカと言う国はもう本当に『悪の帝国』になりつつある。いやはや、連日ニュースを見て気が重くなるばかりだ。こういう風に、自分の関係のないことを気にするのはやっぱり自分の方の現実から逃げたいだけなんだろうなあ、という自分自身の魂胆も時々透けて見えてしまうのである。
それでもしかし要らないプリンタを売り払ったり、モニターを処分したり、携帯電話のキャリアを変えたりとか、それなりに自分の仕事はやっていた。一つ一つにとても体力がいるのだ。携帯を買えたのは正解だったと思う。特に自宅用のWiFiのキューブを借りられたのはよかった。おかげで自室でもiPhoneでストリーム配信のラジオが聴きやすくなった。生活が改善していくというのはいい。懸案だったドアクローザも替えて、扉がギイギイいわなくなった。こんなことでもストレスは減ってゆく。
それでもやらなければいけないことは増えてゆく。少しずつ乾いてゆく風だけが味方なのである。
そうそう、ものすごくしばらくぶりに音楽ネタだけれども、Dr,Johnの新譜「Locked Down」は最高だった。御年もう72才だったはずだけど、あのグルーヴ感はやはりすばらしい。ロック好きのみならずブルース、スワンプ好きなら絶対に聴いた方がいい。どことなく日本の民謡っぽくもあり、クールでダーティなおとぎ話のような雰囲気もある。孫ぐらい年の離れたDan Auerbach(The Black Keys)とのコラボ作品。たぶんこれはDr,Johnの最高傑作になるのではないかと思う。リンクを張ったのでご興味ある方はぜひ聴いてみて頂きたい。
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夏期定期リブート
http://sourroom.exblog.jp/19460682/
2013-08-13T17:46:07+09:00
2013-08-13T17:44:54+09:00
2013-08-13T17:44:54+09:00
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日常
とうとうダウンした。夏風邪だ。夜勤の最中なんだか妙にさっきからマイナス思考だなと思って、いろいろ可能性を考えてみたのだが、どうも体調が悪いようである。よくよく考えたら2日連続で飲みに行って、きちんと晩ご飯も食べず、翌日早起きして仕事の面接を受けに行き、そしてそのまま夜勤に突入していたのだ。折しも列島はすさまじい暑さ。そして職場とのすさまじい気温差。
職場にいると太ももや尻のあたりから冷えが襲ってくる。特に明け方はひどい。年中、季節を問わずヒートテックを着るようにはしていたけれど、それでも寒かった。完全にいろんな条件が重なり、僕は倒れた。そんなわけで今日はお休みすることにした。何気にこの職場での初の体調不良でのお休みとなる。職場に電話すると当直のリーダーはイヤそうな声を出し、「まあひとまずは承ります」と言った。たしかにシフト表をみると人数は少ない。まあでもなんとかしてくれよ。大した仕事じゃないんだからさ。彼は妙に「オレがやらなきゃ誰がやる」系の人間で、「誰かが日勤で来れない=自分が居残ってその穴をカバーする」という風に思考回路が働くらしい。
別にそんなもんだれもアンタに頼んでないし、いやならとっとと帰ればよろしいと思うのだが、日本人の恐ろしいところはここで「自分がやらなきゃ」と思ってしまうタイプの人間がたまにいるところだ。僕自身、わりと例外でもないのだが、時々この人の行動には少し寒気がする。まあでもこっちは休むことを決めているのでもうとくに遠慮などしない。すみませーん、とわざとらしく言うと僕は携帯を放り投げた。
しかしまあ、きのう一日、今日一日寝続けていると頭も痛くなって来るもんだ。胃腸の具合がよろしくなく、熱はないもののおなかがなんだかずっとぐるぐる言い続けている。この暑さの中、冷房もつけずに部屋の中にいるのだけれど特に苦痛を感じない。むしろ冷房がキツい。コーヒーとトーストを食べるとようやく体に力が戻って、PCに向かえるくらいまでになった。
少し元気になると僕は通販で届いた三つのアイテムを各部署に設置する業務を始めた。
一つは壊れていた壁掛け時計のムーブメント(時計の機械部分)の交換。二つ目は隣の母が寝ている部屋のエアコンのフィルター交換。これは霧ヶ峰系のエアコンに搭載されている空気フィルターで、普通のフィルターの上におまけ程度に乗っかっているものだ。こういう小さなパーツをきちんと交換しなければ気が済まないたちなので、わざわざヨドバシドットコムで見つけて買ったのだ。薄っぺらいうえに細長いフィルターは、アマゾンも真っ青の座布団二枚分くらいが入るのではないかと思うような箱に入って送られてきた。三つ目はドアクローザだ。ドアの上についていて、自動的に扉を閉めてくれるあれである。リョービのドアマンなる室内用のドアクローザを買ったのだけれど、唯一これだけがサイズが合わず、交換できなかった。まあ、懸案事項のうち、2つまでがクリアできたので良しとしよう。
そんなこんなで数日出かけてばかりで、しばらく家のことにかまっていなかったら、ベランダに置いてあるバジルの鉢が完全にしおれきっていてもうひん死の状態だった。あわてて水をあげたのだけれど、生き返ってくれるかどうかはわからない。反対側の枝豆の鉢も、水不足で下の方がやられていてこれにも急いで水をあげた。人間も植物もほんのちょっとのことで調子を崩してしまうのである。
IT業界では「定期リブート」という言葉がある。サーバコンピュータなど、大きめのものや作業用端末など普通のPCなどで行う、電源をいったん落とす作業だ。いったんスイッチを切って、また入れ直す。このことによって、ずーっと電源を入れ続けていることによるトラブルの数を減らすのである。コンピュータにもこういう作業が必要なのだから、人間だってたまにはリブートしてあげなければいけないのだろうなと思う。コンピュータというのは、実は僕らが思っている以上に生き物っぽいのである。人間が四六時中見守っていてあげなきゃいけないくらいに。
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杉林
http://sourroom.exblog.jp/19325116/
2013-07-24T00:27:47+09:00
2013-07-24T00:26:27+09:00
2013-07-24T00:26:27+09:00
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釣り
また徳島に行ってきた。もう父の実家でもなんでもないのだが、何となく気になって。あとは3連休がとれたのでちょっと行ってみようと思ったのだ。短い夏休みである。夜行バスで出かけて夜行バスで帰り、その日にTOEICのテストを受け、そのまま夜勤に突入するというなかなかの強行スケジュールだった。でもそんな日程もなんとかこなし、すこしホッとしている。
徳島にいる間、僕はいろんな人に会い話を聴いた。だいたい自分が想像していた通りのことが村では起こっていた。そして問題はちゅうぶらりんになっていた。そんな気はしていた。
今回はわりと時間があったのでずっと釣りばっかりしていた気がするけれど、川は正直言ってあまりいい状態ではなかった。源流部分であるにも関わらず、水底の石には泥がかぶっており、源流部分でも釣れるのはハヤばかりだった。辛い釣りだった。竿を出していてあまりいい気分がしない。荒れているのがわかる。都会からの移住者はきれいだきれいだと言ってくれるけれど、僕には川が最悪の状態であることがわかった。放置された杉林の土壌表面から土砂が流出していた。密集しすぎて下草が生えないからだ。倒れた杉が川にもたれかかっており、川の中を進むと足下で土が舞い上がった。僕は少し首を上げるとため息をつき、もうそれ以上進むことをやめた。
午前中はそのくらいにしておいて、それから知り合いの人と車で近くの川を釣り上って行った。程度の差こそあれ、どこの川も似たような状態だった。
その晩はその知人宅に泊めていただいた。Cさん一家はとても見晴らしのいい山の中腹に住んでいた。以前から訪ねてみたかったのだ。着いた時点で僕はもうけっこうへとへとになっていた。なんせ夜行バスで来て、最初はテント泊で、翌日から釣りをするために歩き回り、その晩はまたとある家で飲み会があったのだ。畳の部屋にしかれた布団に横になると、僕はがっつりと眠った。
C一家の暮らしはとてもオーガニックな感じである。といっても、よくあるようなおしゃれ系ではなく、無理のない自然な雰囲気の暮らしである。外に出るととても気持ちがいい。山々が遠くまでよく見渡せた。そしてその向こうには佐那河内の風車も見えた。いろんな話を聴いた。問題はやはりたくさんあるようだった。
帰りの夜行バスで僕はいろいろと考えていた。なんとなく軸がぶれているような気がする。これは他人の問題で、僕は自分の未来のことを考えなくてはいけないのではないか、と。そうなのはわかっていた。ただ、他のことを少し垣間見ることによって、自分の立ち位置というものが見えて来るような気がしたのだ。僕はたぶんヘタクソでもギターを持って歌を唄うべきだと思った。勉強もするべきだ。語学でもネットワークでも、電気でも。たぶんすべてが必要になってくる。大丈夫だ。ぶれてない。そう言い聞かせる。
「エゴ」という言葉について良く考えるようになった。「何かをしたい」が「何かをしてあげたい」になると、とたんにそれはエゴになるらしい。それがどれだけ世のため人のためになると言っても、何かを「してあげたい」という時点でそれはエゴになるのかもしれない。でも、そんなことをいったら何も出来なくなるではないか、と僕は思うのだが、「エゴ」になることを、あるいはそう取られることを人が避け続けた結果、今のこの川の状況も含めて、とりかえしのつかないことが多々起こっているよううに思えてならない。僕は自分がうだつが上がらないくせにとかく「何かをしてあげたい」になりやすい。本当のことを言うと「何かをしてあげたい」をよそおって「何かから逃げよう」としていたんだろうなと思う。
そんな僕でも30を過ぎた大人になったわけだが、ようやくそのことに気づき時々バランスを崩しつつも、なんとか持ちこたえている。落ち着かない川というのはなんとも罪なものだ。僕はあの山が好きにはなれない。好きな川にするためにはたぶんあと100年かかるだろう。
自分のことをしよう。
エゴが発端で動き出した僕は、世の中で健全とされている結論にたどりつく。でも、心のどこかでなんとかしなくちゃ、と思っている。学ばなければいけない。そうしないといけない。だから帰りのバスで僕は目覚めることはなかった。
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膝枕
http://sourroom.exblog.jp/19255132/
2013-07-13T01:26:22+09:00
2013-07-13T01:26:06+09:00
2013-07-13T01:26:06+09:00
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日常
連日暑い。職場は空調の効いた年中同じ室温のオフィスなのでそれほど苦痛には感じないが、それでも通勤の間だけでも堪えるものがある。昔は暑い中倉庫作業とかガテンなバイトもやっていたけれど、こんな気温の中、今あのバイトをやったら倒れてしまうだろうなと思う。
先日のデモは少しげんなりした。日曜日に大きなデモを控えていたからこそあそこに集まった人も少なかったのかもしれないが、いわゆるプロ市民的な古き良き左よりの年配の方々がフォークギターに合わせてヘタクソな歌声を上げながら歌を唄っていた。自分が到着したのが少し遅すぎたというのもあるのかもしれない。なんたって着く頃には終了時刻の20時になっていたわけだから仕方がない。
しかたなく僕は少し歩き、有楽町へ飲みに行った。しかし、時すでに遅し。金曜の有楽町はすさまじい人出でどこの店にも入れなかった。こんだけサラリーマンがいるならそのうち何人かがデモに参加してくれてもいいのにな、と思っていたこともあったけど、せっかく仕事の終わった金曜日にデモに行こうなんて人はあんまりいないだろうなあ、と思う。しかたなく、某カフェテリア兼バーの大手チェーンに入り、ジョッキを二杯飲み、亜硝酸ナトリウムと塩の味がするミニチュアみたいなソーセージを頬張るとさっさと家に帰った。またもたもたするクセが復活しつつある。
忙しい忙しいと言いながら時間を無駄にしている。むしろ何もしていない。『いそがしくて本当はいろいろとやることがあるのに何もしていない状態』というのに誰か名前をつけてくれないだろうか。流行りそうな名前がいい。カタカナ3文字くらいの。
カツオのたたきをひさしぶりに買う。一本まるまる買って刺身にし、平皿にタマネギをスライスして氷水にさらしたものを敷き、みょうがと分葱を刻んでポン酢をかける。おかずはそれだけだ。一人メシの時はこれと乾燥わかめと液みそを使ってみそ汁を作るのだが、味噌がなかったので白だしでお吸い物にした。そして野菜庫の奥に突っ込んでおいたよなよなエールを取り出してプルタブを引く。最近ではどのビールもあまり美味しくないと感じるようになってしまったけれど、このよなよなエールだけはあいかわらずいつでも飲んでいる。濃いビールが好きなんだろうか。きちんとうまみが出ていないと本当に飲んでいられない。最近では高級を売りにしているヱビスですら美味しくなくなってしまった。やっかいな舌になってしまったなあと思う。
カツオを食しながら新聞をパラパラとめくった。
参院選も21日に迫っているが、僕はもう投票をすませてしまった。新聞やニュースではあまり取り上げていないけれど、どう考えても原発の今後の問題がなによりも問題なのだ。なんでああやって情報操作するのか。最近ではもう絶対情報操作してるだろと、なんの証拠もなく決めつけている。先の衆院選の結果だって信用していない。票操作してるだろ、と思う。
カツオを完食してしまうと急に眠くなってしまった。抗いがたいほどの睡魔だった。ソファに横になると完全に動けなくなった。もうろうとする意識の中で僕は誰かに甘えたいなと思った。ああ、だれか膝枕して頭を撫でてくれないかな。ダメな僕を慰めてほしい。どうかお願いだから。風が止まり目を覚ました。フラフラと起き上がり、窓を閉め切り僕はエアコンのスイッチを入れた。
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デモの湯引き
http://sourroom.exblog.jp/19199756/
2013-07-06T15:30:58+09:00
2013-07-06T15:31:07+09:00
2013-07-06T15:31:07+09:00
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日常
しばらくぶりに金曜日のデモに行って来た。
しかし着くのが遅すぎて、着いた頃にはもう終了時刻の20時になってしまっていた。最近、時間どおりに目的地にたどり着けなくなって来ている。いかんな。
デモはしかしなんとも気勢のあがらないものだった。その感想を書くのはまた次回にしよう。
そんなこんなで梅雨は明ける。
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未来から来た男
http://sourroom.exblog.jp/19050705/
2013-06-25T03:20:11+09:00
2013-06-25T03:20:04+09:00
2013-06-25T03:20:04+09:00
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日常
ひさしぶりに気を失った。電車の中だった。ふだん電車になんか乗らないのだけれど、その日は友人の舞台を観に行った帰りだった。ビールを4杯ほど飲んで帰途についたのだが、あとちょっとで駅というところで気分があまり良くないことに気づき、「あ、マズいかもしれないな、これは」と思った次の瞬間には意識を失っていたらしい。「大丈夫か!オイ!!」というKの声がし、さっきまで自分の目の前に座っていたサラリーマンがおびえたような表情でこっちを見ていた。周囲の人間も何事かとこっちを見ていたのだと思う。気を失ってなおそんなことを肌で感じている自分もなんだが、気がついたら脇の下にうでをまわされ、ちょうど停車した駅に彼の手によって引きずり降ろされた。引きずり降ろされながら僕はサラリーマンとその周囲の人間に対して少し腹を立てていた。そこはおびえるところじゃないだろ、助けるんだよ具合が悪い人がいたら。
大丈夫だといいながら僕は意識がもうろうとしていた。自分がどこにいるのかもよくわからなかった。かつていた時間に強制的に戻されたような気もした。「ああ、またここからか...」と思っていたのだけれど、じゃあ自分はいったいどこから来たのだろう。自分の意識がどこから来ているのか、不思議だった。
僕は時刻表の足下に座り込み、背中をもたれながらただはあはあと息をしていた。息をするのもめんどくさかった。放浪写真家Kは自販機で水を買って来てくれ、僕の背中あたりにどばどばとかけ、残りをくれた。そして彼のタオルを水に浸して持って来てくれた。「すまないね」と言ってそれを受け取った。
どこかの未来から今日の夜に戻った僕は、なんだか少しすっきりとしていた。よくある話だが未来から来た人間は自分がどこから来たのかよく覚えていない。ただここじゃないどこかであるというのは確かなのだ。
Mの舞台はすばらしかった。ひさしぶりに滅多にあわない地元の友人たちが集まって、みんなで舞台を見た後、近くの適当な居酒屋で終電まで飲んだ。そういやあの場で一番飲んでたのは僕だけだったな。あまり酒を飲まない友人が多いのである。最近、それはとてもよいことなのではないかと思うのだだけれど、ビールだけであんなに酔っぱらってしまうとは思わなかった。前日にウイスキーを半分空けるくらいまで飲んでいたのもよくなかったのかもしれない。体も堪えていたのだろう。とりあえず夏の一発目はそんなかんじとなってしまった。
帰り道、Kと何を話したのかはよく憶えていないのだが、大したことは話してなかったように思う。僕はこれから始めなければならないことを考えていた。自転車だって直さなきゃいけないし、バイクも直さなきゃいけない。なによりも手紙を書かなければいけない人がたくさんいる。会いに行かなければならない人もたくさんいる。
僕はかつていた時間に戻って来たわけだが、何かをかつていた未来から変えることが出来るのだろうか、とふと考えた。もともとどこから来たのかよく覚えていないのだから、変えるもなにもないわけだけど、なにかが少しだけよくなればいいなと考えた。
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梅雨と富士山
http://sourroom.exblog.jp/19014743/
2013-06-20T01:45:30+09:00
2013-06-20T01:45:13+09:00
2013-06-20T01:45:13+09:00
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日常
エアコンのリモコンが壊れて新しい汎用のリモコンを購入した。それまで汎用のリモコンなんてモノがあるということを知らなかった。おかげでいったんはヤフオクで落札した中古の同じ型の汚れた中古のリモコンを使わずにすんだ。リモコンの中身というのがどういう構造になっているのか知らないが、最初にメーカーコードを設定してやると、まったく関係のない富士通のエアコンは信号を認識し心地よく動き始めた。早くも湿っぽい高温多湿の時期に入りつつあったので危機一髪であった。おかげで今涼しい状態でこれを書いている。
この間、100均で買って来たクワズイモの話だが、彼はあいかわらずここにいてすごい速さで成長している。さすがに高温多湿の国育ちである。観葉植物だから部屋の中で育てて、外に植えるわけにはいかないけれど、夏の間だけならけっこう育つのではないかと思う。買った時に一枚しかなかった葉はいつの間にかもう一枚出て来て光の射す方を常に探している。そのスピードがあまりに速いので人間じみて見えてしまうのだ。
さて自分はと言えば明日から3連休である。かといって特にやることもない。やることはたくさんあるが予定はない。全部片付けようとすると忙しそうだなと思う。最終日に友人の舞台を観に行くくらいか。ああそうだ、バイクのキャブをいいかげんに掃除して組み付けないと。雨の中バイクが錆びてしまう。いろんなことを片付けないといけない。そんな3連休の始まり。
ぜんぜん関係ないが富士山が世界遺産に指定された。本当はその富士山に22日に登る予定だったのだけれど、あいにくの台風の予報でもうほぼ確実にお流れになる。そう思って22日に舞台を観に行くことにしたのだ。いろんな人といろいろ連絡を取った。でも一人で中華屋に入ってビールを2杯と鶏肉のカシューナッツ炒めを頼んだ。明日は休みなのだ。新しいレインコートを来て湿度100%の中を遠回りして自転車で帰る。
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眠気と湿り気
http://sourroom.exblog.jp/18960932/
2013-06-13T00:30:57+09:00
2013-06-13T00:30:57+09:00
2013-06-13T00:30:57+09:00
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釣り
眠いなあ。寝なきゃなあと思う。でもなんだかんだ言いつつ起きている。PCやスマホの光を長時間見ると眠れなくなると信じているので、なるべく夜間にPCを開いたりしないようにしてはいるのだが、それでもやはり何となくネットに縛られているところがある。
最近すっかり投稿しなくなってしまったのは、やぱりFacebookのせいなんだろうなあと思う。簡単に慰めてもらえる時代になりましたよね、とどこかで誰かが言っていたような気がするが、まったくその通りだと思う。簡単に誰でも誰かの共感を得てもらえる時代になった。ただWeb上にネットで読みかじった記事に「いいね!」するだけでいいのである。政治的な記事にイイネすれば自分は知識人。ちょっとカルチャーチックな話題にイイネすれば流行家。それらをうまくブレンドして行けば、わりあい簡単にその人の人柄を知ることが出来る。知らないうちに自分がイメージ作りみたいなことをFB上でしていることに気がついて、ちょっと恐ろしくなった。ここに帰って来たのはそんな理由からである。ここなら箱庭なので特に周りの目を気にすることもあまりないのである。好かれようが好かれまいが、当人の知ったこっちゃないのである。なんせ個人のブログなんだから。
数日前にまた奥多摩に行って来た。個人的に用事があったからでもあるけれど、ついでに竿を出して来たらマス釣り場から逃げて来たニジマスならぬニゲマスが入れ食いになり、それなりに楽しめた。ニジマスが入れ食いになるというのは、じつは渓流釣り師にとってはあまり嬉しいことではないのだけれど、僕個人はしばらく魚自体の引きにご無沙汰でもあったので、楽しみながら釣っていた。その中に数匹ヤマメも混じっていたので、まあ満足である。
低気圧が近づいていたからであろうか、魚の活性の上がり方は尋常ではなかった。
さすがに10匹近く釣り上げてはリリースするのをくり返してたら、そこからはアタリはなくなってしまったけれど、もう夕方だったし、帰るにはいい頃合いだった。いい休日だったと思う。帰り道、温泉に入って帰ろうと思ったらもえぎの湯は定休日であった。残念と言えばそれがひとつ残念だった。
街に帰る。
翌日からは半袖のシャツを着て、いわゆるクールビズの格好で通勤する。去年までなにを意地になっていたのか、普通のワイシャツにネクタイを締めて腕まくりをして通勤していたのだけれど、無駄なこだわりであったことが着てみてわかった。一着990円の半袖シャツは、梅雨のこの季節とても着心地がよく快適だった。
着るものにちょっとまた変化を与えないといけない。いつも来ていたブルーのNORTH FACEのゴアテックスのシェルが防水機能が落ちて水が滲みるようになって来たので、あたらしいシェルを新調した。蛍光色のイエローに近い色のものだ。自転車に乗る以上は視認性がよいものに限る、というわけである。あたらしい黄色のジャケットは体をまったく蒸らすことがなかった。そうか、新品の状態だとこんなに透湿性があるのか。今さらながらゴアテックスの性質のよさに感心させられる。
一つの計画が進行中である。そのことについていろいろと考えているのだけれど、さあてなにをどうしようか、うまくいくのか心配である。まあしかし考えてもしかたないしなあ、とあいかわらずどこか他人事のように考えている。いろんなものに申し込んだ。またなにかちがった収穫があるといいなと思う。
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クワズイモ
http://sourroom.exblog.jp/18910879/
2013-06-06T01:27:00+09:00
2013-07-13T01:39:13+09:00
2013-06-06T01:27:50+09:00
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日常
新しい仲間が入った。名をクワズイモという。喰えないやつだぜ、と言おうとしたけれど、「いえいえ、『クエズ』イモではありません。私は『クワズ』イモです」と言った。
「そうか。じゃあお前を食おうとすれば食えるわけだな」と訊くと、クワズイモは黙り込んだ。心配しなくとも見るからにうまそうではないので食わないが、まあ邪魔になるわけでもなし、しばらく家に置いといてやろうと思う。
「しかしまあ、あれだな。知り合いにハワイアンがいてそいつはよくタロ芋をねっているけれど、お前らの仲間はいったい全体世界中にどのくらいいるのだ」と訊いてみた。
「たくさん。それはもうたくさんです。しかしその中で食べられるものはホンの数種類です。だから本来クワズイモというネーミングはおかしい。もしそうならほとんどの種類のイモが『クワズイモ』になってしまいますから」とクワズイモは言った。
「なるほど。あくまでも人間が主体となった自己中心的な価値観だということだな」
「はい。そしてすべてのイモを食べられるかそうでないかで分類することはひどく短絡的で下品です。あまり褒められたネーミングセンスではない」
「なるほど」
なんだか僕は自分自身も植物の一種であるような気がして、クワズイモと一緒に人類に対して少し批判的な姿勢をとった。クワズイモは新しく入ったばかりのポットから時折足を、いや根を抜いたりさしたりしながら最適なポジションを探っていた。
「あたらしい鉢は気に入ってくれたかい?」
僕は訊いた。
「悪くありません。つやのある質感もいい。私は白が好きです」
「よかった。いい鉢がなかなか見つからなくてちょうどいいものを探しに駅前の100円ショップまで行ったのだ」
「わざわざ、ありがとうございます」
「ところでお前の他にもクワズイモがいたな」
「はい」
「今日は見かけなかったが、誰かにもらわれて行ったのか」
「はい。若いカップルが買ってゆきました」
「お前の知り合いか」
「彼は私の弟です。同じ島で生まれました」
「島か」
「はい。とおいとおい南の島です」
クワズイモは「とおいとおい」というところをゆっくりと噛み締めるように言った。
「何島だ?」
「わかりません。いえ、もちろん私たちはわかっているのですが、人間の言葉でそれをなんと言うかがわかりません」
「しかしお前は人間の言葉をしゃべっているではないか」
「いえ、私は人間の言葉はしゃべれません」
「なに?」
「不思議ですね」
クワズイモは僕の方をじっと見ると一枚しかない葉をすこし斜めにかしげてみせた。
「たまに...」とクワズイモはそこでいったん間を置いた。
「私たちのような地下茎植物の言葉がわかる人間がいるという話を聞いたことがあります」
クワズイモは足下の鉢の縁をじっと見つめながら言った。
「時折、そうした亜種が人類にもいるのだと聞いたことがあります」
「亜種」
「そう、亜種」
私はタンブラーの中のビールをずずずとすすり込みながらクワズイモの言うことを聞いていた。
「すると、だ」
「はい」
「私は何かの拍子で亜種として生まれて来た」
「そう言うことになります」
「しかしなぜ?」
「理由はわかりません。生まれつき右利きか左利きかが選べないように、亜種として生まれて来るのも、ただしい純血として生まれて来るのも、生まれる前には選べません」
「ちがう。訊きたいのはなぜ言葉がわかるのかということだ。イモの言うことがわかったってそれが一対何になる?話し相手に困ったことはない」
少しそわそわしながら二本目のビールを空けていた。
「そうですね...。」
クワズイモはまた白いポットの縁を見つめながら考えていた。
「地下茎を持つ植物の言葉を理解できる人類はいても、それを一生ずっと理解できるわけではありません。大抵の場合、人生のどこかで言葉が理解できなくなるそうです。ここからは私個人の見解となりますが....、ひょっとしたらその人が他者との何かしらの強固なつながりを欲している時に、そうした言語能力が発現するのかもしれません」
「....つながり」
「あなたが店で私を見かけた時に私に話しかけたのは、通じることを直感で理解していたのでしょう。あなたはたぶん他の誰かとつながりたかった。そういう人がいた。私を介してその人との強いつながりをイメージした。だから私の言葉がわかったのではないでしょうか?」
僕はタンブラーをデスクに置き、あごをさすった。
「そうかもしれない」
「しかし、なんで君でなくてはいけなかったのか」
「それは私にもわかりません」
クワズイモは葉をかしげた。
「ただ、あなたを見た時にその誰かのイメージが浮かんだことは確かです。それが誰に似ているか、どのような表情であったか、同性なのか異性なのかは私の言語能力では描写が難しいですが、ただその表情が笑顔であったのは救いでした」
クワズイモは葉の先で微笑んだ。
「なんの話をしているかはわかる」
私は指をつき合わせながら言った。
「しかし私に言えることは....」
「はい」
「なんだかよくわからない」
「そうですね」
クワズイモは言った。
私たちはしばらく黙り込んだ。
「でもまあ、素敵なことだ」
「そうです」
外で換気扇の音が続いていた。換気扇の音が気になってくるほど酔いがまわっていたらしい。
「酔っぱらいと話をするのは嫌いじゃない?」
「かまいません。『酔う』ということがどういうことなのかそもそもよくわかりません」
「君はひょっとして...」
「姉なんです、あの店にいた弟の」
そうか。どうりでなんとなく安心するわけだ。
私は心の中でそう呟きながら、2本目のビールをグラスに注いだ。
こんな酒が飲めるなら亜種でいるのも悪くはないなと思う。
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夏が来る
http://sourroom.exblog.jp/18873673/
2013-05-30T00:40:21+09:00
2013-05-30T00:40:07+09:00
2013-05-30T00:40:07+09:00
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日常
映画を見ている最中に急におなかが痛くなった。水曜。レイトショー。右手の座席も左の座席も空いている。お客は3人だけ。後ろの左手側にカップルが座っている。
キャラメルのポップコーンなんてそんなに食べたいわけじゃなかったのに、安くもないそれをぽりぽりかじっていたら、途中で腹痛を感じた。退屈な映画だった。退屈な映画というのを観たのはひさしぶりだった。腹痛と夜勤明けの疲れで僕は顔をしかめながらうとうとし始めた。腹痛に耐えているのか、それとも睡魔に身を委ねているのか判然としなかった。最後のシーンも見なかった。
長い間何かを書こうと思っていたのだけれど、毎日が慌ただしく過ぎてゆき、ただただノルマをこなすだけの日々になってしまっていた。あいかわらず自分ルールが多いせいだろうか。それでも自分なりにリズムを見つけて生活をしていた5月だった。夜勤と日勤をくり返す日々は続いているが、それほど悪いとは思わなくなって来た。どんな生活にもメリットはあるのである。しかし、ひょっとしたら比較的時間の制約の少ない今の仕事の合間合間にいろんなものを詰め込みすぎていたのかもしれない。夜の鉄鋼団地を自転車で走り、時折信号で停まるとふうと深い息を吐いた。
つまらないことが増えている中で僕はいかにもつまらなそうな顔をしていた。あいかわらず世界は退屈だった。どこかで「世界は退屈じゃない、あなたが退屈な人間なのだ」というような文句を見かけたことがあるが、僕はたぶん今それに反論できる。ちがう。絶対に世界の方が退屈だと。
そんな中、何日か前に僕はまた東京都の奥の方まで釣りに行っていた。つまらない世の中で唯一面白いのは自然に戻ることしかない。川が流れて、木が生えてて、鳥が鳴き、葉が茂る山はとても当たり前だった。当たり前なことはすばらしい。風の匂いに含まれたたくさんの何かが意識を取り戻させた。僕はあいかわらず誰かが作ったルールなんか理解できなかったし(それでも前よりは理解できるようにはなったが)、誰かの時間に意味もなく付き合うことは苦痛でしかなかった。30を過ぎたけれど、人の性格ってやっぱりまったく変わらないんだなあと思った。人間の多すぎる世界のちょっと向こう側では、虫やけものや植物が彼らの世界で生きていた。彼らはこんなに完全なのに、なんで人間は自分たちが生み出した不完全なものの中に浸かって生きているのだろう。木漏れ日の中で自分で弁当用に作って来たいなりずしを食べながら考えた。
窓を開けている。換気扇の音が聞こえる。
夏が来る。
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セカイ
http://sourroom.exblog.jp/18624486/
2013-04-25T01:47:34+09:00
2013-04-25T01:47:12+09:00
2013-04-25T01:47:12+09:00
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日常
こんな風に雨が降るあらしのよるは、とてもおだやかな気分になる。
すこし強い酒を飲みながら、結婚式の写真を見る。いい式だった。家族だけのとてもささやかな式だったけれど、花嫁のウェディングドレス姿はとても美しかった。
弟よ。君と君の大切な人が作り出すセカイが、いつまでも素敵なものになりますように。
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夜桜
http://sourroom.exblog.jp/18485263/
2013-04-06T00:40:00+09:00
2013-04-15T00:02:30+09:00
2013-04-06T00:40:25+09:00
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日常
なんか足がカユいなと思っていたら足を蚊に喰われていた。なんてこった。今年初の虫さされである。今日はとても暖かく、夜勤明け、僕は来ていたジャケットを脱いでうでまくりをして自転車に乗った。蚊も羽化するぐらい暖かかったわけだ。蚊が羽化するなら、きっと渓流釣りもそろそろシーズンになりつつあるのだろう。あれやこれやしているうちにあっという間に冬は過ぎ去り、あまりの時間の早さにちょっとくらくらしている。
さっきはちょっと近所の飲み屋で放浪写真家Kと一杯だけ飲みつつ話をした。ローソンの角をちょっと行った所にある海賊バー。地元の人なら知っている人もいるのかもしれない。こじんまりしてはいるものの、しずかでうるさくないバーなので2~3人で会って話をするにはちょうどいい大きさの店だ。
K氏はあいかわらず写真をあっちこっち撮って歩いているらしいが、今日は彼が今注目していると言う田代一倫(たしろかずとも)という写真家を教えてくれた。被災地の人々のポートレイトを取り続けている人で、今年の1月2月に「はまゆりのころに2012年 秋」という個展もやっていて、自身で出版した写真集もある。Facebookでもページがあるというので、スマホをでさっそく検索して「いいね!」を押しておいた。
Kは彼自身歩き回って、出会った人達に声をかけ写真を撮らせてもらっていた経験の持ち主でもあるけれど、彼に言わせるとこの人はとてもとてもすごい人で、ここで撮られているのはなんの変哲もないポートレイトだけれど、そう簡単にだれにでもできるものではないのだと力説した。彼がいう時はじっさい本当にそうなので、とりあえず名前だけ控えておいたのだけど、なるほど、確かに簡単そうでいて被写体との距離感や空間。雰囲気の切り取り方が絶妙だ。そして量が膨大である。下手に風景を撮るよりも、こうして人物を見た方が、なんとなくその出来事の全容を掴めるような気がした。
僕らはあまり遅くまで長居をせずに帰宅した。こういう時は地元は気楽でいい。彼は普通に路地裏を通り、防波堤をこえ柵を越えて、地元民しか通らない裏道を通った。そういや、このへんもしばらく通ってなかったなと思い出した。
明日は嵐らしい。だから家にいるつもりだ。たくさんやることがあるのだ。
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